ベランダのリフォームはDIYでできる?基礎知識や施工の方法を解説

ベランダのリフォームはDIYでできる?基礎知識や施工の方法を解説

物干し以外にあまり意識されないことも多かったベランダですが、最近はリフォームで個性的な空間にしたり、アウトドア的な楽しみ方をしたりする場としても利用されています。

この記事では、ベランダのリフォームをDIYでどこまでできるか、手法やベランダ利用のうえでの基礎知識、施工の方法を解説します。

防水工事などの専門性の高い施工で、業者に依頼する方法もご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

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ベランダの機能とは

ベランダの機能とは

ベランダの定義は「建物の外壁から張り出した、屋根付きのスペース」で、マンションやアパート、洋風の戸建て住宅だけでなく、和風の縁側などもベランダに含みます。

洗濯物の乾燥や、空気の入れ替えのついでにベランダに出て外気に触れるほか、エアコンの室外機スペース、集合住宅の場合は隣戸ベランダへの避難経路、一戸建ての場合は2階から階下への避難経路にもなります。

似た言葉として使われるバルコニーはベランダの屋根がないもの、テラスは庭などに張り出した1階にある平らなスペースです。

建物の構造物としては、雨水を建物の本体から逃がして排出するしくみが付いていますが、屋根はあるものの雨には常にさらされるため、気付かない間に傷みが進んでいることがあります。

ベランダのおしゃれなリフォームをDIYでおこなう例

ベランダのおしゃれなリフォームをDIYでおこなう例

足元に敷く素材を工夫したり手すりの再塗装をおこなったりなど、ベランダの雰囲気を変えるリフォームは、DIYでもできます。

ウッドパネルや人工芝を敷く

手ごろな大きさで売られている素材をベランダの床に敷き詰めるDIYのリフォームで、手軽におしゃれに変身させられます。

例えばウッドパネルや人工芝を敷き込めば、温かみや爽やかさを演出し、面している室内と床材や高さをそろえることで、広々感を出せるでしょう。折り畳みのテーブルやいすを置けば、お茶や読書の空間にできます。

ベランダの広さにもよりますが、さらにラグマットなどを敷いてソファやテーブルを配置し、「アウトドアリビング」の領域まで作りこむケースもあります。

野菜や花、果物などの鉢やプランターを置くスペースがあれば、園芸を楽しみながら鑑賞するのも良いのではないでしょうか。

また、今までベランダに保管していたものを整理して、棚やスチール物置に収納すると、ベランダの見栄えがかなり改善されます。

しかしベランダは限られた空間のため、大きなものを置くと圧迫感のもとや邪魔になります。

後述するベランダの利用に関する制約もありますので、事前にベランダのサイズを測り、どのように収納を配置するかを考えましょう。

必要な道具

ベランダの床を整えるリフォームに、特別な道具はほぼ不要です。以下のものを準備すればOKでしょう。

  • バケツ・デッキブラシなど
  • ウッドパネル、人工芝、タイルなどの素材
  • はさみ、カッター
  • 巻き尺など

作業の方法

DIYのリフォームなので、下準備や清掃からとなりますが、作業自体はサイズを測り、素材を敷き詰め、余った部分をカットするのみです。

ベランダのおしゃれなDIYリフォーム

下準備 ・置くものを決め、購入
・敷き詰める素材を決め、購入
・ベランダ内の片づけ(置いてあるものを一時的に移動させる)
清掃 ・ベランダ内の土ぼこりや水垢を清掃
・排水の経路のゴミ掃除と、詰まりがないか確認
作業 ・素材を敷き詰めていく
・半端な部分をはさみやカッターでカットして合わせる

事前にベランダの内側のサイズを測って、素材がうまく敷き詰められるかを確認しておくと良いでしょう。

手すりの再塗装

傷みの補修を兼ねて、DIYでベランダの手すりの再塗装をおこないます。

見違えるようにきれいになるだけでなく、今までと色を変えることでベランダや家の外観の雰囲気が変わります。

ただし、手すりの塗り替え作業は、自己所有の一戸建てでのみ可能ですので注意しましょう。

必要な道具

必要な道具は以下です。

塗料の色や種類は、購入先でリフォームの用途に合ったものをよく確認しましょう。

  • ワイヤーブラシ
  • 塗料
  • プライマーか錆止め塗料
  • 刷毛やローラー
  • 溶剤
  • 養生シート、マスキングテープ
  • 金属用パテ(手すりの傷みがひどい場合)

作業の方法

塗装作業の流れは以下を参考にしてください。

ベランダの手すりの再塗装

下準備 ・マスキングテープや新聞紙、ナイロンなどで養生する。
・汚れてもいい服装を準備しておく。
・ワイヤーブラシなどを使って、錆落としと下地作りをする。
・最近の錆止めは高品質なので、錆落としはあまり無理をしない。
・錆で穴の開いた箇所は、可能ならば金属用パテでふさぐ。
作業 ・下塗り(錆止めかプライマー)は1回、上塗り塗装は2回おこなう。

作業の予定は天候を確認して、できるだけ乾燥した日が何日か続くときを狙いましょう。

ベランダの修理やメンテナンスをDIYでおこなう例

ベランダの修理やメンテナンスをDIYでおこなう例

続いて住まいの修繕の観点から、ベランダリフォームをDIYでおこなう事例です。

金属製のベランダで床板が木製の場合は、床板が傷むと踏み抜くなどして危険なので、張り替えをします。

また、コンクリート製のベランダは防水性能が劣化するとそこから雨水が侵入して、家の傷みやベランダ脱落の危険につながるため、再度防水処理をおこないましょう。

床板の張り替え

1階屋根に設置するタイプのベランダで、腐敗するなど傷んだ木製の床板をDIYのリフォームで補修しましょう。

必要な道具

必要な道具は以下です。

塗料は新しい床板の、化粧と防水などの耐久性アップのために塗装するものですが、お好みに合わせて選びましょう。

  • 新しい床板材
  • 塗料と刷毛やローラー刷毛
  • くぎ抜き
  • 木ねじ
  • 電動ドライバー

作業の方法

塗装作業の流れは以下を参考にしてください。

足場が良くないなど、危険をともなう可能性もありますので、充分注意しましょう。

ベランダ床板の張り替え作業

下準備 ・ベランダの奥行きに合う床板を購入。材質による強度を確認。
スノコなども利用できる。桟木を固定してスノコと組み合わせても良い。
・汚れてもいい服装で床板材を塗装。数回塗り、2日ほど乾燥させる。
・くぎ抜きや電動ドライバーで古い床板をすべて取り除く作業をする。
作業 ・新しい床板材をベランダの枠に木ねじやビスで固定していく。
・等間隔になるように注意。

鉄製の手すりも、錆が出るなど傷んでいる場合は前述の要領で塗り替えると、傷みの進行も遅くなるうえ、床板と併せて見違えるようにきれいになります。

防水塗装

ベランダの傷みを事前に防ぐトップコート塗装はDIYのリフォームでもできるので、チャレンジしてみましょう。

ただし、この作業はおこなわれていた防水工事の種類(FRP防水・ウレタン防水・シート防水)と、使われているトップコート材質を知ってから、適合するトップコート塗料を入手する必要があります。

見分け方は、ベランダに約1mごとに継ぎ目がある場合はシート防水(もしくはアスファルト防水)、継ぎ目がない場合は塗膜防水(ウレタン防水かFRP防水)です。

また、防水層が柔らかければウレタン防水で、硬ければFRP防水です。

防水でDIYできるのは、ウレタン防水やFRP防水で施工されたトップコートに色あせやヒビ割れなどがないベランダや壁に対して、トップコートの塗り直しをおこなうことに限られます。

傷みが進行している場合はDIYでは対応できませんので、現在のトップコートに色あせやひび割れがないかも作業可能かの目安となります。専門家にチェックしてもらえると安心です。

必要な道具

汚れてもいい服装の準備と、窓枠などは必要に応じて養生をおこなってください。

  • 防水用塗料(トップコート用)
  • ローラー刷毛、刷毛など

作業の方法

トップコートを塗り直す作業の流れは、以下を参考にしてください。

ベランダ防水のDIYリフォーム

下準備 ・トップコート塗料の確認と購入(DIYで作業可能か確認)
・ベランダ内の片づけ(置いてあるものを一時的に移動させる)
・服装準備と養生作業
清掃 ・ベランダ内の土ぼこりや水垢を清掃
・排水の経路のゴミ掃除と、詰まりがないか確認
作業 ・トップコート塗料の塗布

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ベランダのリフォームを業者に依頼する

ベランダのリフォームを業者に依頼する

ベランダの防水塗装の劣化具合によっては、業者に依頼して防水工事や修理をおこなう必要があります。

また、床板の修繕や大掛かりなペンキ塗りは負担が大きいという場合も、業者依頼の選択肢になるでしょう。

業者依頼が必要な場合

すでにトップコートに色あせやひび割れが生じていて、防水層以下まで劣化している場合は、DIYのリフォーム作業はストップです。

また、ベランダから壁面にかけて雨漏り、水漏れ、錆が進行するなど、ベランダ自体の修理や交換が必要な場合、専門業者による作業が必要です。

ほかに依頼できること

専門業者に依頼する場合、「どうせなら」と考えるようなことがあります。

自己所有の戸建ての場合、例えばサンルームの増設、ベランダを広くする増築、バルコニーに屋根を増設するなども依頼できます。

費用は高額となりますが、これを機に住まいの機能アップにつながるリフォームを依頼するのも良いでしょう。

業者の選び方

業者を選ぶ基準は、以下を参考にしてみてください。

  • スピーディに対応してくれる
  • 見積もりの内容をきちんと説明してくれる
  • ホームページに施工事例が載っている
  • 中間マージンがない
  • 資格を持った職人が在籍

インターネット上の情報で、施工例や口コミを確認します。

なるべく地域密着型の業者を選ぶと、今後も依頼がしやすいでしょう。

必ず複数社から見積もりをもらって比較し、不明点があれば質問をします。

依頼先はホームセンターなどが頼みやすく、サンプルも豊富ですが、外注となるため中間マージンの発生は避けられません。

バルコニーの施工に資格は必要ではありませんが、バルコニー施工技能士、防水施工技能士などの資格を持った方がいれば、技術の基準となります。

リフォームの依頼先の種類は、下記のようにさまざまあります。

依頼したいタイプを探してみてください。

ハウスメーカー系のリフォーム会社 ・自社の施工物件なら部品確保や対応が早くできる。
・金額は高め。
リフォーム専門会社 ・専門なので豊富な実績や技術力を持ち、細かい対応も得意。
・会社によって得意分野が違う。
・あまり細かい案件は受けないケースも。
住宅設備・建材メーカー系のリフォーム会社 ・LIXILやTOTOなど大手企業がバックの場合は安心。
・扱える資材が自社のものに限られる。
工務店型リフォーム会社 ・地域密着が多く、近い分移動や運搬コストなどが低くなる。
・中間マージンがないことが多い。
・細かいことも頼みやすい。
・おしゃれな施工にはあまり強くない。
設計事務所・建築事務所系の会社 ・設計が柔軟でデザイン力も高い。
・意匠にこだわる分、割高になる場合も。
他業種から新規参入したリフォーム会社 ・インテリアショップ、家具メーカー、家電量販店・ホームセンター、水道・電気・ガス会社など。
・自社で扱う商材に関するリフォームは得意。
・施工は外注になることが多い。
不動産会社系のリフォーム会社 ・賃貸、売買、投資、メンテナンスなどさまざまなケースを手掛けているため、要望に対応する際の柔軟性が高い。

ベランダのリフォームをDIYでおこなう際の注意点

ベランダのリフォームをDIYでおこなう際の注意点

ベランダのリフォームをDIYでおこなう際の注意点を表にまとめました。

以下でそれぞれ解説します。

ベランダのDIYリフォームの際の注意点

内容 理由
●マンションのベランダの修繕工事はしない。 管理組合や管理会社がおこなうため。
●マンションのベランダのカスタマイズはしない。 管理組合規定で制限されている。
●賃貸物件ではもとの状態に戻せるように。 原状回復義務のため。
●隣戸との隔壁や避難ハッチはふさがない。 避難経路確保のため。
●手すりを乗り越える台になるものを置かない。 子どもの事故防止のため。
●室外機は動かさない。 故障や性能低下の原因となる。
●排水経路をふさがない。 水が溜まると家が傷む。
●工事の際は近隣に配慮する。 音や騒音、汚れが出るため。

ベランダのリフォームは、マンションや賃貸物件では施工内容の制約を受けます。

まず、マンションや賃貸物件ではベランダは共用部分とみなされ、管理費や修繕積立をもとに計画的な修理がされるのが普通なので、防水や老朽化対応などのリフォームを入居者がおこなう必要はありません。

傷みが目立つようなら、管理組合や管理会社へ報告しておきましょう。

また、ご自身の趣味に合わせて手すりの色を塗り替えたりもできませんので、一度管理組合規定を確認することをおすすめです。

賃貸物件の場合はマンション・一戸建てを問わず、退去時に入居時の状態と同じに戻す「原状回復義務」があります。

しかし、もとに戻せれば良いので、その範囲でいろいろとベランダのリフォームをDIYで楽しむ方はたくさんいます。

もう一つ大切な視点は、ベランダはリスク管理の場でもあるということです。

火災や自然災害の際に、隣戸との隔壁や避難ハッチ、ベランダに備え付けの避難器具が使用できるようにしておかなければなりません。

ベランダのリスクといえば、子どもの痛ましい事故が報道されますが、その点にも意識が必要です。建築基準法で、ベランダの高さは110センチ以上と決められていますが、あまり高くすると室内に圧迫感があるため、ほとんどの場合110センチで作られています。

ベランダに置いたものに子どもが乗ったり上ったりした場合、110センチは簡単に乗り越えられるため、注意が必要です。

これはリスクではありませんが、ベランダに置かれていることの多い室外機は、空気の流れや直射日光の有無などで、冷却効率が変わります。室外機を不用意に動かすと、空気の通りが悪くなって冷えが悪くなったり、冷媒の通るパイプが壊れて修理となったりしますので、「動かさない」「直接ものを載せない」「密閉しない」などをおすすめします。

ベランダにものを置く際には、家が傷まないように雨水の排出経路をふさがないようにすることも大切です。

また、これはどんなリフォームにもつきものですが、工事の騒音や塗料のにおい、塗料の飛散などはクレームにつながるため配慮をしましょう。

事前に書面や訪問などで工事内容を伝え、お詫びや断りを入れておき、早朝・夜間は音の出る作業を避けるようにすると良いでしょう。

まとめ

まとめ

ベランダのリフォームをDIYでどこまでできるか、手法やベランダ利用のうえでの基礎知識や施工の方法などを解説しました。

DIYのリフォームでベランダが居心地の良い空間になると、日頃から雨水の排水や土ぼこりなどの汚れ、手すりの傷みなどを気遣うようになって、家の長持ちにもつながるでしょう。

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