住み替えをおこなうためには、現居の住宅ローンを完済しなければなりません。
売却代金や自己資金を使って完済するのが難しい場合に便利なのが、住み替えローンです。
この記事では住み替え時に住宅ローンはどうなるのか、住み替えローンのメリット・デメリットなどを解説します。
住宅ローンが残っている状態で住み替えを検討している方は参考にしてください。
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目次
住み替え時に住宅ローンはどうなる?
住み替えの方法を判断する際は、現居の住宅ローンを完済しているかどうかが重要なポイントになります。
もし完済しているのであれば、新居の住宅ローンをあらためて組むだけなのでシンプルです。
一方で完済していない場合は、残っているローンを返済し抵当権を抹消する必要があります。
抵当権とは債務者が住宅ローンを返済できなくなったときの担保として、金融機関が住宅に設定する権利です。
抵当権を抹消しなければ現居の売却ができないため、住み替えもできません。
住み替えの方法は売り先行、買い先行、売り買い同時進行の三つがあります。
ここからは三つの方法の特徴とメリット・デメリットを解説します。
売り先行
売り先行とは先に現居を売却し、次に新居を購入する住み替え方法です。
先に現居の売却代金が確定するため、無理のない資金計画を立てられるメリットがあります。
また、現居の住宅ローンを完済したあとに新居の住宅ローンを組めるため、ダブルローンを組む必要がありません。
現居の売却代金は住宅ローンの完済に充てられるほか、新居の頭金としても活用できるでしょう。
住宅ローンの返済リスクを抑えて手堅く住み替えたい方に向いています。
ただし、現居売却から新居購入までにタイムラグが発生すると、仮住まいへの引っ越しが必要になります。
現居から仮住まい、仮住まいから新居に2回引っ越すため、引っ越し料金や仮住まいの家賃、水光熱費などがかさむ点がデメリットです。
現居が売れないと住み替えが進まない点にも注意しなければなりません。
新居として気に入った物件が見つかっても、現居の買い手が現れるのを待っているうちに他の方に取られてしまう可能性があります。
売り先行を積極的に検討するなら、HOME4Uの「不動産売却査定」を利用してみませんか? 一括で最大6社からサービス内容や査定額を受け取ることができるので比較検討することができます!
買い先行
買い先行とは先に新居を購入し、次に現居を売却する方法です。
買い先行は新居探しにじっくり時間をかけられるメリットがあります。
仮住まいに引っ越す必要がなく、引っ越し料金や家賃などの出費も抑えられます。
現居を空き家の状態で売りに出すため、売り主の内覧対応が不要である点もメリットです。
デメリットは、現居に加えて新居の住宅ローンも二重で組むことになり、ダブルローンになってしまうことです。
ダブルローンになると返済額が上がるため、家計にとっては大きな負担になります。
ダブルローンの状態を早く解消するために、焦って売却することにもなりかねません。
買い先行は資金に余裕がある方や、新居探しを妥協したくない方に向いています。
売り買い同時進行
売り買い同時進行とは現居の売却と新居の購入を同時に進める住み替え方法です。
売り買い同時進行であれば、仮住まいやダブルローンなしで住み替えられます。
売り先行と買い先行のデメリットを解消できる理想的な方法です。
ただ、売り買い同時進行で住み替えるのは容易ではありません。
現居の売り手が現れなかったり、新居が見つかっていなかったりして、思いどおりに進められないことがあります。
実際のところは売り先行、買い先行のどちらかで進めて、引き渡しのタイミングを合わせることが多いです。
売り買い同時進行を成功させるためにはコツがあります。
1点目は売りと買いで同じ不動産会社に仲介を依頼することです。
なかなか売れないときの対策として、業者買い取りサービスの利用も選択肢に入れておくと良いでしょう。
住み替え時に便利な住み替えローン
住み替えローンとは現居の住宅ローンの残債と新居の購入資金を合算して借り入れできるローンのことです。
現居の売却代金や自己資金だけでは完済できない状態でも、住み替えローンを活用すれば住み替えられます。
例えば現居の住宅ローンの残債が3,000万円、現居の査定額が2,500万円の場合、3,000万円-2,500万円=500万円の返済が残ってしまいます。
この状態で新居を4,000万円で購入する場合、4,000万円+500万円=4,500万円を借り入れられるのが住み替えローンです。
住み替えローンでは現居の住宅ローンの残債を把握する必要があるため、売り先行で進めることが多いです。
住み替えローンの融資金を使ってまずは現居の住宅ローンを完済し、新居の購入代金を売り主に支払います。
その後は金融機関に住宅ローンを返済していく流れです。
住み替えローンの利用条件
住み替えローンには利用条件があります。おもな条件は以下の三つです。
- 新居に住み替えること
- ローン残債を完済できないこと
- 金融機関の審査に通過すること
新居に住み替えること
住み替えローンは、マイホームの住み替えを目的としている方を対象にしています。
通常の住宅ローンや不動産投資ローンのような使い方はできない点に注意しましょう。
例えば自分が居住する目的ではなく、第三者に賃貸する目的で新しく物件を購入する場合は、住み替えローンの利用条件から外れます。
現居を売却して、賃貸住宅を借りて住む場合も同様です。
新居を購入して現居は売却していない場合も、住み替えローンは利用できません。
ローン残債を完済できないこと
住宅ローンの残債を現居の売却代金や自己資金で完済できないことも利用条件になります。
まずは住宅ローンの残債と売却代金、自己資金を把握して、住宅ローンの残債が売却代金と自己資金の合計額を上回る場合に、住み替えローンの利用を検討しましょう。
住宅ローンの残債が売却代金と自己資金の合計額を下回る場合は、現居の売却によって住宅ローンを完済できるため、わざわざ住み替えローンを利用する必要はありません。
新居の購入代金が必要な場合は、新しく住宅ローンを組むだけで済みます。
金融機関の審査に通過すること
住み替えローンを利用するためには、金融機関の審査に通過することが大前提になります。
住み替えローンは現居の住宅ローンの残債と新居の購入資金を一本化したローンなので、借入額が高額です。
おもな審査項目は以下のとおりです。
- 現居の住宅ローンの残債
- 過去の住宅ローン返済履歴・信用情報
- 返済能力(年収・勤務先・勤務年数)
- 新居の価格・担保評価額
- 返済負担率
- 団体信用生命保険への加入
- 借入時の年齢
- 完済時の年齢
審査項目は金融機関によって異なりますが、過去の住宅ローン返済履歴・信用情報は一定の返済をした履歴があり、返済遅延がない方が対象になります。
完済時の上限年齢は満80歳前後で設定されていることが多いです。
上限年齢から返済期間を逆算して、基準を満たしているか確認しましょう。
住み替えローンのメリット
住み替えローンには以下のメリットがあります。
- メリット①ローンが残っていても住み替えができる
- メリット②住み替え費用を節約できる
- メリット③ダブルローンを組まなくて済む
メリット①ローンが残っていても住み替えができる
住み替えローンのメリットは、住宅ローンが残っていても住み替えができる点です。
通常、住宅ローンが残っている家を売却する場合は、一括返済をして抵当権を抹消する必要があります。
もし住宅ローンを完済できない場合、抵当権は抹消されないため住み替えられません。
しかし住み替えローンを利用すれば、完済するために必要な資金を金融機関から調達できます。
住宅ローンを完済できず住み替えをあきらめていた方も、住み替えローンを利用すれば新居を購入できる可能性が高まるでしょう。
住宅ローンを自力で完済するまで住み替えを待つ必要もありません。
家族構成やライフスタイルなどの変化に合わせて、好きなタイミングで住み替えができる点も大きなメリットです。
メリット②住み替え費用を節約できる
売り先行や買い先行の場合はタイムラグが発生しやすいですが、住み替えローンの場合はタイムラグが発生しません。
住み替えローンを利用する際は、現居の売却と新居の購入を同時におこなうためです。
決済日には売却手続き、融資金の振込、住宅ローンの完済手続き、購入手続きが同日中に実行されます。
例えば売り先行で売却から購入まで時間が空く場合、仮住まいへの引っ越しや家賃などの住み替え費用がかかります。
また買い先行で購入から売却まで時間が空く場合は、ダブルローンの返済負担が重くなり、諸費用の支払いも必要です。
売却と購入が同時におこなわれる住み替えローンであれば、上記の費用を節約できるメリットがあります。
自己資金からの出費を抑えられるため、浮いた資金を生活資金にまわせるでしょう。
メリット③ダブルローンを組まなくて済む
ダブルローンは同時に2物件のローンを利用することになるため、必要な手続きが多く債務者の負担が大きいです。
ダブルローンは買い先行の住み替えで利用されることが多いですが、審査が厳しく返済額が高額になります。
自己資金に余裕がある方でなければ、ダブルローンを利用するのは難しいでしょう。
一方で住み替えローンは、現居と新居の2物件のローンを一本化できます。
ダブルローンと比べると、必要な手続きが減って費用や手間を抑えられるでしょう。
新居の購入代金に現居の残債だけ上乗せされるため、ダブルローンより返済額も少なくて済みます。
住み替えローンのデメリット
住み替えローンには、デメリットもあります。
以下のデメリットに注意したうえで、住み替えローンを利用するかどうか判断しましょう。
- デメリット①借入額が高額になる
- デメリット②審査基準が厳しい
- デメリット③売却と購入の決済を同日にしなければならない
デメリット①借入額が高額になる
住み替えローンは通常の住宅ローンに比べて借入額が高額になりやすいのがデメリットです。
無理して住み替えローンを組むと、過剰な債務を抱えてしまうケースも少なくありません。
返済が滞り続けると、最終的に自宅は競売にかけられてしまいます。
また住み替えローンの金利は、通常の住宅ローンよりも高く設定されていることが多いです。
住み替えローンを利用する際は、無理なく返済していける金額かどうか見極めることが大切です。
子どもの進学や転職など、将来を見据えた資金計画を立てましょう。
デメリット②審査基準が厳しい
住み替えローンは借入額が高額になるため、金融機関の審査基準が厳しくなります。
また、物件の担保価値よりも、年収や勤務先、勤続年数など返済能力がよりいっそう重視される傾向です。
クレジットカードのキャッシングなどは借金とみなされるため、注意が必要です。
住宅ローンでは問題なく審査を通過した金融機関でも、住み替えローンの審査は通らない可能性があります。
最初から一つの金融機関だけに絞ってしまうと、審査に通らなかった場合に手続きがストップしてしまいます。
あらかじめ複数の金融機関を候補としてピックアップしておいたほうが良いです。
デメリット③売却と購入の決済を同日にしなければならない
現居の売却と新居の購入を同時並行で進めなければならない住み替えローンは、スケジュール調整が難しいデメリットもあります。
売却と購入の決済・引き渡しは、同日に実行しなければなりません。
現居の売却活動や新居探し、売買契約、融資審査など数多くの手続きをタイトなスケジュールで進めていくことになります。
新居が見つかっても、現居が思うように売却できないリスクもあります。
その場合、スケジュールを合わせるために、売却価格を下げることにもなりかねません。
住み替えローンを利用する際は、不動産会社に仲介を依頼し、全体のスケジュールを理解したうえで進めるようにしましょう。
売り買い両方の仲介を得意としている不動産会社であれば、複雑なスケジュールも段取り良く進められるようサポートしてもらえます。
ちゅうこだて!の「住まいの紹介サービス」では、中古一戸建て探しのご相談を24時間チャットで受け付けております。
ぜひお気軽にご利用ください。
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住み替えローン利用の流れ
住み替えローンを利用する際の流れは以下のとおりです。
- 住宅ローンの残債を確認する
- 不動産会社に住み替えの相談をする
- 住み替えローンを取扱う金融機関を探す
- 新居を探す
- 住み替えローンの審査を受ける
- 不動産売買契約・住み替えローンの契約を結ぶ
- 決済日に融資を受ける
住宅ローンの残債を確認する
住み替えローンを利用する前に、住宅ローンの残債がいくらなのか自分の現状を把握することから始めます。
残債の金額によって住み替えローンの借入額が変わるため、必ず最初に確認しておきましょう。
住宅ローンの残債は、金融機関から送られてくる償還予定表(返済計画表、ローン償還表)の借入残高の欄に記載されています。
償還予定表がお手もとにない場合は、金融機関に直接問い合わせてみてください。金融機関によってはインターネット上で最新の残高を閲覧できたり、新たに償還予定表を発行してもらえたりします。
また、住み替えに使える自己資金の残高も確認しておきましょう。
売却代金だけでは完済できない場合に、いくらまでなら自己資金で補えるのか把握しておくことが大切です。
住宅ローンの残債と自己資金をもとに、新居の購入費用や住み替えローンの資金計画を立てます。
楽観的、悲観的、中間の三つのシナリオで資金計画を立てておくと良いでしょう。
不動産会社に住み替えの相談をする
売却と購入を仲介してくれる不動産会社を探し、住み替えの相談をします。
住み替えローンを利用する場合は、売却手続きと購入手続きを並行して進める必要があります。
細かい日程調整や金融機関との交渉などをしなければならず、通常の売買とは異なるノウハウも不可欠です。
一人で進めるのは難しいため、不動産会社に相談しましょう。
不動産会社によって得意分野はさまざまです。
賃貸物件の仲介や土地売買の仲介に強い不動産会社に依頼しても、十分なサポートを得られない可能性があります。
住み替えを依頼する場合は、住み替えの取引経験が豊富で地元密着型の不動産会社に依頼するのがポイントです。
不動産会社に相談する際は、最初に住み替えを希望していることを伝えましょう。
住み替えに慣れている不動産会社であれば、住み替えローンを取扱っている金融機関を紹介してくれる場合もあります。
住み替えローンを取扱う金融機関を探す
仲介を依頼する不動産会社が決まったら、住み替えローンを取扱っている金融機関を探します。
住み替えローンはすべての金融機関で利用できるわけではなく、取扱っていない金融機関も多いです。
住み替えローンの審査基準や金利タイプなどは、金融機関ごとに異なります。
複数の商品を比較し、自分に合った住み替えローンを選ぶことが大切です。
どの金融機関を選べば良いかわからない方は、次章「住み替えローンが利用できる銀行」を参考にしてください。
メガバンク、地方銀行、ろうきんに分けて、商品の特徴を解説します。
新居を探す
新居探しを始める前に、新居の購入予算を立てておきましょう。
不動産会社に住み替えローンで借り入れできる金額を試算してもらえるため、それをもとに新居の購入予算を立てると良いです。
気になる物件が見つかれば、内覧に行って自分の目で確認することをおすすめします。
ただし住み替えローンを利用する場合、新居の購入申し込みができるのは、現居の買い主が決まってからです。
希望条件を満たす理想的な物件と出会っても、すぐ購入できるとは限らない点に注意しましょう。
複数の物件をピックアップしておくと、売却の状況に応じて対応しやすいです。
住み替えローンの審査を受ける
購入したいと思える物件が決まったら、住み替えローンの審査を受ける流れです。
住み替えローンの審査には、仮審査と本審査があり、まずは仮審査から受けることになります。
仮審査ではおもに利用者の返済能力や返済負担率などが審査対象です。
仮審査の期間は金融機関によって異なりますが、通常は2〜3日程度かかります。
仮審査に通ったら、次は本審査です。本審査では信用情報や健康状態など、仮審査よりもいっそう厳しい審査がおこなわれます。
本審査にかかる時間は通常1〜3週間程度です。
審査を受けるにあたって提出が必要な書類があります。
スムーズに提出できるよう、事前に金融機関の窓口やホームページなどで確認しておきましょう。
不動産売買契約・住み替えローンの契約を結ぶ
新居と現居それぞれの不動産売買契約を結び、金融機関と住み替えローンの契約を結びます。
新居を購入する際の不動産売買契約には、買い換え特約を付けるのがポイントです。
買い換え特約とは期限内に現居を売却できなかった場合、契約を白紙に戻せる特約です。
先述のとおり、住み替えローンを利用する際は売却と購入のタイミングを合わせる必要がありますが、現居をスムーズに売却できない可能性があります。
無理矢理タイミングを合わせるために、現居を大幅に値下げしたり、新居の売り主に違約金を支払ったりするのは大きなリスクです。
買い換え特約を付けておけば、売却できなかったときのリスクを回避できます。
ただ新居の売り主にとっては不利な特約になるため、買い換え特約を断られるケースも少なくありません。
必ず付けられるとは限らない点に注意しましょう。
決済日に融資を受ける
決済日には、融資実行、ローンの完済、現居と新居の決済がおこなわれます。
現居の抵当権抹消手続きと、新居の抵当権設定手続きを同時におこなう必要があるためです。
たとえ住み替えローンの審査に通過しても、これらの手続きが同日中におこなわれないと融資が受けられない可能性があります。
住み替えローンが利用できる銀行
住み替えローンが利用できる銀行は、大きくメガバンク・地方銀行・労働金庫(ろうきん)の3種類に分類できます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
メガバンク | サービスが充実している | 審査のハードルが高い |
地方銀行 | 審査のハードルが低い | 利用できるエリアが限られる |
労働金庫(ろうきん) | 会員限定の優遇を受けられる | 非会員は優遇を受けられない |
メガバンク
メガバンクはサービスが充実している一方で、審査のハードルが高い傾向があります。
住み替えローンを取扱っている三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行の商品の特徴は以下のとおりです。
金融機関名 | 三井住友銀行 | みずほ銀行 | りそな銀行 |
---|---|---|---|
商品名 | WEB申込専用住み替えローン | みずほ買い替えローン | りそな住みかえローン |
借入時年齢 | 18歳以上満70歳の誕生日まで | 18歳以上満71歳未満 | 満20歳以上満70歳未満 |
完済時年齢 | 満80歳の誕生日まで | 満81歳未満 | 満80歳未満 |
年収 | 500万円以上 | 安定した年収 | 100万円以上 |
返済履歴 | 借り入れ後4年以上経過しており、直近1年間で返済遅延がない | 延滞などがない | 3年以上正常に返済している |
その他利用条件 | ●指定の団体信用生命保険に加入できる方 ●指定の保証会社の保証を受けられる方 |
●指定の団体信用生命保険に加入できる方 ●保証会社の保証を受けられる方 ●原則、日本国籍の方または永住許可等を受けている外国人の方 |
●日本国籍の方または永住許可を受けている方または特別永住者の方 ●団体信用生命保険に加入できる方 ●給与所得者は勤続年数1年以上の方 ●給与所得者以外は勤続または営業年数が3年以上の方 |
借入額 | 100万円以上3億円以内 | 50万円以上3億円以内 | 50万円以上3億円以内 |
借入期間 | 1年以上35年以内 | 1年以上35年以内 | 1年以上35年以内 |
参考:
住宅ローン WEB申込専用住み替えローン : 三井住友銀行
みずほ買い替えローン商品概要 | みずほ銀行
https://www.resonabank.co.jp/pdf/sumikae.pdf
地方銀行
地方銀行は地域に密着したサービスを展開しています。
メガバンクと比べると審査のハードルは低い傾向ですが、利用できる地域が限定される点が注意が必要です。
以下に、おもな地方銀行の住み替えローンの概要をまとめました。
金融機関名 | 横浜銀行 | 千葉銀行 | 福岡銀行 |
---|---|---|---|
商品名 | 住宅ローン(お住み替え) | 住み替えコース | 住み替えローン |
借入時年齢 | 満18歳以上 | 満18歳以上満70歳未満 | 満18歳以上71歳未満 |
完済時年齢 | 満82歳未満 | 満81歳未満 | 82歳未満 |
年収 | 400万円以上 | 安定継続した収入 | 250万円以上 |
返済履歴 | ー | 直近6ヵ月間延滞がない | 直近6ヵ月間延滞がない |
その他利用条件 | ●指定の団体信用生命保険に加入できる方 ●指定の保証会社の保証を受けられる方 ●物件の所在地は原則として神奈川県全域および東京都の一部 |
●指定の団体信用生命保険に加入できる方 ●指定の保証会社の保証を受けられる方 ●住まいまたは勤務先の所在地が千葉県・茨城県全域、東京都・埼玉県、神奈川県の一部 |
●指定の団体信用生命保険に加入できる方 ●保証会社の保証を受けられる方 ●同一勤務先に1年以上お勤めの方 |
借入額 | 新居の購入資金+最大2,000万円まで | 1億円以内 | 50万円以上1億円以内 |
借入期間 | ー | 1年以上40年以内 | 40年以内 |
参考:
お住み替え|住宅ローン|横浜銀行
商品概要|住み替えコース|住宅ローン|千葉銀行
住宅ローン:ご利用可能エリアのご案内│千葉銀行
https://www.fukuokabank.co.jp/pdf/sumikae.pdf
ろうきん
労働金庫とは、労働組合や生協などで働く方が助け合う目的でつくられた協同組織の金融機関で、全国には13の労働金庫があります。
労働金庫の住み替えローンは、会員であれば優遇金利や事務手数料の割引などを受けられる点がメリットです。
関東1都7県を営業エリアとしている中央労働金庫の住み替えローンの概要は、以下のとおりです。
金融機関名 | 中央労働金庫 |
---|---|
商品名 | 借換・買替ローン(手数料定額型) |
借入時年齢 | 申し込み時に満18歳以上かつ融資時に満66歳未満 |
完済時年齢 | 満76歳未満 |
年収 | 安定継続した年収が150万円以上 |
返済履歴 | ー |
その他利用条件 | ●中央労働金庫の団体会員構成員または自宅もしくは勤務先が中央労働金庫の事業エリア内にある給与所得者の方 ●給与所得者は同一勤務先に1年以上勤務していること ●自営業者等の給与所得者以外は3年以上勤務していること ●指定の団体信用生命保険に加入できる方 ●指定の保証会社の保証を受けられる方 |
借入額 | 30万円以上1億円以内 |
借入期間 | 35年以内 |
参考:https://chuo.rokin.com/banking/loan/pdf/karikae_loan_fixed_amount.pdf
住み替えローンのシミュレーション
実際に住み替えローンを利用する場合、住み替えにいくらかかり、いくら借り入れができるのかイメージしづらい方も多いのではないでしょうか。
無理のない資金計画を立てるためには、住み替えにかかる費用の内訳を理解したうえで、事前にシミュレーションをしておくことが大切です。
住み替え費用の内訳
住み替え費用には住宅ローンの残債や新居の購入代金が含まれますが、諸費用も忘れてはいけません。売却諸費用と購入諸費用に分けると、内訳は以下のとおりです。
仲介手数料 | 不動産会社に現居の売却活動をおこなってもらう報酬として支払う 仲介手数料の上限額は宅地建物取引業法で定められており、以下のとおり計算する 売却価格400万円超……売却価格×3%+6万円+消費税 売却価格200万円超400万円以下……売却価格×4%+2万円+消費税 売却価格200万円以下……売却価格×5%+消費税 |
---|---|
印紙税 | 不動産売買契約書に収入印紙を貼付して納税する 契約書の記載金額によって税額が異なり、2024年3月31日までに作成されたものは軽減措置が適用される 5,000万円超1億円以下……3万円(本則税率6万円) 1,000万円超5,000万円以下……1万円(本則税率2万円) 500万円超1,000万円以下……5,000円(本則税率1万円) |
抵当権抹消費用 | 住宅ローン完済時に抵当権を抹消するため登録免許税がかかる 司法書士に手続きを依頼する場合は司法書士報酬もかかる 登録免許税と司法書士報酬で5,000~2万円程度 |
所得税・住民税 | 売却時に利益が発生した場合、譲渡所得に応じて所得税と住民税がかかる 譲渡所得=売却価格-取得費(現居の取得時にかかった購入代金など)-譲渡費用(現居の売却時にかかった費用) |
引っ越し費用・仮住まい費用 | 売り先行で現居売却と新居購入のタイムラグがある場合、引っ越し費用・仮住まい費用がかかる |
仲介手数料 | 不動産会社に新居の仲介を依頼した場合は仲介手数料がかかる 売却価格400万円超……売却価格×3%+6万円+消費税 売却価格200万円超400万円以下……売却価格×4%+2万円+消費税 売却価格200万円以下……売却価格×5%+消費税 |
---|---|
印紙税 | 新居の購入でも不動産売買契約を締結するため印紙税がかかる 5,000万円超1億円以下……3万円(本則税率6万円) 1,000万円超5,000万円以下……1万円(本則税率2万円) 500万円超1,000万円以下……5,000円(本則税率1万円) |
所有権移転費用 | 新居の所有権を売り主から自分に移すため登録免許税がかかる 司法書士に手続きを依頼する場合は司法書士報酬もかかる |
抵当権設定費用 | 住み替えローンや住宅ローンを利用して新居を購入する場合は抵当権を設定するため登録免許税がかかる 司法書士に手続きを依頼する場合は司法書士報酬もかかる |
不動産取得税 | 不動産を取得したときに都道府県が課税する地方税 不動産取得税は以下のとおり計算する 不動産取得税=固定資産税評価額×4% ただし土地および住宅の不動産取得税は2024年3月31日まで標準税率が3%に軽減される |
火災保険・地震保険料 | 火災や自然災害などで損害を受けた場合に建物や家財を補償する |
引っ越し費用 | 現居から新居もしくは仮住まいから新居への引っ越し費用がかかる |
住み替えローンのシミュレーション
住み替えローンでいくら借りられるのか、具体例をもとにシミュレーションしてみましょう。
以下の条件でシミュレーションをおこないます。
①現居の売却予定額 | 3,000万円 |
---|---|
②自己資金 | 300万円 |
受取金額合計(①+②) | 3,300万円 |
③現居の住宅ローンの残債 | 3,500万円 |
---|---|
④新居の購入予定額 | 3,500万円 |
⑤売却諸費用(現居の売却予定額×4%で計算) | 120万円 |
⑥購入諸費用(新居の購入予定額×5%で計算) | 200万円 |
支払金額合計(③+④+⑤+⑥) | 7,820万円 |
住み替えローンの借入額は、支払金額から受取金額を差し引いた4,520万円となります。
7,820万円(支払金額合計)-3,300万円(受取金額合計)=4,520万円
最後に、この金額が無理なく返済できる金額かどうか、判断する必要があります。
まずは知るぽるとの借入返済額シミュレーションをもとに、借入額から総返済額と毎月の返済額を計算します。
固定金利1.5%、返済期間35年で4,520万円を借り入れた場合、総返済額は5,812万円、毎月の返済額は13.83万円です。
次に年収と返済負担率をもとに、無理なく返済できる毎月の返済額を計算しましょう。
一般的に無理なく返済できる返済負担率は25%以内といわれています。
例えば年収800万円の方が返済負担率25%以内に収めるとすると、無理なく返済できる毎月の返済額は16.66万円です。
800万円(年収)×25%(返済負担率)÷12ヵ月=16.66万円
無理なく返済できるかどうかの判断は借り入れ条件や年収などの諸条件によって変わるため、あくまで一例として参考にしてください。
住み替え時に知っておきたい税金特例
先ほどシミュレーションしたように住み替え時には高額な費用がかかり、そのなかには税金も含まれます。
できるだけ負担を減らすために、以下のような税金特例を活用しましょう。
- 3,000万円特別控除
- 買い換え特例
- 譲渡損失の損益通算
3,000万円特別控除
住み替えで現居を売却する際に利益が出ると、譲渡所得に応じて所得税・住民税がかかります。
3,000万円特別控除とは、マイホームを売ったときの譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例です。
住み替えをする方は、以下の適用要件を満たしているか確認しましょう。
- 現居を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 売却した年の前年・前々年に、3,000万円特別控除または譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例の適用を受けていないこと
- 売却した年・その前年・前々年に買い換え特例や交換の特例の適用を受けてないこと
- 売却した家屋・敷地は収用等の場合の特別控除などほかの特例の適用を受けていないこと
- 売り主と買い主が親子や夫婦など特別な関係でないこと
買い換え特例
買い換え特例とは一定の条件で住み替えをおこなうと、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができる特例です。
現居を売却した年分では譲渡益に課税されず、新居を将来売却するときに課税されます。
適用を受けるための要件は以下のとおりです。
- 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 売却した年・その前年・前々年に3,000万円特別控除や譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例などほかの特例の適用を受けていないこと
- 売却した現居と購入する新居が日本国内にあること
- 売却代金が1億円以下であること
- 売却した方の居住期間が10年以上かつ売却した年の1月1日に所有期間が10年を超えること
- 買い換える建物の床面積が50㎡以上、土地の面積が500㎡以下であること
- 現居を売却した年の前年から翌年まで3年間の間に買い換えること
- 買い換えるマイホームが建築後使用されたことがない住宅である場合、2024年1月1日以後の入居であるときは特定居住用家屋に該当するもの以外であること
- 買い換えるマイホームが中古住宅である場合、取得の日以前25年以内に建築されたものであること、または一定の耐震基準を満たすものであること
- 売り主と買い主が親子や夫婦など特別な関係でないこと
譲渡損失の損益通算
住み替えによって譲渡損失が生じたときは譲渡損失の損益通算を利用できる可能性があります。
譲渡損失の損益通算とは、一定の要件を満たす場合に譲渡損失を給与所得や事業所得などから控除できる特例です。
損益通算をおこなっても控除しきれない譲渡損失は、売却した翌年から3年間繰越控除もできます。
住み替えの場合は以下の適用要件を満たす必要があります。
- 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること
- 譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超えていることで日本国内にあるものの譲渡であること
- 新しく取得する新居は譲渡の年の前年1月1日から売却の年の翌年12月31日までの間に日本国内にある資産で家屋の床面積が50㎡以上であること
- 新居を取得した年の翌年12月31日までの間に居住用の用に供すること
- 新居を取得した年の12月31日において買い換え資産に償還期間10年以上の住宅ローンがあること
住み替えを検討する目的とは?
多くの方はどのような目的で住み替えを検討しているのでしょうか。
国土交通省の住生活総合調査の結果によると、通勤・通学の利便、広さや部屋数などを理由に住み替える方が多いようです。
ここからは住み替えを検討する目的を解説します。
通勤・通学の利便
国土交通省の住生活総合調査で最近5年間に実施した住み替えの目的を見ると、最も多い割合を占めるのが通勤・通学の利便(35.1%)です。
例えば、転勤になったタイミングや子どもが進学したタイミングで住み替えるケースなどが挙げられます。
転勤になっても家族と一緒に暮らしたい方は、単身赴任ではなく住み替えを検討する方が多いです。
また通勤ストレスを減らす目的で住み替えを検討する方もいます。
職場や学校の近くに住むことで、通勤・通学にかかる交通費の削減も期待できます。
広さや部屋数
広さや部屋数を住み替えの目的とする方は、21.4%を占めています。
家族構成やライフスタイルの変化にともない、住んでいた家の広さや部屋数が合わなくなって住み替える方は少なくありません。
子どもが成長するとプライベートな部屋が必要になる可能性が高いでしょう。
子どもが複数人いる場合、一人一部屋確保すると部屋数が足りなくなる場合も考えられます。
やがて子どもが独立すると、空間を持て余してしまうことも多いです。
このように最適な広さや部屋数は刻々と変化していくことがわかります。
世帯からの独立
世帯からの独立がきっかけで住み替えるケースもあります。
例えば単身赴任や一人暮らしが長期間にわたる場合は、住宅を購入して住み替えるのも手です。
資産として活用できるため、住まなくなったあとも第三者に賃貸して収益を得られます。
離婚が住み替えの理由になることも多いです。
夫婦共同名義の家は財産分与をおこない、それぞれが新しい家に住むことになります。
片方が家に住み続けて、もう一方が新しい家に住み替える選択肢もあります。
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新しさ・きれいさ
新しくてきれいな家に住み替えたいニーズも根強いです。
住宅は時間とともに劣化していくため、メンテナンスの費用がかさみます。
劣化が深刻な場合は、新築や築浅の住宅に住み替えたほうが出費を抑えられる場合もあるでしょう。
住んでいるうちに間取りやインテリアに飽きてしまい、途中で変えたくなることもあります。
リフォームをして空間を一新する方法もありますが、大きく変更する場合は工事費用が高額です。
希望に近い別の物件があれば、そちらに住み替えるほうが手間がかかりません。
結婚による独立
結婚をきっかけに住み替えを考える方もいます。
一人で住んでいた家に二人で住むのは手狭になる可能性があります。
将来子どもができたときを見据えて、部屋数や広さに余裕がある物件に住み替えるケースも多いです。
これまでマンション暮らしだった方が、子育てがしやすいように騒音の気にならない一戸建てに住み替えるケースもあります。
家族等との同居・隣居・近居
親や子どもと同居・隣居・近居する目的で、住み替える場合もあります。
親子が近くにいることで、子育てや介護などをお互いに助け合えるのがメリットです。
同居する場合はより広くて部屋数の多い住宅に住み替える必要があり、二世帯住宅も選択肢の一つです。
二世帯住宅の場合はプライバシーが確保されていないと、トラブルにつながる可能性があります。
親子でよく話し合い、心地良い距離感が保てる家を選びましょう。
高齢期の住みやすさ
高齢になると足腰に負担がかかりやすくなります。
若い頃は何の問題もなく住んでいても、だんだん住みにくくなってくる可能性があります。
定年退職のタイミングで、高齢期に住みやすい家に住み替える方は多いです。
より長く住み続けるためには、バリアフリー仕様になっている家に住み替える方法があります。
住み替えなら中古一戸建てがおすすめ
住み替えローンを利用する際は、返済リスクを抑えるために借入額を少なくすることが大切です。
中古一戸建てであれば、新築よりも価格が抑えやすいです。
ここからは住み替えに中古一戸建てがおすすめの理由と中古一戸建ての探し方を解説します。
中古一戸建てがおすすめの理由
中古一戸建てがおすすめの理由は、新築一戸建てと比べて価格が安く、資金計画を立てやすいためです。
公益財団法人東日本不動産流通機構の首都圏不動産流通市場の動向(2022年)によれば、中古一戸建ての成約物件価格は3,753万円、新築一戸建ての成約物件価格は4,128万円となっており、300万円ほど差があることがわかります。
さらに中古一戸建ては、物件の選択肢が豊富です。
新築一戸建てでは希望を満たす物件が見つからなくても、中古一戸建てであれば見つかる可能性があります。
中古一戸建ての探し方
中古一戸建ての探し方は、不動産ポータルサイトで探す、不動産会社で探す、新聞や折り込みチラシでも見つける方法などがあります。
それぞれの方法でメリット・デメリットがあるため、自分に合った方法を選びましょう。
例えば不動産ポータルサイトで探す方法は、希望条件を絞って気軽に検索できるのがメリットです。
不動産会社で探す方法は、気になる物件を見つけてから内覧に行くまでスピーディーに進められるメリットがあります。
以下の記事では、優良物件の見つけ方を詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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中古一戸建ての正しい探し方|優良物件の見つけ方を徹底解説
まとめ:住宅ローンを組む前に購入シミュレーションをして返済プランを立てておくのがおすすめ
住み替え時に住宅ローンが残っている場合、住み替えローンを利用する方法があります。
ダブルローンを組まずに済むなどメリットがありますが、借入額が高額になるのが注意点です。
無理なく返済していくために、事前に住み替えローンのシミュレーションをしておくのがおすすめです。
借入額を抑えたい方は、中古一戸建てに住み替える選択肢もあります。
ちゅうこだて!は、全国の中古一戸建ての購入情報を検索できるサイトです。
住宅ローンが残っている状態で住み替えを検討している方は、ぜひちゅうこだて!をご活用ください。
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ぜひお気軽にご利用ください。
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