老後の一人暮らしには平屋が最適!中古一戸建ての利点やリフォーム・助成金も解説

老後の一人暮らしには平屋が最適!中古一戸建ての利点やリフォーム・助成金も解説

これまで老後の住まいとして理想のようにいわれてきた平屋ですが、最近は世代を問わず人気なのをご存じでしょうか?

国土交通省の調査では、平屋の着工棟数は10年でおよそ2倍近くとなり、全体に占める平屋の割合は、2019年に初めて10%を超えました。

これにともない今後は中古平屋住宅の供給も充実し、あらたな老後の住まいの選択肢が広がってきます。

この記事では、老後の一人暮らしに平屋が最適な理由、中古を選択するメリット、バリアフリーのためのリフォームや助成金も解説します。

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老後の一人暮らしに平屋を選ぶメリットとデメリット

老後の一人暮らしに平屋を選ぶメリットとデメリット

まず、老後はなぜ平屋が良いのか、老後の一人暮らしに焦点を絞ってメリット・デメリットを解説します。

老後の一人暮らしに平屋を選ぶメリット

平屋は老後の一人暮らしととても相性が良く、老後を心身ともに健康に暮らすのに都合の良い特徴がたくさん見られます。

動線がシンプルで暮らしやすい

まず平屋は2階がないだけでなく、一つのフロアに生活のすべての機能が集中することで、不要な動線が少ないのが特徴です。

そして、階段や2階のベランダをはじめとする、転倒や転落などの生活上のリスクも減らすことができます。

夫婦でお住まいの場合体調不良などに気付きやすく、同じフロアにいることで自然と会話が増えて、外出なども一緒の行動が増えるといわれてています。

床面積・居住者数ともに少な目で済む平屋は、自然と老後にフィットする理想の間取りに近くなるでしょう。

例えば、以下のような構造は老後に有利です。

  • 広めのLDKで将来そこにベッドも置け、寝室は家族や来客の泊まる部屋に転用する。
  • 家事室を広めにとって脱衣スペースと兼用し、リビングと同じ室温管理をする。
  • 寝室とトイレの距離を近くとり、見通し良く明るく、移動しやすくする。

不要な空間や家財が減る

通販の普及で高齢の方の家にモノがあふれる状況がいわれて久しいですが、人生のお供で残してきたたくさんの家財も、なかなか処分できません。

今までの広い家から平屋に引っ越すことで、一定の断捨離効果があることはご存じでしょう。

後述しますが、モノが減るということは終活の一環となるだけではなく、健康な老後を過ごすために効果の高い要素を含んでいます。

掃除やメンテナンスが楽で費用が安い

平屋となって掃除をする対象の面積が少なければ、掃除の負荷は減らせます。

水回り、給湯、電気、空調などの住宅設備も、4人以上の居住を想定したものに比べてサイズダウンできるため、メンテナンスのコストも抑えられるでしょう。

バリアフリー設計しやすい

バリアフリーとは、住まいの障害を取り除き暮らしやすい家にするという考え方ですが、平屋はバリアフリーでも有利です。

平屋は間取りの構成がシンプルな傾向にあり、移動が楽ですが、シンプルゆえに廊下の車いす移動や、室温設定などのバリアフリー設計も取り入れやすくなります。

また、平屋は冷暖房効率が高く、屋内の温度差からくるヒートショックの体調悪化のリスクを抑えることが比較的容易です。

地震や台風に強い

平屋はシンプルな形状の間取りで建物の高さも低いため、地震や台風に強い構造といえます。

購入前に自治体のハザードマップの確認は必須ですし、災害時にはなるべく早く避難することが大切ですが、壊れにくく命を守る丈夫な家は、安心度が違うでしょう。

老後の一人暮らしに平屋を選ぶデメリット

平屋の一戸建ては、構造上のデメリットもあります。

日当たりや風通しが確保しづらい

一戸建ては2階部分のベランダなどが1階への視界をさえぎる形となっています。

したがって平屋では開放感と引き換えに、近隣との距離が近い場合や高い建物がある場合には、日当たりや風通し、プライバシーの問題が生じることがあります。

水害などでは不利

豪雨などで床上浸水した場合、1階の被害で、復旧まではしばらく住めなくなることが考えられます。

床上浸水の被害はさまざまですが、家財の運び出し、洗浄と乾燥、床や壁面の張り直しなどが必要です。

新築はコストが割高

平屋の新築である程度の大きさの建物を作る場合、建ぺい率の関係で広い土地が必要となるため、建築コストが割高にならざるを得ません。

ただし広い土地が必要なのは、建築面積の大きい家族用の平屋の場合です。

中古は流通数が少ない

suumoの平屋中古物件掲載件数は、全国1600件弱(2023年8月)となっています。

少ない理由は冒頭で触れたように、これまで戸建て着工件数の10パーセント以下であったことが大きいでしょう。

また、若い世代は平屋を新築で取得する例が多いため、中古物件の多くがインターネットに情報が出ず、顧客に直接販売か、更地にして販売されるためです。

したがって中古の平屋を探す場合は、不動産会社へ探索を依頼するのがおすすめです。

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老後の一人暮らしに中古の平屋が向く理由

老後の一人暮らしに中古の平屋が向く理由

ここまでは、老後の一人暮らしと平屋の相性の良さをご説明しましたが、実は平屋を中古で取得することで、さらに老後に向く選択になります。

向く理由のポイントは以下の3つです。

  • 新築に比べてお金の使い方がうまくできる
  • 暮らしの利便性を確保しやすい
  • 老後の生活をより良くする複数の要素がある

資産をキープできる

終の棲家として、思いを反映した家を作りたいという気持ちはお察しします。

しかし、平屋の新築のコストは建物だけで1,300~1,700万円程度は必要ですし、老後2,000万円問題がいわれる今、老後資金はどうしても気にならざるを得ません。

新築でかかるコストの分、安くて立地の良い=資産性の高い中古物件を購入してお金を残し、いざというときに備えることもできます。

物件の立地が良ければ流動性や収益性も高く、貸すにも売るにも、柔軟な運用が可能となるでしょう。

新築と中古のコスト差の一例を、下記にご紹介します。

平屋の新築 埼玉県川越市 西武新宿線「本川越」駅 バス7分
55.64㎡ 2DK
3,180万円
中古平屋をリフォーム 埼玉県川越市 JR川越線 武蔵高萩駅 徒歩9分
42.25㎡ 2DK
物件価格 1,680万円 リフォーム 230万円※リフォーム内訳:6帖フローリング化20万円、トイレバリアフリー化:60万円、ユニットバスに交換70万円、キッチン設備更新50万円、床断熱工事30万円
1,910万円

暮らしの利便性を確保しやすい

老後の一人暮らしでは、食料品の調達と通院を徒歩でできることが理想です。

中古の予算で立地の良い物件が買えれば、暮らしの利便性も確保しやすいでしょう。

立地が良ければ家族の訪問もしやすく、突然の体調不良などに備えて近所の交流や、民生委員との連携も容易となります。

老後の充実した生活に役立つ

新築で思い通りに設計した家に移ると、今までの生活パターンや家財を思いのほか多く残しがちです。

その点中古物件では、複数の候補を見て回りながら新しい生活を思い描くことで、思い切ったパラダイムシフトができます。

程良い広さの家に移ることで、持ち物の整理とコンパクトな暮らしを目指しましょう。

また、使わないモノを処分すると気持ちが明るくなり、行動にも積極性が出るといわれており、心身の健康の向上につながります。

さらに、新しい生活では無駄なものを買わなくなるため、節約もできるようになるでしょう。

ちゅうこだて!の「住まいの紹介サービス」では、中古一戸建て探しのご相談を24時間チャットで受け付けております。
ぜひお気軽にご利用ください。

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老後の一人暮らしに平屋をリフォームする

老後の一人暮らしに平屋をリフォームする

中古で取得した平屋は、老後の一人暮らしのためにリフォームすることで、さらに理想の住まいに近づきます。

老後の一人暮らし用の平屋のリフォームは、以下の3つの観点から検討しましょう。

  • バリアフリーのリフォーム
  • 住宅性能のリフォーム
  • 意匠のリフォーム

バリアフリーは暮らしやすさだけではなく介護のしやすさも意識し、住宅性能(気密・断熱・省エネルギー)は快適性と節約につながる改修をしましょう。

また、意匠のリフォームは老後で増える「おうち時間」を意識して、ウッドデッキや庭のある暮らしを活かす施工を検討します。

バリアフリーのリフォーム

国民生活センターの調査では、65歳以上の高齢者の事故の77.1%が住宅内で起きており、ケガが最も多いのはリビング、次いで階段、キッチン・ダイニングとなっています。

老後に備えた早めの住み替えでも、購入の段階でバリアフリーを意識したリフォームをおこなっておくのがおすすめです。

入居時のリフォームは、室内温度差や断熱・気密などの、高齢になってからの暮らしやすさを確保するための改修をおこないます。

対して介護が必要になったときの介護保険などを利用したリフォームは、手すりの設置、段差の解消、床材変更、滑り止め設置、扉の引き戸変更、便器の取り換えなどが対象です。

これらをまず住宅購入の際にどこまでやるか、要介護などの認定が出たときにどうするかなどを検討しておきましょう。

住宅性能のリフォーム

前述のヒートショックは高齢者に多く、血圧の急上昇や脳貧血、脳梗塞など、時に死に至る深刻な影響を身体にもたらします。

東京ガスの研究では、浴室内の急死者数は、11月から翌3月にかけての冬季に集中することがわかっています。

これらに備えるために寒さ対策と、屋内の部屋ごとの気温差を小さくする対策が有効なので、床や壁の気密度のアップや断熱施工、浴室内暖房設置などをおこないましょう。

意匠のリフォーム

もし庭があれば、これからの新しい暮らしに合わせたアレンジをおすすめします。

意匠とは、建物の外観などに工夫を凝らすことですが、庭と家屋をつなぐ部分にアレンジを加えて、暮らしの機能も追加しましょう。

ウッドデッキやテラスは気軽に屋外に出られ、夫婦やご近所のコミュニケーションの場として機能するほか、四季を感じられるお茶や、趣味に取り組むスペースにもなります。

また、面しているリビングの開放感や、庭の景色を楽しむ効果も感じられるでしょう。

さらに、庭の手入れに身体の負荷やコストがかかりすぎる場合、雑草対策や伐採などの改修が必要になります。

老後の一人暮らしの平屋に助成金を利用する

老後の一人暮らしの平屋に助成金を利用する

助成金や減税の特例にはバリアフリーのほか、エコ、住宅性能、中古住宅購入、移住などさまざまな角度からの利用のチャンスがあります。

これらの助成金や減税の制度は、年度ごとの内容変更や応募数上限にともなう締め切り、複数制度の併用ができるかなど、常に最新情報を確認しましょう。

リフォームの助成金

入居時のリフォームは、「既存住宅における断熱リフォーム支援事業(最大120万円・補助率1/3)」や「省エネ改修(次世代建材)補助金(最大300~400万円・補助率1/2)」などのほか、市町村ごとの住宅関連補助金制度なども個別に設けられています。

介護的な見地のリフォームは年齢65歳以上の方や、要支援・要介護の方を対象に、介護保険や自治体が工事費用を20~100万円程度助成するという形もあるので、まだ先のことになる方も多いでしょう。

また、リフォームにこだわらず浴室などは浴用いすや浴槽用の手すり、浴槽内のいすなどを介護保険を利用して購入して済ますこともできます。

所得税の減税の例としては、住宅ローン控除のようにバリアフリー対象のリフォームローンに最大60万円の控除が受けられる制度などがあります。

中古一戸建て購入時の助成金

中古一戸建てを購入時に、以下のような国の補助金制度を利用できる場合があります。

制度名 補助金額 期間
こどもエコすまい支援事業 最大60万円 注:子どもの住まない世帯でも申請可能。
先進的窓リノベ事業 最大200万円 「2023年3月下旬」から「予算が上限に達するまで」
給湯省エネ事業 最大15万円
長期優良リフォーム推進事業 最大250万円 2023年度分締め切り。受付再開は現在未定。
各自治体の補助金 自治体によって異なる

このほか、中古一戸建て購入で各制度の条件に適合した場合、住宅ローン減税、贈与税非課税枠の利用(親からの贈与)、不動産取得税の軽減、登録免許税の軽減などが受けられます。

移住の支援金

中古一戸建て購入の際に地方移住をする場合、国や自治体の支援金が活用できます。

東京圏から地方に移住する方向けの「地方創生移住支援事業」や、各地方自治体も手厚い支援事業を展開していますので、確認してみましょう。

中古一戸建て購入時の助成金や減税に関しては、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事
移住するなら支援金を活用しよう!制度のしくみと利用方法(ちゅうこだて!コラム)

まとめ

まとめ

老後の一人暮らしに平屋が最適な理由や中古を選択するメリット、バリアフリーのためのリフォームや助成金などをご説明しました。

トカイナカや地方移住などをお考えの場合、平屋の一戸建ては暮らしの充実度や経済的な面で、良い選択肢となります。

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