住宅ローンの頭金。メリットやデメリット、目安を紹介

住宅ローンの頭金。メリットやデメリット、目安を紹介

住宅ローンを利用する際、頭金は払う?払わない?

住宅ローンの頭金の目安は2割とも言われ、仮に3,000万円の借り入れをおこなうなら、600万円の頭金を用意する計算です。

このページでは、頭金を払うメリット・デメリットや、住宅ローン利用者の頭金平均値、頭金なしで住宅ローンを借り入れるリスクなどをご紹介します。

無理のない借り入れを目指して、頭金の知識を深めましょう。

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住宅ローン借り入れ時の頭金とは?

住宅ローンを利用する際の頭金とは、購入する物件購入価格の一部を先払いし、借り入れ額を少なくするためにもちいる自己資金のことを指します。

今でこそ住宅ローンの借り入れは頭金ゼロでも組めますが、以前は『フラット35』など、融資可能額は、物件購入価格の8割までと定められていた時期もありました。

頭金を利用するメリット

では、住宅ローン借り入れ時に頭金を用意することで発生するメリットはどのようなものがあるのでしょうか、順に見ていきましょう。

住宅ローン審査に通りやすくなる

まず、借り入れを計画している時点でまとまった頭金をしっかりと用意できていることは、銀行から見て印象が良く、「計画性も経済性もある人物」と評価され、ローン審査が有利になる傾向があります。

また、頭金を入れることで、ローンの借り入れ金額自体も少なくできるため、それだけ返済負担率にも余裕ができ、審査がより有利になります。

借り入れ額を抑えられる

あたり前ですが、頭金として現金で払うお金には利息がかかりません。

このため、頭金を多くするほど利息を含めた住宅ローンの返済総額も少なくなります。

また、月々の返済額が減るため、毎月の出費を抑えることもできます。

金利が安くなる

銀行によりますが、住宅ローンの頭金を1〜2割ほど入れれば金利が下がる『優遇金利プラン』が存在します。

借り入れ額に上乗せされる金利は、ローンを組むうえで総支払い額を左右する重要な要素です。

仮に、借り入れ額3,000万円で、借り入れ期間35年、全期間固定、ボーナス払いなし、元利均等払いでの総返済額の差額は、金利が0.1%変動するだけで、約65万円発生します。

もしものとき住宅を手放しやすい

リストラや体調不安、離婚など、何らかの理由で住宅ローンが払えなくなった場合、家を売却して得た資金で住宅ローンを返済することがあります。

しかし、住宅の資産価値は、購入した時点から徐々に目減りしていくため、住宅の資産価値が、住宅ローン残高を下回るリスクが発生します。

頭金を入れ、物件購入価格より少ない額の住宅ローンを組んでおくことで、このリスクを減らすことができます。

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頭金を利用するデメリット

住宅ローンの頭金は「多ければ多いほうが良い」かと言うと、必ずしもそうとは言い切れません。

気を付けるべきポイントを押さえておきましょう。

貯金が少なくなる

3,000万円の住宅ローンに対して、頭金を2割払おうと思えば600万円を一括で支払うことになります。

一度にまとまった金額を捻出することで、一時的に貯蓄が一気になくなってしまい、経済的な不安を抱えてしまうことも。

住宅取得に必要な資金は、土地代と物件本体のほかにも、多額の諸費用が必要です。

頭金を捻出しようとするあまり、貯蓄を切り崩しすぎないよう、生活費の6ヵ月〜1年分程度は残しておくことを心がけましょう。

関連記事「住宅ローンの諸費用はいくら用意すればいい?目安や払い方をご紹介

住宅ローン控除額が少なくなる

住宅ローン控除は、住宅ローンを借り入れている方の借り入れ年末残高の額に応じて、所得税ないし住民税が控除される制度です。

頭金を多く入れると借り入れ残高が少なくなりますが、その結果として住宅ローン控除で得られる恩恵は少なくなります。

関連記事「住宅ローン控除とは 制度のしくみと手続き方法まとめ

住宅を手放すとき残高が残る可能性がある

何らかの理由で住宅ローン返済が難しくなった場合、家を売却してローンを返済します。

しかし、頭金なしのフルローンで組んでいると、売却金額よりもローンの残債が上回ってしまう『オーバーローン』に陥る確率が上がり、金融機関の抵当権を外すことができず、家の売却が叶わず八方塞がりになってしまうことも。

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住宅ローンを組む際の頭金の目安

一般的に住宅ローンの頭金は、物件購入額の2割程度が目安と言われています。

この割合は、『フラット35』を借り入れる際の頭金がもとになっており、実際の住宅ローン利用者の実態とは少し異なります。

また、購入する物件の種類でも用意する頭金の平均額は変わります。

2023年2月時点で公表されている『フラット35』利用者の頭金に関する調査報告から見る頭金の現状は、物件購入額の1割程度を用意している方が多いようです。

住宅金融支援機構 2021年度『フラット35利用者調査』

購入する物件の種類 頭金の平均額(万円) 頭金の割合(%)
中古戸て 214.9 8.2%
中古マンション 418.9 13.8%
注文住宅 596.6 16.7%
土地付注文住宅 412.3 9.3%
建売住宅 270.0 7.5%
マンション 785.9 17.4%

出典:『2021年度 フラット35利用者調査

まとまった頭金が用意できない場合

まとまった額の頭金を用意するために、時間がかかるのも事実です。

希望する立地や物件との出会いは突然やってきてしまうことも。

頭金の準備が整っていなくても、借り入れ可能金額内であれば、頭金ゼロでの借り入れ検討も可能です。

頭金なしの選択はあり?なし?

住宅ローンを組むうえで、頭金を入れることには多くのメリットがあります。

反面、手元の貯金額が減ったり、頭金を貯めている期間に地価や物価、金利が上がってしまったり、住み替えまで家賃がかかってしまうなどのリスクもあります。

自身の置かれている状況を加味しつつ、トータルで見てメリットの多い手段を選択しましょう。

まとめ

住宅ローンを組む際に頭金をしっかり用意すると、借り入れ金額を減らし、総返済額を減らす効果が期待できます。

しかし、手元の貯金の多くを頭金に入れてしまうことはおすすめできません。

なぜなら、手もとにある程度まとまった貯金がないと、予定外の出費があった際に、対応できない可能性があるからです。

住宅ローンにかかる諸経費だけではなく、オプションの追加や仕様変更などによる追加費用、家具や家電の購入費用にも備える必要があります。

加えて日々の生活費の面で、予想外の出費が発生する場合もあります。

現在の収入と返済のバランスや、ライフプランに合わせた資金計画を意識して、無理のない返済ができるように頭金の金額を決めることが大切です。

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