リフォームで防音の施工をするには?目的別の費用相場や補助金も解説

リフォームで防音の施工をするには?目的別の費用相場や補助金も解説

音漏れは自分の側も、お隣の側も気になるものですが、対策しようと考えても、何から手を付けたら良いか迷ってしまいます。

防音のリフォームにはさまざまな方法があり、プロへの依頼のほかに自作することや、助成金を利用して安くできる場合があります。

この記事では、防音のリフォームでの防音施工の基礎知識を理解でき、自分に合った方法を見つけられますので、ぜひ最後までお読みください。

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防音リフォームの目的と4つのメリット

防音リフォームの目的と4つのメリット

後付けの防音リフォームのメリットをまとめると、以下の4つとなります。

  • 外からの騒音ストレスのない暮らしができる
  • 近隣トラブルの防止や解消
  • 趣味の時間を楽しめる
  • 気兼ねなく家事や子育てができる

近所付き合いの少ない最近では、お互いさまという感覚が希薄になり、お隣同士両方がストレスを溜めながら過ごしているケースが多いです。

時間帯などに対する気遣いだけではなく、音がうまく遮られたら、毎日の生活が心地良くなり、お隣とのトラブルに発展するようなことも避けられます。

楽器の練習はカラオケ店を利用する方もいますが、いつまでも居座るわけにはいかないですし、重い機材がある場合、持ち運びは大変です。

自宅で思い切り練習できれば、将来の夢にもつながるでしょう。

家族で大きめの音で映画を楽しみたい場合も、音響の良さだけでなく、防音対策がされれば気兼ねがなくなるのは魅力的ではないでしょうか?

目的別防音リフォームの手法を3つ紹介

目的別防音リフォームの手法を3つ紹介

防音の目的には大きく分けて「静かに過ごしたい」「人に迷惑をかけない」の2つの方向性があります。

そしてさらに、「静かに過ごしたい」ニーズの対象は、屋外の音と室内の音に分けられます。

例えば、外から入ってくる車の騒音に悩むケース、隣戸の生活音に我慢して生活をしているケースと、子どもの足音や楽器の音を周囲に対して気遣っているケースの違いです。

音は、入ってくる場所と出ていく場所が異なるため、この2つの対策は施工の方法に共通する部分と、異なる部分があります。

したがって、防音の目的によって対策の方向性は以下のように違いが出ます。

対策したいこと 必要なリフォーム
屋外からの騒音 窓・壁の防音
室内の生活音 ドア・床・壁
楽器練習・映画音楽鑑賞 防音室の設置

防音の考え方ですが、音は物や空気の振動によって伝わるので、音が伝わるのを防ぐためには、以下の2点が重要です。

  • 気密性を高くする=空気を伝えない
  • 建物が振動しにくいようにする

例えば、ドア・窓などの隙間を埋めることで気密性はアップしますし、防音材による壁の吸音やデッドニング(重い素材で音を消す)で、振動を抑えられます。

以下、目的別のリフォーム手法の違いを詳しくご説明します。

外からの音の遮断は窓と壁の対策をする

車や電車の音といった屋外からの騒音を防ぐためには、屋外に向いている窓や壁に対して防音対策を施します。

内窓を設けた2重窓や防音ガラス、壁に振動を止める「防音材」や音を反射する「遮音シート」などを施工するのがおすすめです。

このほか後述しますが、窓に対してはカーテンを防音に替える簡易的な方法があります。

外からの音の入り口となりやすいダクト(換気口)を防音仕様に変更する工事も効果があります。

棟内の生活音の遮断はドアと床と壁対策をする

子どもの足音など、マンションのほかの部屋に迷惑をかけないための遮音は、床や、前述の壁の対策をします。

2階以上の一戸建てやマンションで下に物音が響かないようにしたい場合、床材を防音タイプに変更するか、床に遮音材や防音材を敷く方法がとられます。

自宅内の生活音が気になって在宅ワークに集中できないなどの場合は、室内扉を防音ドアに交換すると効果があるでしょう。

楽器や音楽鑑賞は防音室を設置する

ピアノ・ドラムなどの楽器を演奏する場合や、大音量で映画鑑賞などの場合は、防音室を設置するのが一般的です。

自作や、組み立て式などの簡易的な方法もありますが、防音室に関しては、効果は価格に比例しやすいので、コスト面が悩ましい問題となります。

対策箇所別のリフォームの費用相場

対策箇所別のリフォームの費用相場

防音リフォームの対策箇所別で、6帖程度の広さでの費用のおおよその相場をご説明します。

リフォーム用資材は値動きがあり、依頼先によってもバラツキがあるため、相場はあくまで目安としてご覧ください。

狙う効果によって複数の対策をするなどで、コストは上がり気味となります。

壁の対策は18万円から

壁の防音は、壁内に吸音材と遮音シートを入れる工事で、18~25万円です。

壁の中に音を吸って小さくする吸音材と、音を跳ね返す遮音シートを両方入れることで壁の防音性能は大きく向上します。

そこに、遮音効果のための石膏ボードを2重にして貼ると防音効果はさらに高まります。

ほかにも換気扇の開口部に防音対策を施すと、2~5万円です。

換気口を防音効果の高い換気口にすることで、戸外からの遮音はさらに高まります。

換気口の防音対策は、屋外の部分のみを変える方法、屋内の換気口も同時に交換する方法、換気ダクト内に吸音材を入れる方法があります。

窓の対策は5万円から

窓の防音は、防音ガラスの施工で5~13万円、2重窓(内窓)を付ける施工で7~15万円 などの方法があります。

窓への施工は気密性アップと吸音で効果を出し、各建材メーカーが開発を競っている分野です。

防音ガラスの施工は、ガラス窓を防音機能の高い複層ガラスなどに交換する方法です。

遮音性は内窓設置より若干低いのですが、既存のガラスからも簡単に交換できる点が魅力で、内窓の設置と併せて利用するとさらに効果的でしょう。

2重窓は既存の窓に追加して新たに内窓を設置する方法で、内窓を増設すると窓と窓の間に空気の層ができ、クッションのような役割で音を吸収するため、外部からの騒音が入りにくくなります。

また、内窓により気密性が高まり、音の通過も防げます。

窓ガラスの施工は、同じ住戸で施工済みの窓と従来の窓を開け閉めしてみると、効果の具合は実感できるでしょう。

ドアの対策は20万円から

居室やリビングにある室内扉を防音仕様のドアに変更し、ドア枠や床との間にあった隙間を埋めて、気密性を上げます。

防音ドアは安いもので5万円程度からありますが、この価格帯のものは簡易防音ドアで、音を減らす効果は30dB程度までです。

目的によっては簡易防音ドアでも良いのですが、例えばピアノ演奏の100dBくらいの音を70dBまで減衰しても、これでは十分とはいえない状態です。

効果的な防音ドアが必要な場合は、取付工賃もかかりますが、20~30万円くらいの製品が良いとされています。

後述しますがマンションは分譲・賃貸問わず玄関ドアの交換はできませんのでご注意ください。

床の対策は12万円から

床の対策は、床材の下に遮音マットや吸音素材などの防音材を敷くほか、防音機能のある床材に張り替えるなどの施工をしますが、遮音マットの施工が30~60万円ともっともコストがかかります。

床の衝撃音は、大きく軽量衝撃音と重量衝撃音の2つに分けられます。

軽量衝撃音は、スプーンなどの硬いものを落としたときの音、スリッパを履いて歩いた音などで、重量衝撃音は子どもが跳ねたり走ったりしたときなどに出る低く大きな音です。

どちらの音の対策をしたいかで床の防音方法は異なりますが、軽量衝撃音の鋭い音のほうが気になるという方も多いです。

防音室は160万円から

楽器、映画、音楽などの目的で自宅の一部屋を防音室に作り替える場合、その効果は抜群な反面、160~700万円とかなりの金額となり、自作にチャレンジする方もいます。

市販されている組み立て式防音ボックスを部屋に置く方法であれば、50~300万円の予算で簡単に施工でき、大規模な工事が必要ないという点も魅力です。

ただし、部屋の中に防音壁の部屋をもう一つ作るようなものなので、設置した部屋はどうしても狭くなります。

楽器などのレベルの大きな音は壁や天井、床を伝って響くため、1部屋を丸ごと防音室にする場合、天井や床の間に防振材を挟んで部屋全体を浮いたような構造にし、音が外部に伝わるのを防ぎます。

一般的に鉄筋や鉄骨住宅に比べて、木造住宅のほうが音が伝わりやすいため、防音工事の費用も木造のほうが高額になります。

リフォームに使える補助金がある

リフォームに使える補助金がある

防音リフォームに設定されている補助金(助成金)は、住環境対策や省エネルギー、自治体独自の制度などさまざまなものがあり、できる限り利用したいものです。

制度によって予算や公募期間、並行して申請できない制度の組み合わせなどが決められているため、期限や申請資格などは事前にしっかり確認しましょう。

騒音が激しい地域への補助金

幹線道路や基地、空港の近くなどで、条件を満たした場合に防音工事費用の一部あるいは全部が助成される制度があります。

室内扉を防音ドアに交換したり、壁の内側に遮音材を施工したりするなどのリフォームが対象です。

音を「うるさい」と感じる度合いは個人差があるため、支給要件には、音に関する基準が定められています。

対象者 対象工事 対象リフォーム 助成の度合い
幹線道路沿いの居住者 「沿道整備道路」に指定された道路の沿道で、特別区により「防音構造に関する条例」が適用された区域内で条件を満たす住宅の防音工事

<東京都の例>
環状七号線 ・環状八号線 ・中原街道 ・笹目通り

「室内扉を防音ドアに交換する」「壁の内側に遮音材を施工する」 審査した工事費用の4分の3かつ、騒音調査結果に基づく対象室数により、助成限度額が異なる。
自衛隊/在日米軍基地の飛行場の近くの居住者 防衛省が定めた「住宅防音工事標準仕方書」によって住宅の防音工事をおこなう場合 「既存の壁を撤去して、防音壁に改良する」「防音サッシを設置する」床の防音リフォームなどは基本的に対象外。 原則として工事費の全額を助成。
空港の近くの居住者 国交省が告示した「騒音区域内」で、条件を満たす住宅が、基準に定められた防音工事をおこなう場合が対象 「防音サッシの設置」「天井・壁の防音工事」など 騒防法に基づき、防音工事費の全額もしくは一部を補助。

断熱や省エネリフォームの一環の補助金

国が「こどもエコすまい支援事業」という補助金制度を実施しており、子育て世帯以外の方も申請が可能です。

補助金の主旨は断熱・省エネリフォームなので、「防音工事のみ」の利用はできませんが、防音効果を生む工事が気密・断熱効果を増すことができれば対象となります。

この制度では断熱改修(開口部・外壁・屋根・天井・床など)もしくはエコ住宅設備の設置(エコキュート・節水トイレなど)が必須工事として指定されています。

上記のリフォームを選ぶと同時に、開口部の防音工事(内窓設置など)をおこなって、補助額の合計が5万円以上になる場合が対象となるので、防音以外の目的も併せ持った場合の申請に向いているでしょう。

自治体独自の補助金

自治体によっては独自のリフォーム補助金制度を設けている場合があり、制度によっては「防音工事」も補助対象としているものがあります。

北海道網走市の「網走市住環境改善資金補助制度」をご紹介します。

対象者 対象工事 対象リフォーム 助成の度合い
●本市に住所を有する方または転入予定の方
●市税を滞納していない方・暴力団員または暴力団関係事業者以外
●本市に自ら居住するための住宅を所有し、補助対象工事の契約者となる方か同居者
●補助金の交付申請をした日の属する年度の末日までに完了届を提出できる方
●建築基準法、その他建築物に関連する法律等を遵守した住宅
●2023年4月3日~2024年3月29日に請負契約をした工事
●市内業者との契約工事に限る
●一般改修工事・空き家改修工事(長寿命化、省エネ化、子育て環境改善、バリアフリー化等)
●太陽光発電システム新規設置、ペレットストーブ新規設置(ともに中古品、機器更新を除く)
●土砂災害警戒区域等内での土留め擁壁等の設置
補助対象工事費は10万円(税込)以上。

上限10~30万円

出典:網走市住環境改善資金補助制度

自治体の助成金は、助成割合が高くないことも多いですが、対象となるリフォームの種類が幅広く使いやすいといえます。

移住目的で転入する場合でも、リフォーム完了届の提出時までに転入届を提出できればOKです。

このような助成金は、以下のように容易に取り外しが可能=簡単に他人に譲渡できる機器や、その世帯への居住に直接結びつかない工事は対象にならないため、注意しましょう。

網走市の例)

  • 家電製品の設置(エアコン、ストーブ、照明器具等)
  • 厨房製品の設置(食器洗浄器、ガスコンロ、電気調理器等:ビルトイン製品は除く)
  • 衛生製品の設置(温水洗浄便座のみの取替等)
  • その他(既製家具、アンテナ、カーテン、門、塀、車庫、物置等)

リフォームにあてはめると、次項で取り上げる防音カーテンやパーテーションなどは対象にならないということになります。

ちゅうこだて!の「住まいの紹介サービス」では、中古一戸建て探しのご相談を24時間チャットで受け付けております。
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こんな方法も!防音対策の裏技4つ

こんな方法も!防音対策の裏技4つ

防音といっても、あまり費用をかけずに自作でできる限りのことをするという選択肢もあります。

また、まったく発想を変えて住居を住み替えることで、防音の目的を達成する方法もご紹介します。

防音対策の裏技

  • 手軽なアイテムの防音対策
  • 自作リフォームで防音施工
  • 一戸建てに住み替える
  • 音が気にならない場所に住む

手軽なアイテムで防音対策

窓はどうしても音の入り口となる場所ですが、手軽な窓の防音対策としておすすめできるのが遮音カーテンで、8,000円から2万円ほどで市販されています。

今までのカーテンを遮音カーテンに替えるだけなので、1時間もかからずに作業が済み、赤ちゃんの泣き声や女性の声など、高い音域の防音に効果を発揮します。

ただし、電車や工事の音のような振動をともなう低い音には効果が薄いです。

防音カーペットも1~5万円程度で市販されていますし、子どものけが防止に床にひくウレタンやコルクのマット、パーテーションなども、一定の防音や振動を抑える効果があります。

音を出すような生活時間帯にも配慮しながら、このようなできることからの対策をとるのも一つの手段でしょう。

自作リフォームで防音施工

手の届きにくそうな壁面の防音も、材料費だけの自作のリフォームは可能です。

以下を参考に、チャレンジしてみるのはいかがでしょう?

対策 相場 施工
遮音シート+吸音パネル 1~2万円
(壁1面あたり)ホームセンターやネット通販で買える。
既存の壁に先に遮音シートを貼り、その上から吸音パネルを重ねて貼る方法が効果的。

吸音パネルで弱まった音のエネルギーを、さらに遮音シートで反射させて防音する。

遮音シート:塩ビ樹脂やポリエステル製不織布

吸音パネル:グラスウールやウレタンスポンジ

グラスウール+有孔ボード 5~6万円
(壁1面あたり)
学校の音楽室や視聴覚室でおなじみの有孔ボードの防音壁を使用。

ロックウールやグラスウールなど、多孔質の吸音材を元の壁に貼り付けた上から、有孔ボードを設置する。

有孔ボードで吸収した音を分散させて防音効果が得られる。

パーテーションを設置 1~3万円
(パーテーション1個)
在宅ワークなどでは、吸音効果のあるパーテーションの設置も効果的。

オンライン会議での声漏れを防ぐほか、視線を遮って集中力を高められる。

多孔質のパーテーションは、自分や周りの方の発する音を吸収して防音する。

こちらのWebサイトも、ご参考にしてみてください。
DIY防音のサポート・防音材販売サイト(ソノライズ)

戸建てに住み替える

一戸建てはマンションに比べて、そもそもの防音対策で有利です。

いうまでもなく、木造建築は構造自体では防音上マンションよりも不利です。

しかし、隣家が建築基準法ぎりぎりの1mの距離であっても、2重壁の間に空気の層があるのと同様なので、音も振動も激減させられます。

上下階にほかの世帯が住んでいることもないため、上や下に気を遣うこともなくなります。

もちろん屋外から侵入する車や電車などの音に関してだけは、集合住宅と条件はあまり変わりませんが、近隣の音と、屋内で少々大きな音を出すことに関してはかなり有利だといえるでしょう。

マンション生活に慣れ親しんだ方も、音のことが気になる場合中古一戸建てなどを検討されるのをおすすめします。

音の伝わり方はさまざまなので、一戸建てでも内部から伝わる音が気になる場合もありますが、前項で述べたような対策も効果があり、一戸建てならマンションよりも試しやすいです。

音が気にならない場所に住む

隣家との距離が離れていれば、防音上はさらに有利です。

郊外や地方に移住することは、それだけで根本的な防音対策となります。

郊外や地方では、法令で住宅を建築できる敷地面積の下限が大きく、首都圏でも60坪以上でなければ家が建てられないということが珍しくありません。

東京圏を例にとると、山手線から60分以内で両側が隣家の一戸建てでドラム演奏をしても、クレームレベルの音量が近所に伝わらないケースもあります。

さらに車社会の場合、駅に近く生活に便利な場所に密集して住む必要性が薄いため、隣家が近くにない「ポツンと一軒家」の生活が成り立ちます。

周囲に家がないような環境は、生活の利便性と反比例することも多いので、比較検討することとなるでしょうが、静かな環境の価値は高いでしょう。

ただし郊外や地方では、カエルや虫の鳴き声などの自然音はします。

防音リフォーム依頼の事前準備は3ステップ

防音リフォーム依頼の事前準備は3ステップ

ここで再度業者に依頼する防音リフォームの話に戻り、プロのアドバイスも得ながら理想の防音リフォームをおこなうための準備の段階をご説明します。

防音リフォーム依頼の事前準備は、以下の3ステップでおこないます。

  • 問題点を整理する
  • 予算を立てる
  • 業者選びをする

問題点を整理する

防音リフォームは純粋に住むための建築工事などではないため、予算も限られていることが一般的で、希望をすべて実現とはいかないでしょう。

まずは家族で現状の不満な点を洗い出し、優先順位を付けて、防音の希望や施工箇所のラフなめどを立てます。

希望の例)
リビングの子どもの足音を、階下に響かないようにしてほしい
自宅内の生活音を、仕事部屋に伝わらないようにしてほしい
軽量鉄骨の6帖で、アップライトピアノの音を隣戸や戸外に伝わらないようにしたい

予算を立てる

整理された問題点をもとに相場を調べたのち、何社かに相見積もりの打診を開始し、相場から予測していた予算感を修正していきます。

防音リフォームの見積もりでは、工法は「こんなイメージで」というようにほかの施工例の写真を見せることはできます。

しかし、希望する効果は、なるべく具体的な言葉で現状の困っている点を伝えるしかありません。

実際にセールスの訪問を受ける段階になれば、聞こえる音の大きさを聞いてもらうこともできるでしょう。

価格が安くても効果が出なくては意味がありませんので、各社が「このくらいのグレードの工事が必要」と考える線をつかむことが大切です。

施工方法や、得られる効果に不明点があるときは、遠慮なく質問しましょう。

質問に対する回答の内容が、作業を依頼したい業者かどうかの判断材料にもなります。

リフォームのための費用は、施工段階で資材値上げなど想定外の要素によって、当初のもくろみから増えることもありえます。

見積もりの段階で予算には多少の余裕を持って計画を立て、同様にスケジュール=工期の長さも余裕を持っておきましょう。

業者選びをする

理想のリフォームのためには、防音の施工分野や防音用の部材の調達能力で強みのある業者を選ぶことが大切です。

相見積もりで2~3社を比較し、提案内容が良く、質問に誠実に答えてくれ、的確なアドバイスをくれる会社・スタッフを探しましょう。

会社のホームページから会社概要や、施工実績をチェックし、ブログの記事などに書かれた施工例や、お客様の声なども参考にします。

その他、一括査定サイトなどで口コミが確認できれば参考にしますが、口コミの数が一定以上ある場合が望ましいのと、中傷のような意見には左右されないよう、公平な目で判断しましょう。

そして業者にリフォーム瑕疵(かし)保険に加入できるかどうかを確認しましょう。

リフォーム瑕疵保険は、リフォームの施工事業者が加入する保険で、瑕疵とは、何らかの理由で契約時に約束した性能や品質が確保できない状態をいいます。

つまり、防音効果をまったく発揮しないなど、契約時の約束を守れない場合のために、業者が保険に加入する制度です。

加入していない業者には、瑕疵保険に加入するよう必ず依頼しましょう。

リフォームで防音する際の注意点

リフォームで防音する際の注意点

リフォームで防音工事を依頼する前に知っておくべき注意点があります。

共同住宅や賃貸住宅の場合、防音対策をするうえで制約を受けます。

また、業者とのコミュニケーションがうまくいかず、要望の伝え方があいまいな場合、トラブルや不満足な結果につながる点にも注意が必要です。

マンションは専有部分のみの施工になる

マンションの場合は、自己名義の分譲マンションであったとしても、防音リフォームが可能な範囲は室内の専有部分のみとなり、共用部分を自分の都合で許可なしに手を加えることはできません。

共用部分とは、建物の構造躯体、窓、外壁、玄関ドアなどが該当します。

防音リフォームの専門業者はマンション施工の経験やノウハウがありますので、お住まいのマンションの管理規約も参照しながら、相談しましょう。

賃貸は物件オーナーの許可が必要

賃貸物件で防音の対策をしたい場合は、オーナーと相談のうえ、原状回復をする前提か、残置物として残すかを取り決めて施工します。

残置物として認められない限りは、原状回復のできない工事はしてはならないことになり、その場合例えば防音室を自作しても、退去時には撤去することが必要となります。

共有部分は基本的に改修できないという点は、賃貸物件も分譲マンションと同じです。

楽器練習などが目的の方は、最初から防音施工された賃貸マンションもありますので、そこに住むという方法もあります。

費用対効果に注意する

リフォームを依頼する業者との間に、希望する効果や、予算の共有がされていない場合、うまくいく工事もうまくいかなくなってしまいます。

例えば、少しでも防音効果を得ようとして、予算の範囲で部分的に防音材などの施工をすることは可能ですが、それで十分効果を得られないことも考えられます。

また、打ち合わせが十分でなかった結果として、希望する部分の防音性能が十分に確保できないことも考えられます。

こういった点を防ぐために、事前に業者とよく相談するようにしましょう。

まとめ

まとめ

防音リフォームでの防音施工の基礎知識や、自分に合った方法の探し方を解説しました。

音の問題を左右する要素は建物の構造や地形などたくさんあり、それぞれにふさわしい解決法を知ることが防音リフォームの成功ポイントとなります。

人の密集するエリアほど防音の問題は起こりやすいので、生活環境自体を変えるのも一つの手段となるでしょう。

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