中古住宅の購入に併せて火災保険を検討する方は多いですが、出費が重なることを懸念し加入を思い留まることもあるでしょう。
オプションによっては保険料が数10万円となることも稀でなく、予算との兼ね合いで補償範囲を設定することが大切です。
今回は火災保険の相場や必要性、節約術、加入タイミングについて紹介します。
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火災保険の相場は中古住宅と新築で変わらない
中古を理由に火災保険料が変動することはほとんどありません。
日本で一般化している「新価」という評価方法では、築年数に関係なく、新築価格を元に料金を算出するためです。
ここでは、火災保険の相場と保険料が中古と新築でほとんど変わらない理由を詳しく解説します。
火災保険の相場
東京都・鉄骨造住宅(T構造)・専有延床面積100㎡・築浅・保険期間5年の場合、相場は以下のようになります。
建物種類 | 戸建て | 戸建て(水災・盗難などの保証を付帯) | マンション・アパート | マンション・アパート(水災・盗難などの保証を付帯) |
---|---|---|---|---|
火災保険料 | 約18,000円 | 約46,000円 | 約6,000円 | 約16,000円 |
表の通り、火災保険は建物の種類やオプション内容によって料金が大きく変わります。
オプションは水災や盗難以外にも地震や電気的・機械的事故をカバーするものがあるなど、保険会社によってさまざまです。
また木造住宅のように、木などの耐火性に優れていない建材を多く用いている場合、保険料が倍近く高くなることがあります。
中古住宅と新築で料金が変わらない理由
中古住宅は経年劣化が考慮され、火災保険料が高くなる・安くなるイメージがあるかもしれません。
しかし先述の通り、現在の日本では新価(再調達価額)と呼ばれる方法で評価されるため、新築と変わらない価額で契約を結ぶことが可能です。
まずは火災保険料の評価の仕方が2パターンある点を確認しましょう。
- 新価:損害にあった建物や家財と同等のものを再築・再購入するために必要な金額を保険金額として契約する方法
- 時価:経過年月による価値の減少や消耗分を新価から差し引いた金額を保険金額として契約する方法
仮に時価で契約した場合、被害にあった時点の建物価値によっては支払われる保険金で損害分を補填できないことがあります。
新築時は3,000万円の建物価値があったとしても、火災時に1,500万円まで下降していると、その分支払われる保険金も減少するためです。
たいてい木造戸建は10年、マンションやアパートは25年経過する頃には新築時の半分の価値になるといわれています。
一方新価であれば、保険金だけで損害にあった建物や家財の同等物を再築・購入することができます。
中古住宅も新築価額をもとに保険料が算出されるため、築年数を理由に料金が変動することはありません。
中古住宅に火災保険は必須
新築住宅と保険料が変わらないとはいえ、費用がかさむことは家計にとって痛手です。
火災保険の加入は必ずしなければならないのでしょうか。
ここからは、加入する必要性や築古の火災保険事情について紹介します。
火災保険の必要性
火災保険は災害によって生じた損害のほか、損害を受けた際に生じる各種費用についても補償対象となっていることが多いです。
例えば焼け跡の整理にかかる費用や近所へのお詫びにかかる費用、消化活動に要した費用なども含まれます。
2021年の建物火災のうち約55%*1 は住宅火災であることからも他人事とはいえず、万が一の損害額を考えると加入は必須です。
また地震が多発する日本では、二次災害として火災が起こることも少なくありません。
災害時、火災保険は心強い存在となってくれるでしょう。
契約内容によっては、火災以外の自然災害による被害や盗難・破損・汚損などの人的被害に関するサポートも対応しています。
こうした理由から火災保険は災害保険、住宅総合保険と呼ばれることもあるほど、住宅にとって必要な保険です。
*1 令和3年(1月~12 月)における火災の概要(概数)について | 消防庁
古い家でも加入できる
火災保険は築年数に関わらず加入することができます。
被害の広がり具合を考えると、中古住宅ほど必要となる機会が増えるかもしれません。
例えば、築浅であれば耐えられるはずの自然災害も、経年劣化による耐久性の低下が影響し二次災害が起こりやすくなる恐れがあります。
ただし築古の場合、築年数をはじめとする火災保険に関する一定の条件を満たしていないと、新価での契約ができないことがあるため注意が必要です。
不安要素がある時は事前に不動産会社や保険会社に確認しましょう。
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中古住宅の火災保険料は6要素で決まる
中古住宅の火災保険料は以下6要素で決まることが多いです。
それぞれ解説していきます。
- 建物の構造
- 延床面積
- 所在地
- 補償範囲や特約の追加
- 戸建てorマンション・アパート
- 保険契約期間
建物の構造
住宅の建物構造はM構造、T構造、H構造の3つに分類することができ、種類によって火災保険料も変動します。
一般的に、M構造→T構造→H構造の順に料金が高くなります。
- M構造:マンション・アパートのコンクリート造やレンガ造、石造、耐火建築物
- T構造:一戸建ての鉄骨造やコンクリート造
- H構造:ツーバイフォーや枠組壁工法建物などで構成される木造の一戸建て住宅
また、建材も火災保険料の評価要素です。
鉄骨やコンクリートを主材料としている建物は相場が低くなりますが、耐火性に優れていない木造建築の場合は高値となる傾向にあります。
延床面積
延床面積や専有面積が広くなるほど火災保険料は高くなります。
面積が広いということは補償範囲も広くなり、保険会社の負担が大きくなるためです。
そのため前もって住宅の延床面積や専有面積なども確認しておくことで、火災保険料の目処を立てることができます。
契約時には正しい延床面積と専有面積を伝えましょう。
所在地
立地によって自然災害の発生率が高かったり損害を受けやすかったりと特色があるため、住宅の所在地も重要な評価要素です。
災害に備えた消火施設が整っている地域や自然災害を受けにくい地域では、火災保険料が低く設定されていることもあります。
購入する住宅の所在地をきちんと選定することで保険料の節約につながります。
補償範囲や特約の追加
火災保険は補償範囲を広げたり特約を追加することで料金が高くなります。
特約はオプションとも呼ばれ、以下のようなものがあります。
- 類焼損害補償特約:火災により近隣住宅に被害が及んだ際、近隣の住宅や家財を補償する
- 個人賠償責任補償特約:第三者に被害を与えたり他人の物を壊したりした際の損害賠償を補償する
補償範囲や特約を追加することは万が一に備えた安心材料になるものの、過剰になりすぎないように注意しましょう。
不要な保険料を支払わないためには、住宅の特徴を把握し、追加の有無を検討することが大切です。
戸建てorマンション・アパート
火災保険料は戸建てよりもマンション・アパートの方が安い傾向にあるといわれています。
その理由は補償範囲にあります。
火災保険の補償範囲は「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財」の3種類から選択でき「建物と家財」の料金が最も高いです。
戸建ての場合は「建物と家財」を選ぶことが一般的であるのに対し、建物をオーナーが管理するマンション・アパートは専有部の「家財のみ」で済みます。
また、戸建ては門やカーポートなどの付属建物も補償範囲に含まれるのに対し、マンション・アパートは廊下やバルコニーといった共用部が対象外な分、保険料が安くなるといった違いもあります。
保険契約期間
火災保険は契約期間を1〜10年で選べることがほとんどです。
長期契約は総額が高くなるものの、大半の保険会社は長期係数という制度を導入しており、契約期間が長くなるほど割安となる仕組みがあります。
加えて、最長である10年契約をした場合でも途中解約が可能なことが多く、長期契約のリスクはかなり低いといえるでしょう。
中古住宅の火災保険料を抑える方法
中古住宅の火災保険料を抑える方法として以下の3点が挙げられます。
- 不要な補償を外す
- 保険期間を長期にする
- 免責金額を増やす
火災保険は風災や水災などの自然災害も補償してくれる一方で、補償範囲を広げるほど保険料が高くなります。
災害にあうリスクはあるものの、建物や家財の損害は軽微と見込まれるのであれば、不要なオプションを外すと良いでしょう。
例えば住宅付近に河川や崖がない場合は「水災」を外すことができるかもしれません。
また、保険期間を長期にすることで、短期にするより割安となり、解約したとしても保険料が戻ってくる仕組みを取っている保険会社もあります。
不動産会社や保険に詳しい方と相談しながら最適なプランを練りましょう。
免責金額を増やすことで火災保険料を抑えることも可能です。
免責金額とは保険を利用する際の自己負担額のことで、支払われる保険金との兼ね合いが重要となってきます。
このように火災保険料を抑えることは、それほど難しいことではなく、住宅の特徴を把握し費用節約につなげましょう。
火災保険の加入は中古住宅の引き渡し日に合わせる
火災保険の加入タイミングは、建物の引渡し日に合わせましょう。
建物の所有権が自身に移ったタイミングから建物に起こった被害損失は、自分でカバーする必要があるためです。
例え、入居日と引渡し日がずれるとしても考え方は変わりません。
逆算をしながら適切な日程を抑えることが大切です。
また、火災保険は簡単に加入できるわけではなく保険会社を比較・検討したり補償内容を確認したりと時間がかかります。
焦ることなく引渡し・入居を進めるためにも、余裕を持って保険会社の比較・検討を行いましょう。
まとめ
火災保険はいざという時の心強い存在です。
特に、耐火性や耐久性が新築よりも劣化している中古住宅であれば、リスクを抑えるためにも加入するべきでしょう。
中古住宅から空き家まで幅広い物件を取り扱っている「ちゅうこだて!」では耐火性や耐久性に優れた物件の紹介はもちろん、火災保険加入についての相談もお待ちしています。
中古住宅の購入を検討する際にはちゅうこだて!にお問い合わせください。
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