ふすまのリフォームはDIYでできる?基礎知識や施工の方法を解説

ふすまのリフォームはDIYでできる?基礎知識や施工の方法を解説

ふすまの張り替えをするのは職人さんの仕事というイメージもあり「難しそう」と感じるかもしれません。

たしかに、ふすまの構造やふすま紙の種類を知っておく必要はありますが、経験のない方が一人でも張り替えることはできます。

この記事では、ふすまのリフォームをDIYでおこなうための基礎知識や、施工の方法を解説します。

業者に依頼する場合の方法も説明していますので、ぜひ最後までお読みください。

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ふすまのリフォームはDIYでできる

ふすまのリフォームはDIYでできる

ふすまは使っているうちに傷んでくるため、きれいに維持する目的で張り替えをおこないます。

DIYで今までと違うデザインのものとリフォームするとお部屋の雰囲気が変わり、達成感もあって一石三鳥です。

事前に知識があれば大丈夫

前述のようにふすまは外見が同じでも、内側の構造や材質に種類があります。

張り替えるふすまの種類と、それに合った張り替えの方法を知っておけば、DIYの張り替えも問題なくおこなうことができます。

逆にこの下調べがおろそかな状態で、ふすまの種類に合わない手順や方法でおこなうと、表面がシワになるなど失敗し、ふすまがダメになることもあるので要注意です。

ふすまを張り替えるタイミング

ふすまを張り替えるタイミング

破れや汚れの目立つ障子とは違い、ふすまを張り替える発想があまりないことも多いのですが、実はふすまの張り替えは定期的におこなうものです。

張り替えは10年に1回が目安

一般的には、ふすまの耐用年数は約10年が目安とされていますが、それ以外にふすまの傷みが原因で、張り替えのタイミングとなる場合があります。

また、お部屋の雰囲気を変えたい、来客や宿泊客に合わせて、冠婚葬祭の前、年末年始なども張り替えにはおすすめのタイミングでしょう。

汚れや傷みが目立ったときもタイミング

ふすま紙の破れ・汚れ・色のくすみや変色・日焼け・たるみやシワが目立ってきたときには、張り替えを検討しましょう。

ふすまの破れから湿気が侵入して、カビが生えている場合も、早めの張り替えでふすま本体の寿命を延ばすことができます。

このほか、ふすまの表面以外に引き手のぐらつきや、ふすまを動かして滑りが悪いときもお手入れをしましょう。

<ふすまの張り替えのタイミング>

  • ふすまの傷み(破れ・汚れ・色のくすみや変色・日焼け・たるみ・シワ・カビ)
  • お部屋の雰囲気を変えたい
  • 来客や宿泊客
  • 冠婚葬祭の前
  • 年末年始

ふすまをリフォームする効果

ふすまをリフォームする効果

ふすま紙の素材は進化しているため、ふすまをリフォームすることで、きれいになりおしゃれな雰囲気が楽しめるだけでなく、ふすまの機能性もアップできます。

おしゃれな外観に

一般的に和室にふすまという空間は、和のテイストの家具や調度をそろえることがメインです。

しかしふすまをDIYでリメイクすることで和室から和モダン、洋室風などへ雰囲気を一変させられます。

もちろんメンテナンスの目的主体で、従来の雰囲気を変えない方向性のリフォームもできます。

機能性のアップ

ビニール製のリメイクシートなど、張り替える素材によって、汚れや濡れなどに強いふすまにもできるため、子どもを和室で遊ばせることが多い家庭にはおすすめです。

子どもさん向けには黒板シートもあり、ふすま紙に貼ることができます。

黒板シートとは、黒板のように書いたり消したりできるシートのことです。

リビングに貼ればメモや伝言板として使え、子どもの落書き用として貼れば、ふすまを汚すことを防ぎます。

ふすまのリフォームの方向性を決める

ふすまのリフォームの方向性を決める

DIYのリフォームで元通りに近い形できれいにするほかに、お部屋の雰囲気を変えるには、どのような方向性があるかをご紹介します。

洋風の外観にする

和室を洋室に転換するような洋風デザインのふすま紙を使ってリフォームをおこなうと、リビングなどの部屋との視覚的なつながりを良くできます。

洋風のふすま紙は、単に洋室のデザインを模したものだけではなく、都会的な硬質なもの、北欧風のポップなもの、柔らかい雰囲気のモノトーンなど、今のお部屋に合わせてさまざまな選択を検討しましょう。

張り替えではなくペンキを塗ったり、リメイクシートを貼ったりするなどして、質感を変えるのも一つの選択肢です。

また、ふすまという存在にこだわらず、部屋の境目にあるふすまの上半分をくり抜き、障子の木格子とガラスシートを使って窓を作ってしまうなどの大胆なDIYリフォーム例もあります。

ふすまの張り替えを検討することで、畳や障子など室内のトータルリフォームにつながることもあるでしょう。

和モダンの外観にする

和モダンとは、従来の和風デザインと、洋風に近い現代的でおしゃれなテイストを融合させるデザインです。天然素材感を意識しながら、従来の和室にはみられない雰囲気づくりをします。

和室の落ち着きある雰囲気、リラックスできる空間を残しながら、デザインや使い勝手を向上させたい場合、DIYのリフォームで和室の雰囲気のまま、モダンなデザインのふすま紙を張るのもおすすめです。

和モダンのふすま紙は繊細な色味やデザインのものも多く、見て選んでいるだけでも楽しさがあります。

前述のように昔ながらの和室よりも、隣接するリビングやダイニングとの外観上のつながりも良くなるでしょう。

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ふすまをDIYでリフォームする方法

ふすまをDIYでリフォームする方法

外観に区別のないふすまも種類や構造がさまざまで、DIYのリフォームにはその基礎知識が必要になります。

ふすまの種類をご紹介します。

ふすまの種類

ふすまの種類別の構造は、DIYリフォームの仕方に直接影響があり、張るふすま紙のほか、そろえる道具まで変わってくることがあります。

本襖(和襖)

もっとも一般的なタイプのふすまで、強度と耐久性に優れています。

表面を触ると骨組みの場所がわかり、何度でも張り替えが可能です。

構造は中小骨という木材の骨組みが芯材となっていて、その両側に和紙を下張りし、表面にふすま紙を張ります。

戸襖

戸襖は簡単に組んだ組子に合板やベニア板を張った構造で、片面にふすま紙、もう片面に壁紙を貼って和室と洋室の区切りを別の顔にするのに用いられます。

ふすまといいながら、重みのある引き戸にも分類され、その構造から幅広いデザインがあります。

ダンボール襖

木製の組子の代わりに、ダンボールが芯材となったふすまで、両側にアルミ箔を張って下張りをし、表面にふすま紙を張ります。

安価で軽量で扱いやすく、主に賃貸アパートで使われますが、水濡れには要注意です。

発泡スチロール襖

発泡スチロールが芯材に使われており、それ以外の構造や使われ方はダンボール襖と同じです。

衝撃や熱に弱いですが、ダンボール襖同様、安価で軽く扱いやすいふすまです。

その他

ほかにも材質によって、組子襖、板襖、組子式チップボードふすま(チップボールふすま)、ペーパーコアふすまなどがあります。

ふすまの種類

種類 特徴・見分け方 作業
本襖(和襖) 木製の組子

・表面を触ると格子の骨組みがわかる

下地が固く、張りやすい
戸襖 組子の両面に合板を張る

・表面を触ると平坦
・重い
・叩くと音が響く

下地が固く、張りやすい
ダンボール襖 ダンボールが芯材

・表面を触ると平坦
・軽い
・引き手を接着剤で接合

軽くて扱いやすい
発泡スチロール襖 発泡スチロールが芯材

・表面を触ると平坦
・軽い
・引き手を接着剤で接合

軽くて扱いやすい
その他名称

=組子襖、板襖、組子式チップボード襖、ペーパーコア襖

・組子があるものは重め

・ペーパーコア襖はダンボール襖の一種だが丈夫

表面が平坦なものは張りやすい

ふすまのサイズの種類

ふすまのサイズによってリフォーム用にそろえる素材などが変わるため、注意が必要です。

ふすまの標準サイズ

ふすまの標準サイズは、高さ170〜180cm × 幅90cm前後で、ふすまの枠の幅は上下の枠がそれぞれ約2.5cm、左右の枠はそれぞれ2cm程度が一般的です。

しかし近年は、天井の高い家が増えてきたことで高さ2mを超えたり、横幅が従来より広かったりなど「丈長」や「幅広」と呼ばれるタイプのふすまが普及しています。

まずは実際にふすまの高さや幅を測ってみましょう。

大きい場合や小さい場合

築年数の経った物件では標準より小さく、高さ169cm以下・幅77cm以下などのサイズの場合もある点、要注意です。

小さければ張るふすま紙を切れば良いのですが、想定よりも大きく切ることになるため、できあがりのデザインが変わることもあります。

このようにサイズの小さなふすまや天袋、半襖など、シートの長さが半端となったり、デザインがフィットしなかったりすることがあるので、事前に確認しましょう。

ふすま紙の種類

続いて、ふすま紙の材質や接着方法の分類をご説明します。

和紙

和紙のふすま紙は「鳥の子」と呼ばれ、素材や製造方法によって4つのランクに分かれますので、選ぶうえの目安としてください。

機械製造のものは、高ランクから順に鳥の子、上新鳥の子、新鳥の子に分けられ、もっともランクが高いのは職人による手すきの鳥の子で、「本鳥の子」と呼ばれます。

織物

織物のふすま紙は糸の種類や織り方によって、高級・中級・普及と3つのランクに分かれ、和紙よりも丈夫で、柄が立体的なのが特徴です。

この他、ふすまに張る場合でも壁紙に分類されるものは、ビニールや化学繊維素材のものもあります。

和紙や織物は作業時にのりを使うものが多いですが、以下のような接着方法もあります。

アイロン貼りタイプ

アイロンの熱で粘着剤を溶かしてふすまに貼るタイプです。

表面が平らなふすまが向いており、中小骨で凹凸のある本襖の場合はコツが必要です。

欠点として、加熱できないタイプのふすまには使えません。

例えば発泡スチロール襖は、アイロンの熱で芯材が溶けるおそれがあり、ビニールのふすま紙が残っているような場合も、上からの使用はNGです。

再湿のりタイプ

郵便切手の要領で、のりが塗られた面を水で濡らして使用します。

多くの水でシートを伸ばして密着させるため、水に弱いダンボール襖や発泡スチロール襖には不向きです。

シールタイプ

シールタイプは裏紙を外して、シールを貼るように使用できます。

ただ、アイロン貼りタイプと同様、本襖は中小骨で凹凸があるため、その点では張り替えが難しいでしょう。

また、シールタイプのふすま紙は重ね張りができないものが多いので、事前に説明書を読んで重ね貼りができるかをチェックしておく必要があります。

この他、のりで張る代わりに両面テープを格子状に貼り付けた上から、ふすま紙を貼っていく方法もよくおこなわれます。

ふすまリメイクに使う紙は、国産のものと輸入したものの2種類です。

ふすま紙のサイズは国産のものであれば横幅92cmあるため、一般的なふすまの横幅がおよそ90cmに対応できます。

一方輸入の紙は横幅がおよそ52cmでふすま用には2枚をつなぎ合わせる必要があり、作業の難易度は高くなります。

「どうしてもその柄を!」というのでなければ、国産壁紙がおすすめです。

ふすまのリフォームに必要な道具

ふすまをDIYで張り替える際には、主に以下の道具が必要となります。

ふすまをDIYでリフォームするための道具・使い方

新しいふすま紙 サイズと、古いふすまに使えるかは事前にしっかり確認する。
のりか両面テープ ふすま紙にのりなどが付いているタイプの場合は不要。
ヘラ 新しいふすま紙の上から押さえて空気を抜き、密着させる。
はさみ、カッター 余った部分を切る。
定規 長さを測る。ふすま紙を切る際にあてがう。
筆記用具 ふすまやふすま紙、のりしろのサイズをメモする。
新聞紙 作業スペースにふすまを寝かせる際に、ふすまを汚さないように下に新聞紙を敷いておく。
その他
(あれば便利、あるいは特定の作業で必要)
インテリアバール、枠はがし、はがしヘラ、鋲抜き、のり付けスポンジ、のり拭きとりスポンジ、おさえブラシ、おさえローラー、おさえ刷毛、ふすま紙・障子用カッター、マスキングテープ、スチームアイロン、カッティングメジャー、平たい形状の重しなど

ふすまが外れないとき

ふすまのリフォームは最初にふすまを外す必要がありますが、外れないか、外れにくくなっている場合があります。

ふすまが外れない原因

ふすまが外れない主な原因は以下です。

  • 家全体のひずみ
  • 敷居のレール部分の劣化
  • 敷居とふすまの間のゴミ

ゴミが原因であれば、掃除すれば問題は解決しますが、ひずみや劣化の場合は、外すために多少の工夫が必要となります。

ふすまの外し方

普通の状況におけるふすまの外し方は、レールの上で外しやすい場所に移動させ、持ち上げて下側を浮かせ、手前に引き出します。

外れにくい場合はまず、レースの上でさまざまな場所に移動させ、外れる場所を探してみましょう。

ふすまが外れない場合

どうしても外れない場合は、以下を試します。

  • レール部分を掃除する
  • シリコンスプレーやロウを塗る 敷居滑りを貼り直す
  • 鴨居をジャッキなどで持ち上げる
  • 業者に作業依頼する

鴨居を持ち上げるのはほんのわずかで良いのですが、ジャッキはふすまの枠を上下に開くタイプの特殊なものなので、それだけを建具を扱う業者に依頼するのが良いかもしれません。

作業前の確認

取り外したふすまから必要に応じて、枠や引き手も外しておき、ふすまの内部の構造も確認します。

ふすまの張り替えの際は、ふすま紙の特性上乾燥していると伸びにくく、張り替えが難しくなることと、ふすま紙の「反り」を引き起こす原因になります。

ふすまを張り替える際は加湿などで湿度が高い状態にするか、夏季などの湿度の高い時期がおすすめです。

方法1・両面テープを使う

両面テープを使ってふすまを張る手順をご紹介します。

古いふすまの上から張る場合は、軽く掃除をしましょう。古いふすまに汚れが付着したままでは、新しいふすま紙がうまく付かなかったり、ふすま紙にカビが発生したりすることがあります。

  1. ふすまの高さ+10cmの長さにふすま紙を切る
  2. 外枠の内側にある線に合わせて、両面テープを1周貼る
  3. 2のなかに約20cmの格子状になるように、両面テープを貼る
  4. 新しいふすま紙を上に置き、半分をマスキングテープなどで仮止めして位置合わせ
  5. 仮止めしていない側から両面テープのフィルムをはがし、ふすま紙を貼り付ける
  6. 半分を過ぎたら仮止めを外しもう半分のふすま紙を張る
  7. ヘラなどでふすま紙を押さえ、余った部分をカットする
  8. 張ったあとに霧吹きで水をかけてから乾燥させるときれいに仕上がる

方法2・のりで張る

のりを使ってふすま紙を張る手順は以下です。

本格張りは本ふすまの枠を取り外して張る方法です。

  1. 枠と引き手を取り外し、古いふすま紙の面のホコリなどをきれいにしておく
  2. ふすまの高さ+10cmの長さにふすま紙を切る
  3. 新しい壁紙をふすまの上に置き1/3程度あけて仮止めする
  4. ふすまにのりを付け1/3ずつ仮止めを外し、壁紙を張っていく
  5. ヘラなどで壁紙を押さえ、端は角に合わせて折り込む
  6. ふすま紙の余った部分を切る
  7. 枠と引き手をもとのように取り付ける

壁紙をならす際はヘラを使って中央から外に向かって空気を抜きます。

のりを使って壁紙を貼る場合、貼った直後はシワが寄りがちですが、2~3日経ってのりが完全に乾くとふすまが張ってきます。

枠を外さずにのりで張る方法は以下です。

  1. 引き手を外す
  2. 破れの補修
  3. マスキングテープをふすま枠に貼る
  4. 新しいふすま紙を切る
  5. ふすま紙に水とのりを塗る
  6. 位置を決めふすま紙を張る
  7. 襖枠に沿ってカット

ここで作業の基本を補足します。

引き手を外したあとに、古いふすま紙に穴があいていたり破れていたりする場合は、補修しましょう。

次に、ふすまの枠にのりが付かないように、マスキングテープで養生していきます。

四方の枠全体に、隙間ができないように貼ります。

続いて新しいふすま紙を裁断しますが、ふすまの大きさに合わせずに、四辺とも1~2cm大きめに切りましょう。

新しいふすま紙には巻きぐせがついており、破れ、シワ、裁断する位置のズレなどが起きないように、逆さに巻いてクセを直してください。

ビニールシートなどを敷いた上に新しいふすま紙を置いて、裏面全体にスポンジで水を付け、5分ほど放置してふすま紙を伸ばします。

ふすま紙の表側には水がつかないよう注意しましょう。

次にふすま紙にのりを塗って伸ばしてください。

ふすま紙全体にのりを薄めに塗り、縁には濃く塗ります。

新しいふすま紙にのりを塗ったら、ふすま紙を張る位置をチェックし、上下の向きや傾いていないかを確認したら、ふすま紙の上にふすまの本体をゆっくりのせましょう。

この作業は2人で作業するのがおすすめです。

一人での作業の場合は、ふすま紙をふすまにのせるほうがやりやすいでしょう。

ふすま紙がはがれないよう丁寧にふすまを裏返し、貼り付けます。おさえ刷毛を使い、中心から外側に向かって空気を押し出していきます。

シワがよった場合は、その箇所だけをはがして貼り直しましょう。

和紙のふすま紙は、おさえ刷毛を使わず手のひらで張ったほうがきれいに仕上がります。

手は事前によく洗っておきましょう。

新しいふすま紙を張ったら、完全に乾く前に襖枠の隅をヘラで枠の境目に押し込み、定規とカッターを使い、襖枠に沿って余分な部分を切ります。四辺すべてを切り終わったら、もう一度ふすま紙を枠の隅にヘラで押し込み、端をきれいに整えましょう。

切り終わったらマスキングテープをはがし、しっかり乾かします。最後に引き手を取り付けて完成です。

方法3・アイロンで張る

アイロン貼りタイプのふすま紙は、はじめてのDIYや一人でおこなう場合にもおすすめです。

枠を取り外す手間もかからず、簡単にふすまを張り替えることができますが、加熱できないふすまには使わないように、注意しましょう。

アイロン貼りの手順は以下です。

  1. ふすまから引き手を外す
  2. 枠の部分をマスキングテープで養生する
  3. ふすま紙をふすまに当て、貼り付けの位置を決め、仮止めする
  4. ふすま紙に合った温度にアイロンを設定する
  5. 中心部分から縦方向にスチームアイロンでゆっくりとふすま紙を張る
  6. 次に左右方向にアイロンをかける
  7. ふすま紙の角に切り込みを入れ、枠に沿ってふすま紙を張る
  8. 定規などを使って余分なふすま紙を切り取る
  9. 仕上げに全体にアイロンがけをして完了

方法4・再湿タイプ(本格張り)

再湿タイプを使った本格張りの手順は以下です。

再湿タイプのふすま紙はやや作業が難しいですが、きれいに仕上がるのが特徴です。

本格張りは本ふすまの枠を取り外して張る方法ですが、枠を外せない戸襖などは、古いふすまの上から張ります。

  1. ふすまから引き手の金具を取り外す
  2. 上下左右の取り付け位置を忘れないように、ふすまに目印を付ける
  3. 上下左右の枠の釘を外し、枠を外す
  4. ふすま紙の巻きぐせを直してから、ふすま紙をサイズに合わせて裁断する
  5. ふすま紙の裏面に水を付け、水分を馴染ませる
  6. 濡らしたふすま紙の上にふすまをのせ、ふすま紙ごと表に返す
  7. ヘラなどで空気を押し出しながら、ふすま紙を張る
  8. 側面に折り込むようにふすま紙を張る、不要な部分を切る
  9. ふすまを立て掛け、引き手を取り付ける
  10. 元通りに枠を取り付けて完成

金具の交換

引き手の金具もさまざまなデザインが市販されているので、ふすま紙のデザインに合わせて別のものに付け替えると、ふすまの印象が大きく変わります。

引き手のサイズは大小がありますが、合板を削ったり埋めたりする必要のある戸襖以外は、加工して対応します。

引き手を交換する流れは以下です。

  1. ふすまと引き手の間にバールを差し込んで、引き手を浮かせる
  2. 浮かせた引き手を、取り外したい釘の方向に押し込む
  3. 出てきた釘をペンチで取り外す

引き手を付ける際には、新しく張ったふすま紙の上から引き手の付いていた場所を探し、カッターで対角線に3本切れ目を入れて引き手のくぼみを作り直します。

引き手が接着剤で取り付けられている場合もあり、壊さないと外せない場合もあります。

その場合はやはり新しい引き手の準備が必要です。

賃貸でもできるふすまのカスタマイズ

賃貸でもできるふすまのカスタマイズ

賃貸物件にお住まいの場合は、原状回復といって、原則として入居したときと同じ状態で退去する必要があります。

そのため、DIYのリフォームもできることが限られますが、何もできないわけではありません。

賃貸でもできるふすま周りのカスタマイズをご紹介します。

賃貸なのにペンキが塗れる

貼ってはがせるシートの上からペンキを塗ると、お部屋の雰囲気を変えることができます。

ペンキ下地用の粘着シートと呼ばれるもので、ふすまそのものには跡を付けずにはがせます。

また、リメイクシートは、壁紙やクロスを傷付けずにはがせる適切な強度ののりが使われており、賃貸でも使用可能な商品です。

これらのシートは退去時にシートをはがせるので原状回復できますが、現在のふすま紙の材質などによって、100%大丈夫とは言い切れないので、事前に目立たない箇所で試してみることをおすすめします。

押し入れの扉前を壁面収納にする

あまり押し入れの出し入れをせず、納戸のように使用する場合は、「ふすまにペンキが塗れちゃうシート」を張ってペンキでふすまを壁面のように隠し、ディアウォールを使って、奥行きのコンパクトな壁面収納にリメイクするDIYも良いでしょう。

ディアウォールは天井から床までツーバイフォー材を立て、ばねの力で固定するもので、奥行きの少ない収納や、インテリア小物・コレクションなどを飾る棚を作れます。

ふすまを取り外して見せる収納に

ふすまを取り外して内部を装飾すれば、コレクションなどを見せる収納にもできます。

押し入れの中にアンティークのタンスや棚、照明を配置し、奥行きのある「見せる収納」にするのも良いでしょう。

退去時には中のものを片付け、ふすまは保管しておいて付け直せば、原状回復OKです。

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ふすまのリフォームをDIYでおこなう際の注意点

ふすまをDIYでリフォームする場合、いくつか注意すべき点があります。

まず前述のようにふすま紙のデザインは、そのお部屋や連なったお部屋との調和を考えて選びましょう。

張り替えたふすまだけが洋風などのリフォームは、見た目のバランスが悪くなります。

また、新しいふすま紙を張る前に下地処理をしましょう。

穴や平らでない部分にはパテなどで補修をすることで、仕上がりが良くなります。

ふすまを外す時点で戻す位置をメモしておくと、ふすまの上下や入れていく順番がすぐにわかってスムーズに進められるでしょう。

また、ダンボール襖や発泡スチロール襖に見られるのですが、ふすまを外すときに動かすと、芯材の反りが原因で、ふすまの縁がレールにこすれていることがあります。

こすれがひどい場合は、枠だけ再利用して芯材は交換が必要なので、専門業者に相談しましょう。

選ぶふすま紙は、安価なふすま紙は薄手のものもあるのですが、柄のあるふすま紙の上から無地のふすま紙を重ね張りした場合に、柄が透けて見えてしまうことがあります。

できるだけ厚手の素材のふすま紙を選ぶなど、柄が透けないように工夫するか、ホームセンターなどでしっかりしたふすま紙が見つからない場合は、業者に依頼することも検討しましょう。

最後に、今後もDIYで定期的に張り替えるつもりで、作業の段取りやコツをメモしておくと、次回やほかの部屋での作業に活かせるためおすすめです。

ふすまのリフォームを業者に依頼する

ふすまのリフォームを業者に依頼する

ふすまのリフォームはDIYも良いですが、業者に依頼したほうが良いこともあります。

業者に頼むかどうかの判断基準をご説明します。

業者に依頼するメリットとデメリット

DIYと業者依頼で、リフォームするうえでのメリットとデメリットを整理しましょう。

業者に依頼するメリット

  • 仕上がりがきれい
  • 本格的なリフォームプランにも対応している
  • 幅広い悩みを解決してくれる
  • 手間や時間の節約になる

業者に依頼するデメリット

  • 工事保証の対応年数が業者によって異なる
  • 業者を選定して交渉する手間がかかる
  • 現地調査が有料の場合がある
  • DIYと比較して、施工費用がかかる

業者に依頼すれば、自分で納得のいく素材を選んだり時間をかけて作業を進めたりするDIYの楽しみはなくなります。

しかし、業者に相談することで、自分で調べても知り得なかった素材や作業の提案を受けられる可能性もあります。

ふすまのリフォーム業者の種類

ふすまのリフォームを業者に依頼する場合、依頼先によって特徴があります。

以下の依頼先の特徴を説明します。

  • ホームセンター
  • リフォーム店や工務店
  • 襖専門店

ホームセンター

比較的近所にあることも多く、気軽に相談しやすいのですが、作業は下請けへの依頼が多い関係で、職人さんと直接話ができない、日数がかかる場合があるなどのデメリットもあります。

リフォーム店や工務店

大手リフォーム店は、素材などは豊富ですがお部屋全体のリフォームが対象で、ふすまの張り替えのみの対応ができない場合がありますので、要注意です。

地域密着のリフォーム店や工務店はふすま張り替えのみもOKで、直接細かい相談もしやすいでしょう。

また、例えば網戸の張り替えなど、今後も別件の依頼がしやすいのがありがたいです。

襖専門店

ふすま専門だけに張り替えの技術がたしかで、対応できる素材の種類も豊富です。

お住まいのエリアの近くに専門店がある場合は、依頼するのもおすすめです。

業者の探し方

まずWeb検索で、エリアに対応する業者の公式ページや比較サイトから、施工例やお客様の声を確認してみましょう。

要望したい内容や、仕上がりのイメージをなるべく具体的にまとめておき、見積もり依頼をします。

その際に、「こんなイメージで」というサンプルになる画像や動画を準備すると良いでしょう。

見積もりの際は必ず数社対象に相見積もりを依頼し、金額だけでなく作業内容や工期も比較するのが良いです。

張り替えだけではなく、ふすま周りのリフォームは例えば以下のことも依頼できます。

ふすま周りのリフォーム依頼例

ふすまの新品交換 ふすまの老朽化で開け閉めの異音や、引っかかりが出てスムーズな動作ができない場合、ふすまそのものが反りなどで寿命を迎えている場合がある。

その場合は新品交換か、枠などの一部を再利用して再生をおこなう。

ふすまは基本的にサイズが決まっており、同じサイズの新品ふすまが準備できれば、そのまま入れ替えることも可能。

洋風や和モダンのデザインに変更したり、高級なふすまの風合いを楽しんだりするのもおすすめ。

間仕切り用のふすまは、障子に変更して光を取り込むリフォームも。

ふすまを洋風引き戸に交換 洋室化のリフォーム時におこなわれることが多い。 ふすまサイズの引き戸が市販されており、雰囲気が大きく変わる。

リビングとの間仕切りを、戸襖のように片面が洋風・片面がふすまのデザインの引き戸に交換すれば、違和感のない空間にできる。

ふすまを開き戸(ドア)に交換 和室を洋室に完全リフォームする際の手法。ドアに合わせて壁の形を変える必要があり、大掛かりな施工となる。

コストはかかるが、気密性や断熱性を高めることができる。

仕切りのふすまを壁に変更 和室が2部屋以上続く間仕切りのふすまを取り除き、壁にすることで独立した部屋を増やすリフォーム。

それぞれの部屋として利用でき、空間の防音性やプライバシーを高められる効果がある。

ふすまを壁にするだけであれば費用も比較的安く、作業も1日で完了するが、電気配線や、防音性を高めるなどすると、コストと日数がかかる。

ふすまに壁紙を貼る ふすま紙以外に自由に壁紙を貼ることはDIYで可能だが、業者に依頼して適した資材選びをするのも一つの方法。

ふすまの傷みや汚れがひどいときにも、上から張るよりは古いふすま紙をはがして、本格張りを専門の業者に依頼すると仕上がりがきれい。

業者の選び方

業者の選定基準は、以下を参考にしてください。

  • 希望のリフォームと同様の工事の実績があるか
  • 見積もりの内容はわかりやすいか
  • 要望に合わせた提案をしてくれるか
  • 質問に対する回答が的確か
  • 担当者との相性は良いか
  • 地域密着型の業者だと安心(今後も依頼しやすい)

数社の見積もりを見比べると、明細の同じ項目で金額が異なっている場合がありますので、確認ポイントとなります。

安いのが良いわけではないこともあるため、その理由を確認しましょう。

例えば現物を確認したうえで、ふすまの状態が良くないと判断した場合、業者の回答が以下のように3種類となることがあります。

  1. 新品交換が良いです
  2. 芯材のみ交換です
  3. 張り替えです

これは1.がもっとも料金が高く、2.3.と続きます。

どれも間違いとはいえず、3.はふすまが長くもたないのを承知で、安い金額でも仕事を決めたいという意図の可能性も否定できません。

こちらが求める内容と異なる提案がされたり、見積もりの明細に不明瞭な点があったりする場合は、よく質問をして意識合わせをすることで、納得できる場合もあります。

まとめ

まとめ

ふすまのリフォームをDIYでおこなうための基礎知識や施工の方法、業者への依頼などを解説しました。

DIYで内装がきれいになるのは達成感が大きいですが、ふすまの場合は種類や構造によって難易度や手間がかなり変わるため、DIYか業者依頼かの判断基準になるでしょう。

例えば本襖の場合は格子状の木組みが芯材となっている分、慣れないうちは張りにくさを感じたり、高価な鳥の子のふすま紙で作業するのに、少々勇気がいったりするかもしれません。

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