ガレージを作る際は、固定資産税がかかる場合があります。
固定資産税の課税対象になる・ならないは、ガレージの種類によって異なるため、よくわからない方も多いでしょう。
この記事では、ガレージの種類別に、固定資産税の課税対象になるかどうかを解説します。
ガレージを作る際は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
固定資産税とは
固定資産税とは、土地や家屋、償却資産などの固定資産に課される税金を指します。
毎年1月1日時点で固定資産を保有している場合、地方自治体によって固定資産税が課されます。
固定資産税は地方自治体の収入の一部を形成する重要な財源です。
税法でガレージが家屋(建物)とみなされる場合、ガレージに対しても固定資産税が課される可能性があります。
したがって、ガレージを新築・設置する際には、固定資産税がかかるかどうかの確認が重要です。
ガレージに固定資産税が課される場合、年間いくらになるかはガレージの種類や構造、新築か設置によって異なります。
正確に計算するには評価基準や税率などの考慮が必要ですが、ガレージを新築する場合だと、建築費の60%に1.4%を乗じた金額が相場の目安です。
ガレージに固定資産税がかかる要件
ガレージも家屋(建物)とみなされると固定資産税がかかります。
以下で説明する「外気分断性」「定着性」「用途性」の3つの要件をすべて満たす場合、ガレージも家屋とみなされ固定資産税の課税対象になります。
外気分断性があること
外気分断性とは、建物の外部と内部を区別し、外部の気象条件(風や雨、温度など)から内部を保護する性質を指します。
建物内部と外部が区別され、建物が3方向以上の壁や屋根によって囲まれている状態であれば、外気分断性があると判断できるでしょう。
シャッターが付いているガレージは、シャッターを閉めると外部と内部が区別され、外部の気象条件から内部を保護できるため、外気分断性があると判断できます。
定着性があること
定着性とは、建物が土地に固定され、移動が容易でない性質を指します。
建物が基礎などで地盤にしっかりと固定されていて、その場から簡単に移動できない状態であれば定着性があると判断できます。
したがって、地面に置いているだけの移動可能な物置などは定着性を持たないため、建物には該当しません。
ただし、基礎を作って移動できないようにすれば定着性があると判断され、固定資産税の課税対象になります。
用途性があること
用途性とは、建物が特定の目的や用途を持っていることを指します。住宅は人が居住するという目的があるため、用途性があると判断できます。
物を保管するという目的がある倉庫も同様です。
ガレージは車両を保管するという目的があるため、一般的に用途性があると判断できます。
ただし、車両を保管するという目的でガレージを作った場合でも、「外気分断性」と「定着性」がなければ建物としてみなされず、固定資産税はかかりません。
3つの要件を満たせば課税対象となる
「外気分断性」「定着性」「用途性」の3つの要件をすべて満たせば、ガレージも固定資産税の課税対象になります。
3つの要件を単独で判断するのではなく、関連付けて要件を満たすかを判断しなければなりません。
つまり、ガレージが外気を遮断する性質を持ち、定着性があり、かつ特定の用途を有している場合、固定資産税の課税対象になる可能性が高くなります。
なお、ガレージに固定資産税がかかるかどうかは、最終的には地方自治体の規則や判断によって決まります。
固定資産税がかかるガレージ
ガレージはさまざまな種類があり、固定資産税がかかるかどうかはガレージのタイプによって異なります。
ここでは、一般的に固定資産税の課税対象となる3つのタイプのガレージを解説します。
ビルトインガレージ
ビルトインガレージとは、車を格納する駐車スペースを家の内部に組み込むタイプのガレージを指します。
通常、家の一部として設計され、居住空間につながるドアやアクセスが備わっていることが多いです。
ビルトインガレージは「外気分断性」「定着性」「用途性」の3つの要件をすべて満たしているため、固定資産税の課税対象になります。
ただし、ビルトインガレージは固定資産税の緩和措置が受けられ、ガレージの床面積が住宅全体の床面積の1/5以下であれば、固定資産税の計算から除外されます。
なお、ビルトインガレージに電動シャッターを付ける際は注意が必要です。
電動シャッターは固定資産税評価額の加算評点項目に含まれるため、固定資産税をかけられる場合があります。
コンテナハウス
コンテナハウスとは、コンテナを再利用して建てられる住宅や建物を指します。
堅牢で丈夫な構造であるため、車両を保管するガレージとしても使用可能です。
コンテナハウスは「外気分断性」「定着性」「用途性」の3要件を満たしており、固定資産税がかかります。
なお、車輪が付いていて、移動可能なコンテナハウスは建築物ではなく車両とみなされるため、固定資産税はかかりません。
しかし、一般的なコンテナハウスは建築基準法における建築物とみなされ、ガレージとして使用する場合でも固定資産税がかかります。
一般的なコンテナハウスは建築物であるため、住宅を建築する際と同様に建築確認申請や完了検査などの手続きも必要です。
物置風のガレージ
物置風のガレージは、構造や設置方法によっては固定資産税がかかる場合があります。
車両を保管できる十分なスペースがあり、基礎工事をおこなって地面に固定し、壁やシャッターで外気を遮断するようなタイプの物置は、固定資産税がかかる可能性があるでしょう。
一方で、屋根や壁、シャッターがあり、車両を保管できるスペースがあっても、地面に固定されていなければ固定資産税はかかりません。
地面に固定されていない物置風のガレージは固定資産税はかかりませんが、強風や台風などの自然災害で倒壊する危険性があります。
安全性を確保して人身物損被害を防ぐには、固定資産税がかかっても、アンカー基礎などで地面に固定することが望ましいです。
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固定資産税がかからないガレージ
「外気分断性」「定着性」「用途性」の3つの要件を満たさないガレージは、固定資産税はかかりません。
以下では、固定資産税がかからないガレージを解説します。
ただし例外もあるため、個々のケースごとに判断することが必要です。
カーポート
カーポートとは、屋根と柱で構成される簡易的な車庫を指します。
柱が2本あって車を2台駐車できるY型カーポートや、空間を有効活用するバルコニー活用型カーポートなどがあります。
本格的なガレージと比べると設置費用が安い点がメリットです。
カーポートには壁が存在しないため、「外気分断性」の要件を満たさず、固定資産税はかかりません。
固定資産税がかからない方法として、自宅の敷地にカーポートを設置するのは有効です。
ただし、カーポートを設置する際は建ぺい率を守る必要があります。
建ぺい率とは、土地に建物を建てる際に、土地の面積に対して建物の面積が占める割合を示す指標です。
カーポートが建物とみなされる場合、建ぺい率を超えて設置することはできません。
プレハブ小屋
プレハブ小屋をガレージにする場合、固定資産税がかかるかどうかは、プレハブ小屋の構造や設置方法によって異なります。
一般的なプレハブ小屋は3方向以上を壁で覆われており屋根もあるため、基礎工事をおこなって地面に固定されていれば固定資産税はかかります。
これは外気分断性や定着性の要件を満たすためです。
しかし、四隅にコンクリートブロックなどを置いて、その上に設置する簡易なプレハブ小屋であれば、固定資産税はかかりません。
なお、プレハブ小屋は建築基準法では建物とみなされるため、原則として建築確認申請は必要です。
地域や使用目的によっては例外もあるかもしれませんが、法的な手続きを遵守することが重要です。
バイクガレージ
バイクガレージに固定資産税がかかるかも、構造や設置方法によって異なります。
しかし、一般的なバイクガレージは固定資産税がかからないことが多いです。
屋根と柱だけで作られたカーポートタイプや、コンクリートブロックなどに載せただけの簡易タイプのバイクガレージは、土地への定着性や外気分断性がないといえるため、建物には該当しません。
つまり、固定資産税はかからない可能性があります。
なお、基礎工事をおこなって地面に固定されたバイクガレージの場合、土地への定着性があるため、建物としての要件を満たす可能性が高く、固定資産税の対象となることがあります。
バイクガレージが建築基準法において建物に該当する場合は、建築確認申請も必要です。
駐車スペース
屋根や壁などがない駐車スペースには、固定資産税はかかりません。
屋根や壁がない駐車スペースは外気分断性や定着性の要件を満たさないため、建物とみなされることは少ないです。
したがって、住宅の敷地の一部を利用して車両を駐車する場合は、固定資産税はかからないと判断できます。
駐車スペースに屋根と柱を設置してカーポートにした場合も、先述のように固定資産税はかかりません。
駐車スペースに基礎工事をおこなって、屋根と柱のあるガレージを建造しない限り、固定資産税はかからないと判断すれば良いでしょう。
ただし、地域の規制によって異なる場合もあるため、該当する地方自治体の規定を確認するようにしてください。
増築でガレージを作った場合は固定資産税はかかる?
増築でガレージを作った場合も、「外気分断性」「定着性」「用途性」の3つの要件を満たしていれば、固定資産税はかかります。
なお、建築基準法において建物に該当するガレージを増築する場合、一般的に10平方メートルを超える場合には建築確認申請が必要とされることが多いです。
必要な建築確認申請手続きを回避すると建築基準法違反となり、違反の発覚時には懲役刑や罰金刑などの法的な制裁を受ける可能性があります。
調査の結果、違反がバレるとガレージの撤去命令が出る可能性もあるため、建築確認申請は必ずおこないましょう。
ガレージの固定資産評価額が高くなるケース
ガレージに電動式のシャッターやオーバーヘッドドアなどの高価な建具が付いていると、固定資産評価額が高くなることがあります。
電動式のシャッターなどを設置するとガレージの機能性や利便性が良くなり、資産価値が向上することにより、固定資産評価額も高くなります。
ガレージに窓を設置する際も、材質によっては固定資産評価額が高くなることがあるでしょう。
窓を設置することでガレージ内の照明や通気性が向上します。その結果としてガレージの機能性や利便性が向上し、固定資産評価額も高くなります。
ガレージの資産価値の向上に寄与する設備を設置すると固定資産評価額が高くなり、収める固定資産税も増加するため注意が必要です。
ガレージを作る際の注意点
ガレージを作る際は、建築基準法などの法律や規制を守ることが重要です。
法律や規制を守ることで、ガレージの安全性や耐久性を確保できます。
ここでは、ガレージを作る際の注意点を解説します。
建ぺい率と容積率を確認する
建築基準法の建物に該当するガレージを作る際は建ぺい率と容積率を確認し、法的な制限を超えないようにすることが重要です。
建ぺい率は敷地面積に対する建物の面積の割合を示し、容積率は敷地面積に対する建物の体積の割合を示します。
建ぺい率と容積率は自治体によって上限が定められており、市町村役場などで確認できます。
ガレージに関しては、建ぺい率と容積率に対して緩和措置が取られることもあるため事前確認が大切です。
内装制限を確認する
ガレージを作る際は、建築基準法や消防法における内装制限の確認が必要です。
内装制限は内装の仕上げ材料に対する制限であり、火災が発生した場合に炎や煙の拡大を防ぐことを目的とします。
ガレージの場合、庫内で車両が燃焼するリスクがあるため、内装材料の選定や配置に関する制限が厳格に定められています。
ガレージを作る際は建築基準法や消防法における内装制限を遵守し、地域や自治体の規制や制限に従うことが重要です。
まとめ
外気分断性・定着性・用途性の3要件をすべて満たすガレージは固定資産税がかかります。
ビルトインガレージや地盤に固定されたコンテナハウスや物置風ガレージは、固定資産税がかかるのが一般的です。
一方で、カーポートや地盤に固定されていないプレハブ小屋、バイクガレージなどは、固定資産税はかかりません。
ただし例外もあるため、個々のケースごとに判断することが必要です。この記事を参考に、法律を遵守して目的に合うガレージを作ってください。
ちゅうこだて!の「住まいの紹介サービス」では、中古一戸建て探しのご相談を24時間チャットで受け付けております。
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