住宅ローンの借入可能額は年収で決めていいの?借りられる額・返せる額を徹底解説

住宅ローンの借入可能額は年収で決めていいの?借りられる額・返せる額を徹底解説

住宅ローンを利用する際、いくらまで借りられるかは、住宅取得予算を決めるうえで大切な情報です。

しかし、本当に借入可能額だけを鵜呑みにして住宅ローンを組んでしまって大丈夫でしょうか?

このページでは、年収ベースの借入可能金額や、借入可能金額を決定する要素について、借入可能金額だけを鵜呑みにしない、賢い借入方法をご紹介します。

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住宅ローンの借入可能額とは

住宅ローンの借入可能額とは、住宅ローンの借入れを申し込んだ際、金融機関側から提示される金額“融資が可能な上限金額”のことです。

金融機関側がさまざまな要素から計算して導き出した金額のため、借りたい金額を必ずしもカバーしてくれる保証はありません。

住宅購入の検討に入ったら、住宅取得予算を決めるうえでも、自分がいくらまで借りることができるのか把握するのが大切です

借入可能額を決定する要素

住宅ローンの借入可能額は、金融機関が借入れをおこなう方の、さまざまな要素を考慮して決定します

まず大切なのが、借入れをおこなう方の状況です。

  • 年収
  • 年齢
  • 他の借入残高
  • 物件の価値

などから、借入可能額を計算するために必要な情報を抽出します

年収

まずは収入です。

年収350万の方が、年間400万返済するローンを借りることはどう考えても無理ですね。

まずは、借入れをおこなう方がいくら収入があるのかを確認します。

住宅ローンの審査には、収入を証明する書類の提出が必要で、給与所得者(会社員)の方なら、源泉徴収票や住民税決定通知書または課税証明書などが必要です。

年収額によって、”返済負担率”を確認できます。

”返済負担率”とは、額面年収に占める年間返済額の割合のことで、3段階に分かれています。

額面年収 返済比率
400万円未満 30%
400〜600万円未満 35%
600万円以上 40%

返済負担率を使えば、1年間あたりのローン返済に充てられる金額が割り出せます

例:年収350万円の方の場合
350万円×30%=105万円
さらに12ヵ月分で割ると
105万円×12ヵ月=8.75万円

この計算によって、ひと月あたりの返済額上限の目安がわかりました

他の借入残高

住宅ローン以外に借入れがあると、借入可能金額の減額や、住宅ローンが通らない場合があります。

理由は、住宅ローン以外に借入れが返済負担率に影響をおよぼすためで、

  • クレジットカードのリボ払い
  • 携帯電話の本体料金分割払い
  • マイカーローン
  • 奨学金
  • カードローンやキャッシング

などがおもな対象です。

返済負担率から計算したひと月あたりの返済上限額から、住宅ローン以外の借入額を引く必要があるため減額が起こります

例:マイカーローンの返済が毎月3万円
+クレジットのリボ払いが毎月1万円必要な場合
8.75万円−(3万円+1万円)=4.75万円

住宅ローン以外のローンの期間を考慮していないため、一概にはいえませんが、少なくともローン開始時の月々の支払いは厳しいものになることが見えてきますね。

年齢

住宅ローンの借入可能金額を決める要素には、年齢も重要視されます。

加味する年齢は、“申込時年齢”と“完済時年齢”の二つがあり、何年ローンで、いくらまで借りられるかが、完済時年齢によって変わる場合があります。

多くの金融機関は完済時年齢を80歳前後で設定しているため、例えば35年ローンを組む場合、申込時年齢が40代半ばあたりから組めるか組めないが出てきます

例:年収350万円、他の借入残高なし、45歳の方が、完済時年齢を75歳と定める金融機関で借入れをおこないたい場合、返済額上限が
75歳−45歳=30年
35年ローンなら、105万円×35年=3,675万円
30年ローンでは、105万円×30年=3,150万円に減額します。

逆に、有利と言われる年齢は30代前半です

理由として挙げられるのが、勤務年数や役職に就くなどして社会的信用を得ており、定年までの収入が見込める期間が確保できる点です。

物件の価値

住宅ローンはほとんどの場合、融資対象物件を担保に入れて借入れをおこないます。

融資をおこなう金融機関は、返済が滞った場合に備え物件に抵当権を設定し、担保にできるのです。

金融機関は担保にする物件を独自の基準で査定し、評価額を算出します。

そのため、物件の資産価値が低い場合、借入可能額にも影響を与えます

本審査申し込みでは、売買契約書や工事請負契約書、耐震基準や省エネ基準を満たしているかなどがわかる建築確認済証など、物件の価値を評価できる書類の提出が必要です。

また、この書類内容が、事前審査の際と本審査の際で著しく内容が異なった場合、審査が通らなくなる場合があるので注意しましょう。

金融機関が設定する借入限度額

借入限度額とは、借入れをおこなう方の状況に関係なく、借入れ先ごとに独自に定められた融資の上限金額のことです。

金融機関や商品などによって個別に決まった額が設定されており、一般的な民間の金融機関では1億円前後、『フラット35』では8,000万円、『財形住宅融資』では4,000万円のように、上限がそれぞれ異なります。

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借入可能額の目安

国土交通省や住宅金融支援機構の調査によると、一般的な年収倍率と返済負担率の目安は、年収倍率は年収の約5倍、返済負担率は15〜20%といわれています

具体的な住宅ローンを借入れられる金額は、借入れをおこなう方の“年収倍率”と”返済負担率”を利用して計算します。

計算式は一般的に、

年間返済可能額÷12ヵ月÷審査金利(※)での100万円あたりの返済月額×100万円

で求められます。

※:審査金利とは、借入限度額を計算する際に、使用する金利。
3.0〜4.0%が一般的。
金融機関によっては、実際の適用金利で計算する場合もある。

年収別の目安借入可能額

年収ベースで見る、借入可能金額をシミュレーションしてみます。

条件/金利:固定金利型 金利:4% 返済負担率:35% 返済期間:35年 他の借入れ:なし ボーナス払い:なし 元利均等返済

額面年収 借入可能額
300万円 1,970万円
400万円 2,630万円
500万円 3,290万円
600万円 3,950万円

借りられる額と返せる額

ご紹介している“借入可能金額”が、必ずしも“返済可能金額”であるとは限りません

借入額を決める際に考慮したいポイント、重要なのは返済比率です。

そして理想の返済比率は、給与の総支給額を指す“額面年収”ではなく、税金や社会保険料を差し引いたあとの“手取り年収”の20%以内です

関連記事「住宅ローンはいくら払ってる?返済額の平均や借入金の設定についても解説!

無理のない暮らしを叶えるには

あくまでも“借入可能金額”は借入れの目安として受け取り、最終的に完済まで無理なく返済できる金額で、住宅ローンを組むことが大切です。

そのためには、日々の生活費や今後かかる教育費、住宅ローン以外の固定費、老後資金など、ライフプランから逆算して、“返済可能金額”を決めましょう

返済可能金額から、購入物件を再検討してみるのも、今後の生活を考えれば悪くない選択です。

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まとめ

住宅ローンの借入可能額についての知識は身につきましたか?

借入可能額だけを鵜呑みにすると、のちのち返済が家計の負担になることもすくなくありません。

無理なく返せる額を見定めて、理想の住まいを探してみてくださいね。

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