モデルハウスはあくまで見本と考えられがちですが、正規の設計施工がされた建築物です。
また、利用期間が終わったら法的に責任を課せられた宅建業者によって販売される物件となります。
この記事では、モデルハウスの販売のメリットやデメリット、探し方などを解説します。
予算をおさえながら、ハイグレードの物件を検討したい方は、ぜひ参考にしてください。
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モデルハウスは購入できる
モデルハウスを購入して住むといっても、それだけではなかなかイメージが湧きません。
まず基礎知識として、モデルハウスの種類や位置づけなどをご説明します。
モデルハウス販売は基本的に中古物件
モデルハウスとは、住宅メーカーが宣伝や販売促進の目的で、建物の内外観を実際に見てもらえるように建築する見本の物件です。
誰も住んでおらず、建った時点では登記もされていないモデルハウスが中古物件となるのはなぜでしょうか。
国土交通省による新築物件の定義は以下です。
「新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して1年経過したものを除く)」
モデルハウスは展示場で3~5年、分譲地でも1年は使用します。
住み始めるまでの期間に誰も住まなくても、建築から1年経過すれば新築として扱われず、中古住宅の購入となります。
住宅展示場と分譲地の違い
モデルハウスは住宅展示場に建てられる場合と、分譲地に1棟建築し、のちに建売住宅として販売する場合の2つがあります。
前者の住宅展示場の物件は解体・移築して販売され、後者の分譲地のモデルハウスは、そのままの場所で販売されるでしょう。
つまり、住宅展示場の場合は土地は販売せず、分譲地の場合は土地も含めた販売という違いです。
建売・注文を問わずモデルハウスで催すイベントを、オープンハウスや販売会と呼ぶことがあります。
モデルハウスの販売を利用するメリットとデメリット
モデルハウスの販売を利用する際のメリットとデメリットをご説明します。
モデルハウスの販売を利用するメリット
モデルハウスは通常の中古一戸建てにない魅力を備えているため、とても人気が高いです。
未入居で価格が安い
イベントとして宿泊体験をおこなっている場合はありますが、誰も住んでいなかった物件を格安で手に入れられます。
同様の新築住宅に比べて数百~1千万円も安い場合があり、この価格差は無視できないものでしょう。
未入居住宅とは、竣工から1年以上売れない中古物件を指しますが、モデルハウスは未入居とは違い、販売されなかった物件です。
良い設備や家電がつく場合も
モデルハウスはお客様の憧れを喚起するための物件なので、設備や仕様のグレードは高めで、間取りもゆとりのある家が多いです。
そのうえ、給湯や空調、オール電化やIoTほかの設備も充実し、グレードが高い場合が多いでしょう。
家電が配置されていることも多いので、お好みに合わせて利用することも交渉できます。
暮らしのイメージがつかみやすい
さらに、基本的な家具や調度品がセットされているので、そこで暮らす際のイメージがつかみやすくなっています。
家電同様、家具も付属した状態で譲り受けることができる場合もあります。
すぐに入居できる場合も
モデルハウスの販売はいつ入居できるのか、気になる方もおられるでしょう。
移築を必要としない分譲地のモデルハウスで、展示期間が終わったものは即入居が可能な場合もあります。
その場合は注文住宅の仕様で、建売並みの早期入居ができるかもしれません。
何度も担当者と打ち合わせのうえ、施工期間を待つ必要もありません。
完成した建物の売買契約だけで購入できるため、「早く新しい生活を始めたい」方には大きなメリットとなるでしょう。
中古住宅としてのメリット
前述のように、予算内で立地やグレードの良いものが手に入ることは中古物件としての大きなメリットです。
また、注文住宅のように自分のこだわりを活かせるのも良いですが、完成したものを実際にしっかり見て選べることは安心です。
さらにモデルハウス物件の場合は補修箇所は傷などが中心で、中古物件としてはリフォーム予算が低くて済むでしょう。
展示場からの移築物件の場合は、傷の補修は施工側負担となるうえ減築や改築も可能なため、リフォーム不要も多いです。
モデルハウスの販売を利用するデメリット
ではモデルハウスを購入する際にデメリットとなりうるのはどのような点でしょうか。
傷や壊れた箇所の補修が必要な場合も
居住目的ではなく展示で使用された建物なので、通常の住まい方とは異なる種類の傷や、壊れた箇所の補修が必要になる場合が考えられます。
モデルハウス販売の際の補修やアフターフォローの基準は、住宅メーカーごとにさまざまなため、事前に確認しておきましょう。
また、宿泊体験できるモデルハウスの場合、実際にキッチンやバスルーム、トイレなどは使用される形となります。
購入が抽選になることがある
モデルハウス販売はとても人気が高く、広告など公募での売買の場合は購入希望者が集中し、抽選販売となる場合があります。
積水ハイムのリユースハイム(展示場の移築物件)の場合1,000件ほどの購入希望で0.1%台の当選確率となることもあります。
また、抽選に応募して落選した方は、新築の営業の対象となるでしょう。
立地の選択が狭まる(分譲地)
分譲地の物件の場合は、建っている立地で購入することになるため、中古物件なのに立地の選択肢がないことになります。
希望の立地と一致していれば問題はありませんが、希望と異なる環境で暮らしていくことはおすすめできません。
予想外の費用がかかることがある
展示場の物件の移築の場合、改築・減築や間取り・仕様変更などのオーダーができます。
しかしあまり熱を入れて依頼した結果、新築に迫る予算になることがあります。
また、移築の場合は土地を別に購入する必要があり、それも予算のなかに想定しておかなければなりません。
このほか移築の場合、住宅ローンの融資条件で住宅性能表示制度・長期優良住宅の認定がとれません。
したがって住宅ローン控除を受けることは難しくなるでしょう。
モデルハウスの場合短期間の決断にはなりがちですが、お買い得な物件でも、無理な支払いは将来のリスクをともないます。
現在のキャッシュフローだけで借入額を決めると進学、家の維持管理など家計の変化に対応できない可能性もあるため、多角的な検討をおすすめします。
入居まで待つ場合がある
モデルハウスの販売物件の場合は移築なども必要な関係で、引き渡しまでに6ヵ月などの条件が付与されている場合があります。
いつ住居できるか気をもむことはないものの、一定期間は入居できないことがあります。
ただし旧居の整理や資金計画、借入審査、決済までの期間なども必要です。
とにかく冷静にスケジュールを考えることを意識しましょう。
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モデルハウスの販売の探し方
モデルハウスの販売物件を、どのようにして探すかをご説明します。
モデルハウスの販売を探す方法
Webの検索で「モデルハウス 販売 家具つき 埼玉」など、語句に地域名を入れて検索してみましょう。
「モデルハウス 販売」と入れただけで各地の地名が関連語句に出て、多くの方がこのように探すことがわかります。
また、実際に展示場を訪れ、分譲地の担当者に声をかけて、気に入った物件の販売予定がないかを訊ねてみるのも良いでしょう。
いつ頃販売するかや抽選の時期、補修や引き渡し時期などの販売条件も含めて教えてもらえることも考えられます。
立地の選び方
前述のように展示場からの移築の場合は、土地を自分で選べます。
分譲地は生活の便が良く、幹線道路沿いなど今後開発予定のある場所を中心に作られることが多いです。
しかし幹線道路沿いでもまだ周りに何も建っておらず、この先の開発状況がわからないこともあります。
その場合、都市計画の用途地域を自治体のWebサイトで確認し、これから周辺にどのような施設が作れるかを見てみましょう。
また、不動産会社のスタッフに「この辺りはこれからどうなるか」などを確認するのも良いでしょう。
参考:用途地域による建築物の用途制限の概要|東京都都市整備局
モデルハウスを購入する際の注意点
モデルハウスは一般的な中古とも新築とも異なるため、購入する際には注意するべき点があります。
暮らしの要望に合っているかを確認する
お得さや豪華さに惑わされず、家族のニーズに合った立地や間取りの建物か、維持費に無理はないかを確認しましょう。
未来のことを決めるのは難しい面もありますが、以下のように話をまとめておきます。
家族の要望のまとめ方
1.それぞれの希望を書き出す | 【要素】・広さ ・部屋数 ・仕事 ・通勤通学 ・休日の過ごし方 ・進学 ・老後の生活 ・その他 |
---|---|
2.優先順位を決める | 予算の範囲と生活上の合理性を基準に、優先順位を検討する。 |
3.物件と照らし合わせてみる | 【要素】・立地 ・間取り ・広さ ・維持費 ・ほか |
傷や壊れた箇所のチェックをおこなう
傷や壊れた箇所を確認し、購入できるとなった場合は修繕してもらえるか、支払い負担が誰になるかを確認しておきましょう。
入居後のアフターフォローの内容も事前に確認しておきます。
見えない不具合が気になる場合
仕様や設備などが豪華でも、見えない部分の作りは大丈夫かと気になることもあります。
しかし取り壊しでなく販売前提で建てられている物件は基本的に問題ありません。
また、宅建業者売り主の物件となるので、一般売り主の中古物件よりも契約不適合責任は厳しく、宅建業者は最低でも2年は品質や不具合への責任を負います。
また、それを免責する契約内容の部分は無効になります。
心配な場合はホームインスペクションと住宅瑕疵保険の実施を依頼するのも良いでしょう。
ホームインスペクションは専門業者による検査で隠れた不具合を発見するもので、費用は4.5~7万円ほどです。
ホームインスペクションを受けると、以降住宅総合瑕疵保険でも保護されます。
移築の場合の注意点
住宅展示場からの移築の場合、壁紙などすべて新しく新築同様の外見となり、税法上も償却していない固定資産とみなします。
ただし新築ではなくても最初の3年の減免はあります。
また、解体、移築する際に部材に傷みが出る可能性も知っておきましょう。
まとめ
モデルハウスの販売のメリットやデメリット、探し方などを解説しました。中古物件の魅力は、予算をおさえながら良い物件を購入できる点が大きいでしょう。
中古物件としてメリットの多いモデルハウス販売は、デメリットを理解して対応すれば、積極的に探す価値があります。
利用してみてはいかがでしょうか。
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