住宅ローンの返済額が大きいと、せっかくのマイホームでの暮らしが節約を余儀なくされてしまいます。
余裕を持った生活を送るためには、住宅ローンを組む前にしっかりと返済計画を立てることが大切です。
今回は住宅ローンの返済額の目安や借入金額の設定方法を解説します。
最後にはお得に広い家を購入する方法も紹介しているので、参考にしてみてください。
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住宅購入後のローンの返済額はいくらが目安?
返済計画の目安として、住宅を購入した人の平均返済額を知りたい方は多いのではないでしょうか。
ここでは、返済額の目安や、返済額が変動する要因を解説していきます。
平均返済額は約6.3~14.5万円/月
住宅ローンの平均月間返済額は、物件の種類ごとに異なります。
国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、物件の種類ごとの平均返済額は、リフォーム住宅が最も低く約6.3万円/月、注文住宅が最も高く約14.5万円/月です。
年間返済額(万円) | 月間返済額(万円) | |
---|---|---|
注文住宅 | 174.0 | 14.5 |
分譲戸建住宅 | 126.6 | 10.6 |
分譲集合住宅 | 148.1 | 12.3 |
既存(中古)戸建住宅 | 106.7 | 8.9 |
既存(中古)集合住宅 | 101.3 | 8.4 |
リフォーム住宅 | 75.6 | 6.3 |
※「令和4年度住宅市場動向調査報告書」をもとに作成
また、世帯年収に対する年間返済額の割合「返済負担率」が最も低いのはリフォーム住宅の10.2%で、最も高いのは分譲戸建住宅の18.8%です。
借入金額や返済期間によって変動
借入金額や返済期間が変われば、月々の返済額も変動します。
例えば、4,000万円の物件を30年間で返済する場合の返済額は約11.1万円/月です。
一方で返済期間が20年間であれば、約16.6万円/月となります。
また、返済期間が同じ30年でも、借入金額が3,000万円であれば返済額は8.3万円/月になります。(金利を除いて計算)
「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、物件の購入金額の平均は、土地を購入した新築一戸建て住宅の5,436万円が1番高く、既存(中古)戸建て住宅では3,340万円となっています。
住宅ローンの平均返済期間は、物件の種類に関わらず30年前後です。
地域によっても異なる
物件価格は地域ごとの土地の価格に起因して異なるため、地域ごとの平均返済額にも差が生じます。
特に首都圏とその他の地域では価格差が大きいです。住宅金融支援機構「2021年度フラット35利用者調査」によると、首都圏の注文住宅の平均所要資金は3,899万円です。
一方で全国平均は3,572万円であり、首都圏と約300万円の差があります。
また、首都圏・近畿圏・東海圏を除いた地域の平均は3,372万円で、首都圏よりも500万円ほど安いです。
このように、返済額は物件の種類・借入金額・返済期間・地域によって異なるため、自分の条件でシミュレーションしておくことが大切です。
住宅ローンの借入可能額は年収に対していくら?
住宅ローンで借り入れられる金額は、「年収倍率」と「返済負担率」で計算できます。
この2つの基準をもとに借入金額を設定すれば、無理なく返済できるといわれています。
ここからは国土交通省や住宅金融支援機構の調査をもとに、年収倍率と返済負担率の目安を紹介します。
目安は年収の5倍、返済負担率15~25%が主流
年収倍率とは、住宅の購入価格が世帯年収の何倍かを表す数字です。
一般的に、無理なく返済できる基準は5倍だといわれています。
実際の年収倍率は「2021年度フラット35利用者調査」をもとに作成した以下の表をご覧ください。
平均年収倍率(倍) | |
---|---|
注文住宅 | 6.8 |
土地付注文住宅 | 7.5 |
建売住宅 | 7.0 |
マンション | 7.2 |
中古戸建 | 5.7 |
中古マンション | 5.8 |
※「2021年度フラット35利用者調査」をもとに作成
このように、新築だとだいたい6~7倍、中古だとだいたい6割弱程度の年収倍率であることがわかります。
返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合です。
一般的に、無理なく返済できる基準は25%だといわれており、例えば年収500万円の世帯であれば返済額は125万円/年になります。
実際の物件ごとの返済負担率の平均は以下の通りです。
返済負担率(%) | |
---|---|
注文住宅 | 16.4 |
分譲戸建住宅 | 18.8 |
分譲集合住宅 | 17.4 |
既存(中古)戸建住宅 | 16.6 |
既存(中古)集合住宅 | 16.6 |
リフォーム住宅 | 10.2 |
※「令和4年度住宅市場動向調査報告書」をもとに作成
実際の返済負担率は10.2~18.8%が平均であり、余裕を持って借りるケースが多いことがわかります。
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利用者は世帯年収400~600万円が中心
ちなみに住宅ローン利用者は、世帯年収400万円以上600万円未満が中心で、世帯年収800万円未満が全体の8割を占めています。
そのためここでは、メイン層である世帯年収400~800万円の年収倍率5倍と返済負担率25%の金額を紹介します。
世帯年収 | 年収倍率5倍(万円) | 返済負担率25%(万円) |
---|---|---|
400万円 | 2,000 | 1,600 |
600万円 | 3,000 | 2,400 |
800万円 | 4,000 | 3,200 |
夫婦や1親等の家族なら、それぞれがローンを組んで住宅を購入する「ペアローン」も利用できます。
特に共働きの夫婦では、1人で借りるよりもペアローンの方が融資額が大きくなるケースが多いです。
また、それぞれがローンの名義人として団体信用生命保険に加入できたり、住宅ローン控除を受けたりすることができるのでメリットが大きいといえるでしょう。
ただし、妊娠や出産で収入が変動する可能性を考慮しておくことが必要です。
住宅ローンを組む際に気をつける5つのこと
住宅ローンを組む際には、年収や借入金額以外にも気をつけるべきポイントがあります。
知らないと損をすることや返済できなくなることがあるため、ローンを組む前に必ず確認しておきましょう。
いくら借り入れるかは出費から逆算する
借入可能金額と返済可能金額は異なります。
借入可能額の満額を借りるのではなく、無理なく返済できる金額を借りることが大切です。
年収倍率はあくまでも目安として、生活費・教育費・固定費・老後資金などの出費から逆算して、返済可能な借入金額を決めましょう。
総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2021年」によると、2人以上の世帯の月平均支出は279,024円です。
ただし世帯の支出は、家族構成などによって変動します。
また、住宅の購入後には固定資産税や修繕費がかかることも想定しておく必要があります。
3タイプの金利を比較し、自身に合ったものを選ぶ
住宅ローンには、大きく分けて以下の3つのタイプの金利があります。
タイプ | 特徴 |
---|---|
全期間固定金利型 | ・完済までの金利が固定されている
・借入時に完済までの返済額を確定できる ・金利が高いケースが多い |
変動金利型 | ・一定期間ごとに金利が見直される
・金利が下がれば返済額も減るが、金利が上がると返済額が増える |
固定金利期間選択型 | ・期間ごとに金利タイプを選択できる
・期間が終わると、再度金利タイプを選択可能 |
頭金は購入価格の20~30%を支払う
頭金は、購入価格の20~30%を支払うと損をしにくくなります。
なぜなら多くの住宅ローンは、借入金額が物件価格の90%を超えると金利が高くなるためです。
物件価格の90%以上の借入は回収のリスクが高まるため、審査や金利などの条件が厳しくなりやすい傾向にあります。
そのため、購入価格の20~30%の頭金を払って借入金額を調整しましょう。
不動産会社が斡旋する住宅ローンでもこのような条件が多いです。
とはいえ、貯金が少なくても頭金0円のフルローンで購入できる仕組みもあるため、自分に合ったローンや金融機関を選ぶことが大切です。
住宅の購入は45歳までが理想的
住宅ローンは、45歳までに組むのが理想的です。
一般的に住宅ローンの返済期間は30年前後に設定されます。
しかし、45歳を超えてから30年ローンを組むと定年退職後も返済が続くことになり大きな負担となります。
また、フラット35は最長借入期間を35年、完済年齢上限を80歳に設定しています。
つまり、45歳を超えると最長の35年ローンを組むことができず、月々の返済額が上がります。
45歳より若いうちに借りれば、返済期間を長くして月々の負担を減らすことが可能です。
支払利息を減らせる繰上げ返済について
住宅ローンの返済方法には、支払利息を減らして返済総額を減らす「繰上げ返済」という方法があります。
繰上げ返済とは、月々の返済に加えてまとまった額を返済する方法です。
繰上げて返済した金額分、返済期間を短くする(期間短縮型)、あるいは月々の返済額を減らす(返済額軽減型)ことができます。
返済額軽減型はすぐに月々の負担が減るためメリットを感じやすいです。
しかし、長い目で見れば期間短縮型の方が利息を減らすことができます。
住宅ローンの支払い負担を軽減するならちゅうこだて!
余裕を持って生活するなら、中古住宅の購入もおすすめです。
2人以上の世帯の平均支出279,024円に、住宅ローンの平均返済額5.7~12.5万円を加えると、月の支出は40万円ほどまで膨れます。
せっかく新築住宅を買ったのに支出で首が回らなくなるのであれば、中古住宅を安く購入した方がのびのびと過ごせるでしょう。
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また、住宅ローン返済額シミュレーションでは、物件価格から月々の負担を簡単に計算できます。
ローン相談もできるため、物件やお金に関する知識がない方でも不安や疑問を解決しながら物件を購入できます。
まとめ
住宅ローンの平均返済額は、約5.7~12.5万円/月が目安です。
ただし、借入金額や返済期間、地域などによって変動します。
共働きの夫婦の場合は、ペアローンを利用することで融資額増額や住宅ローン控除などのメリットが得られます。
高額の家を購入したい場合は、ペアローンも検討してみましょう。
負担を抑えて広い家に住みたい方は、中古住宅の購入もおすすめです。
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