中古住宅を購入したり注文住宅を新築したりする際は、日当たりが重要になってきます。
一般的に南向きの物件は日当たりが良いとされていますが、必ずしも日当たりが良いとは限りません。
この記事では、なぜ南向きの物件は日当たりが良いのかや、方角別のメリット・デメリットなどを解説します。
この記事を読むことで、本当の意味で日当たりの良い物件を選べるようになるでしょう。
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目次
日当たりが重要な理由
日当たりは物件を探す際の重要な要素です。
日光は家族の健康や生活の質を高めるのに欠かせないものであり、自然光を取り入れることで心地良い居住空間が生まれます。
上質な素材で建てられた住宅であっても、日当たりが悪いと快適な生活は送れないでしょう。
十分な自然光を取り入れることで、室内の明るさが確保され、自然光の恩恵を享受できます。
室内にカビが生えにくいことで健康にも良く、朝日を浴びると体内時計がリセットされ、睡眠の質を高める効果も期待できます。
カラリと晴れた日には洗濯物や布団などを天日干しでき、衣類や寝具を清潔に保てることも日当たりが良い物件のメリットです。
不動産を探す際には、日当たりの良い物件を優先的に選ぶことで、家族の健康と快適な暮らしを実現できるでしょう。
日当たりは価格や家賃に影響する?
日当たりの良し悪しは、住宅価格や家賃に影響を与える要素の一つです。
日当たりが良い物件は一般的に人気が高く、多くの居住者にとって魅力的な条件となります。
そのため、日当たりの良い物件はほかの条件が同じでも、価格や家賃が高めに設定される傾向があります。
物件を選ぶ際は価格や家賃が高くても、日当たりの良い物件に価値を見出すことが多いです。
住宅市場や賃貸市場では、南向きの物件が一般的に最も日当たりが良いと認識されています。
以下は一般的な日当たりの良さの順番です。
1)南向き
2)東向き
3)西向き
4)北向き
したがって、ほかの条件が同じであった場合、南向きの物件はほかの方角よりも価格や家賃は高めになります。
南向きとは?
一般的に「南向きの物件」とは、バルコニー(ベランダ)や窓が南を向いている物件を指します。
つまり、住居内部の主要なスペース(リビングルームやリビングダイニングルームなど)の窓やバルコニーが南を向いているのが南向きの物件です。
物件が南向きかどうかの情報は、間取り図を確認するとわかります。
間取り図は部屋の広さや配置を示す図面であり、部屋の窓やバルコニーの方向も明記されています。
間取り図を確認し、バルコニーやリビングルームの窓が南を向いていれば、その物件は南向きです。
なお、実際に現地を訪れて方位磁石やコンパスアプリを使用することで、物件が本当に南向きかどうかを確認できます。
また、実際に現地を訪れることで、間取り図だけでは把握できない周囲の環境や日当たりの具合などを視覚的に確認可能です。
南向きが人気の理由
南向きの物件が人気の理由として、1年を通じて日照時間が長く、日当たりが良いことが挙げられます。
特に冬季は太陽が比較的低い位置にあるため、ほかの方角より多くの日光を取り入れることが可能です。
南向きの物件は冬至の日には日光の侵入角が大きくなるため、日の出から日の入りまでの時間帯で室内に日光が入り込みます。
一方、北向きだと冬至の日には日光は室内にほとんど入り込みません。
南向きの物件は冬でも自然光を取り入れることで室内が明るく暖かくなり、快適な居住空間を保てます。
さらに、日光を利用することで暖房や照明のエネルギーコストを節約できる可能性もあり、経済面でのメリットが得られることも人気の理由の一つです。
南向きでも日当たりが悪い場合がある
家全体で考えた場合、南向きの家の正面は南を向いていますが、その反対側(背面)は北向きになります。
北向きの部屋は日中を通して日当たりが悪く、南向きの家のメリットが得られません。
また、南向きであっても、周囲に高い建物や壁、木立、山などの障害物があると、それらが太陽光の進入を遮断するため、日当たりが悪くなる場合があります。
特に、バルコニーや窓の近くに障害物があると、日中でも照明が必要な状況が生じるかもしれません。
物件を選ぶ際には実際に現地を訪れて、部屋の配置や周囲の環境、障害物の有無などをチェックして、日当たりの良さを確認することが重要です。
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方角の特徴とメリット・デメリット
物件を選ぶ際には各方角のメリットとデメリットを知っておくことが大切です。
居住者のライフスタイルによっては、南向き以外の物件のほうが住みやすい場合もあるでしょう。
以下では、各方角の特徴とメリット・デメリットを解説します。
南向きの特徴とメリット・デメリット
南向きの特徴はここまで説明してきたように、年間を通じて日照時間が長く、日当たりが良い特性があることです。
自然光がたっぷりと入り込むため、冬でも室内が明るく暖かくなります。
暖房費の節約にもつながる可能性があるでしょう。
太陽の恩恵を受けることで、カビの発生を防ぐ効果があることもメリットです。
洗濯物も乾きやすく、太陽光の紫外線による殺菌効果も期待できます。
日中を室内で快適に暮らしたい場合は南向きが最適でしょう。
デメリットは、ほかの方角と比べると価格や家賃が高めになることです。
日当たりが良すぎるため、夏は冷房費が高額になることもあります。
なお、仕事や学校などで外出している時間が長い場合には、南向きの恩恵をあまり享受できない可能性があります。
東向きの特徴とメリット・デメリット
東向きは正面が東を向いているため、朝日を浴びられるのが特徴です。
午後になると日光が入りにくくなりますが、夏は強い日差しを避けられます。
リモートワークや在宅ワークをする方にとっては、快適な環境で仕事ができるでしょう。
東向きのデメリットは、午後の日照時間が短いため、日中の明るさが不足する傾向にあることです。
特に冬の午後は寒くなりやすく、暖房が必要になる場合もあります。
また、洗濯物は早めに干さなければならず、完全に乾かないこともあるでしょう。
東向きの物件は、朝の明るさを重視する方や夏の直射日光を避けたい方に向いています。
一方で、日中の明るさや暖かさを重視する場合は南向きの物件が適しているかもしれません。
西向きの特徴とメリット・デメリット
西向きは正面が西を向いており、午後から日光が入り込むのが特徴です。
夕方には暖かな日の光が部屋に差し込み、夕日や日没の光景を楽しめます。
ただし、西日が強すぎるとカーテンなどで遮断する必要があります。
夏の午後は直射日光で室内が暑くなりやすいため、冷房費が高額になることもあるでしょう。
また、西日対策のため、遮光カーテンやブラインドなどの設置が必要になる場合があります。
一方で、午前中は日光が入らず、室内は暗くなりがちです。
洗濯物も午前中は乾きません。
西向きの物件は、朝型よりも夜型のライフスタイルの方に向いており、西日が気にならなければおすすめできます。
価格や家賃が安めであることもメリットです。
北向きの特徴とメリット・デメリット
北向きの特徴は、年間を通じて日照時間が短いことです。
夏は暑くなりすぎず快適に暮らせますが、冬は寒くて一日中暖房が必要になることもあるでしょう。
室内は一日中暗く、日中でも照明が必要な場合もあります。
日中の明るさが不足し室内が暗いと、人によっては気分が沈んだり、活動的でなくなったりするかもしれません。
また、湿気がこもることで室内にカビが生えやすく、健康を害する可能性もあります。
洗濯物も乾きにくく、冬は生乾きになることもあるでしょう。
これらのデメリットがありますが、北向きの物件は価格や家賃が安く、日当たりを気にしない方にはコストパフォーマンスは高いといえます。
夜勤をする方など、夜型のライフスタイルに北向きは適します。
方角に関係なく日当たりが良い物件の特徴
日当たりの良し悪しを決める要素は方角だけではありません。
建物の設計や周辺環境なども日当たりに大きな影響を与えます。
ここでは、方角に関係なく日当たりが良い物件の特徴を解説します。
周囲に障害物が少ない
周囲に障害物が少ないと、一般的に日当たりは良好です。
物件の周囲に高い建物や木立などの障害物が少ない場合、日光が妨げられることなく室内に入り込みやすくなります。
逆に南向きであっても、窓の近くに障害物があると日当たりは悪くなってしまいます。
日当たりの良い物件を選ぶには、周辺環境をチェックして、日光を妨げる障害物がないかを確認しましょう。
なお、現在は障害物がなくても、将来的に高層マンションなどが物件の近くに建設されると日当たりは悪くなります。
物件を選ぶ際は、周辺地域での建物の建築計画や土地利用の情報などもチェックして、日当たりの良い状態が今後も継続するかを判断することも大切です。
窓が大きい
窓が大きい物件は、日当たりが良好であることが多いです。
窓が大きいとより多くの自然光を室内に取り込め、室内をより明るくし快適な居住空間が実現します。
また、窓の数も日当たりの良し悪しに影響を与えます。
角部屋の場合、通常は複数の方向に窓があるため、日光をより多く取り入れることが可能です。
特に南東向きの角部屋は、南側と東側の両方に窓があることが多く、朝の日差しと昼から夕方の日差しを受けることで、日当たりが一層良くなるでしょう。
屋根の上に設置された天窓(トップライト)も日当たりを向上させる効果があります。
ただし、周囲の建物や障害物によって影響を受けることもある点には注意が必要です。
眩しすぎることもあるため、必ずしもメリットになるとは限りません。
マンションの高層階
マンションの高層階にある物件は、一般的に日当たりが良い場合が多いです。
高層階の物件は周囲に日差しを遮るものが少なく、日光がより多く室内に入り込みます。
タワーマンションの高層階であれば、北向きであっても一般的に日当たりは良好です。
なお、タワーマンションの高層階は南向きだと日差しが強すぎる場合があります。
夏は熱がこもって室内が高温になりやすく、温室のような状態になる物件も存在します。
日差しが強すぎる物件の場合、冷房の使用が頻繁になる可能性があるでしょう。
このように、タワーマンションの高層階は日当たりの良さが逆にデメリットになることもあります。
日当たりだけでなく、温熱環境のバランスを考慮することが重要です。
内覧時のチェックポイント
日当たりの良い物件を探すには、「南向きだから大丈夫」と過信せず、内覧時には以下の点をチェックしましょう。
- 正確な方角
- 窓の位置と大きさ
- 障害物の有無
- 部屋の明るさ
- 風通し
正確な方角を知るには、方位磁石やコンパスアプリなどが必要です。
部屋ごとに日光が入る方角を確認しましょう。
窓の位置と大きさもチェックし、近くに日光を遮る障害物がないことを確認します。
部屋の明るさは時間帯によって異なるため、何時から内見するのかが重要になってきます。
内覧の日時を決める際は、自分が家に一番長くいる時間帯にすると良いでしょう。
なお、日当たりだけでなく、風通しの良し悪しもチェックします。
日当たりが良くても、風通しが悪ければ室内に熱がこもって蒸し暑くなります。
実際に窓を開けてみて、日当たりと風通しが良ければベストな物件であるといえるでしょう。
日当たりが悪い場合の対処法
北向きなど日当たりが悪い物件は快適に暮らせないのでしょうか?日当たりが悪くても、照明や壁の色、家具の配置などを工夫すると室内は明るくなります。
ここでは、日当たりが悪い場合の対処法を解説します。
照明を工夫する
日当たりが悪くても、照明を工夫すると室内は明るくなります。
メインの天井照明(シーリングライト)は自然光に近い色味がおすすめで、スタンドライトやフロアライトなどの間接照明も活用しましょう。
照明の光は自然光とは異なりますが、適切に工夫することで室内の雰囲気を温かくしたり、気持ちを明るくしたりできます。
特にLEDライトはさまざまな色温度(色の暖かさや寒さ)が提供されており、日当たりが悪い部屋を明るく快適な空間に変えてくれます。
LEDシーリングライトを選ぶ際は適用畳数をチェックして、部屋の広さに合うものを選びましょう。
部屋の広さに合わないライトを選ぶと、十分な明るさが得られなかったり、逆に眩しすぎたりすることがあります。
壁や家具を明るい色にする
壁や家具などを明るい色にすることで、室内の雰囲気が明るくなります。
日当たりが悪い部屋を明るく見せるには、光を反射しやすい白色を使うのが効果的です。
白色は多くの光を反射するため、部屋全体を明るく見せられます。
黄色も気分を明るくする心理効果がありますが、光の反射に関しては白色ほど高い効果は期待できません。
そのため、部屋を明るく見せたい場合は白色の壁や家具を選ぶのがおすすめです。
カーテンも部屋全体の明るさに影響を与えるため、光を反射する白色にすると良いでしょう。
透け感があって軽やかな素材のレースカーテン(シアーカーテン)にすると、自然光を取り入れて拡散させることで室内が均一に明るくなります。
家具の配置を考える
家具の配置も日当たりに大きな影響を与えます。
窓際に背の高い家具を配置すると、窓からの光を遮る可能性があるため注意しましょう。
日当たりの悪い部屋には、背の低い家具を配置するのがポイントです。
さらに、光透過率の高い家具を選ぶことも部屋を明るくするのに役立ちます。
ガラスやアクリルは光を透過しやすい素材であり、これらの素材を使用した家具を配置することで室内に光が拡散されて明るい雰囲気が生まれます。
また、部屋を広々と明るく見せるには、必要最低限の家具を選び、配置するスペースを確保することが大切です。
無駄な家具を取り除くことで、室内に空間が生まれて光がより均一に広がり、明るい雰囲気になります。
まとめ
南向きの物件は1日における日照時間が長いため、ほかの方角と比べると日当たりは良好です。
ただし、窓の近くに障害物があると日当たりが悪くなるため、内覧の際は周辺環境をしっかりと確認しましょう。
南向きでなくても、マンションの高層階や窓が大きいと日当たりが良い場合があります。
本当の日当たりの良さは、実際に現地を訪れて確認しないとわかりません。
この記事を参考に、本当の意味での日当たりの良い物件を見つけてください。
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