中古物件のリフォームの資金をお考えの場合、気になるのがリフォームローンです。
リフォームローンは住宅ローンよりも借りやすく、各金融機関が特徴のある商品を競っています。
この記事では、リフォームローンの審査がゆるい例や審査基準と対策、おもなリフォームローンなどをご紹介します。
住宅ローンにリフォーム資金を乗せる方法や、リフォームでもらえる助成金も解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
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リフォームローンとは
住宅の購入と同時にリフォームをおこなう場合は、住宅ローンの一種である「一体型ローン」を利用することも多いです。
しかし、住まいというものは住んでみて「もっとここを変えればよくなる」「新しくここをこうしたい」「想定していなかったここを直す必要が出た」などのニーズが生じることもあるでしょう。
このように居住の途中でリフォームのニーズが生じた場合は、新たにリフォームローンを組むか、住宅ローンを借り換えることになります。
リフォームローンの平均像を簡単にご紹介します。
- 借入金額の上限:500~1,000万円
- 借入可能な期間(返済期間):最長で10~15年
- 金利水準:1.3~3.0%
- 団体信用生命保険の加入: 商品によっては無し
- 審査の期間: 最短で即日・最長でも1週間程度
住宅ローンの借入経験のある方なら、返済に無理がなければ、かなり簡易的な条件で利用できる印象でしょう。
リフォームローンの選び方
リフォームローンには担保、金利、返済方法、その他によって種類があり、それぞれのタイプの特徴や、どのタイプが合っているのかを検討する必要があります。
担保の有無
リフォームローンには、担保を必要とするものと、無担保のものがあります。
担保とは、万が一返済困難な状態になったときに、金融機関が債務回収のために売却できる資産や、他の回収先を約束しておくことです。
契約時に立てる保証人のことも、債権回収の対象なので人的担保と呼びます。
リフォームローンの場合、家や土地、家の抵当権を担保にすることとなります。
担保があるタイプのほうが、審査全般は厳しくなる代わりに、長期で借りられて金利も低い傾向にあり、反面無担保のものは融資額が低く、金利は高めです。
金利の種類
リフォームローンでは変動金利・当初固定金利・全期間固定金利の3種の金利があり、それぞれ以下のようなメリット・デメリットがあります。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
変動金利 | 変動しても金利が平均的に低め | 金利が変動するので返済計画を立てにくい |
当初固定金利 | 固定期間中は金利が一定 | 固定期間が終わると金利が上昇する傾向あり |
全期間固定金利 | 金利が一定なので返済計画を立てやすい | 変動しない代わりに金利が平均的に高め |
金利は選択できる場合と、コースによって金融機関の指定となる場合もあります。
変動金利といっても、1回の金利上昇の上限設定や、変動適用の猶予期間などが設けられるため、すぐに上昇の影響は出にくいです。
しかし、今後金利の上昇傾向も予想されるため、要注意です。
返済方法
返済方法には元利均等返済と元金均等返済があります。
元利均等返済は、毎月の返済額が一定で計算される返済方法で、住宅ローンやリフォームローンでは主流となる方式です。
返済計画の立てやすさがメリットですが、返済額に対する利息の割合が大きくなります。
元金均等返済は、毎月の元金の返済額が一定で、毎月の元金残高に合わせて変動する利息を加えて返済します。
メリットとしては、毎月の返済額(元金+利息)が徐々に減り、元金の返済ペースが速くなることです。一方で、返済開始時の返済額は多くなります。
付帯サービスや借入条件
借入する方が一番気になる内容は、付帯サービスや借入条件ではないでしょうか。
付帯サービスには、金融機関のほかのサービスの利用で金利優遇制度や、環境配慮型またはバリアフリーのためのリフォームの金利優遇、最短翌営業日のスピード審査、繰上返済手数料無料などがあります。
借入条件は前年の年収や勤続年数(事業主は営業年数)、対象工事内容、年齢上限などで、これらが審査のゆるさの要素にもなります。
リフォームローンの審査がゆるい例
リフォームローン審査の共通した特徴として、以下のような方は比較的審査に通りやすいといわれています。
- 年齢が20~30代
- 正社員や公務員など安定した職種
- 勤続年数が1年以上ある
- 過去にローンを延滞したことがない
以上を要約すると、年齢が若くて返済年数が長くとれ、安定した職に就き、過去に悪い履歴がないということになります。
もちろん、上記すべてに当てはまる必要はありません。
リフォームローン審査が通りやすい金融機関とは
金融機関のなかでは、JAバンクや信用金庫が比較的通りやすいといわれています。
JAバンクは正組合員(農業者)の場合は借入の条件がかなり優遇され、農業者以外でも出資金を支払って準組合員になれば、金利の優遇が受けられるとの情報があるので、気になる方は相談してみましょう。
都市銀行などの大手は、利用者が多く通りにくい傾向にあります。
リフォームローンの審査基準と対策
リフォームローンは現在のあなたの状態を審査するのが基本ですが、以下の工夫によって幾分審査を通しやすくすることも可能です。
審査基準
まず、ローンの審査基準について、あらためてまとめます。
審査基準は各金融機関とも非公開ですが、下記の要素はチェックしているといわれています。
借入希望額 | 審査の結果で「この金額ならお貸しできます」と減額される可能性もあり。 |
---|---|
完済時の年齢 | 完済時に満70歳未満、借入時に満60歳未満が基準といわれるが、この限りではない。 |
年収と返済負担割合 | 返済負担割合は年収をもとに、どのくらいの割合の金額を返済に回すかをいう。35%が上限の目安として審査されるといわれる。 |
勤続年数 | 現在の仕事の定着率を確認。個人事業者は納税申告の年数と収支を確認する。 |
ほかの借入と返済状況 | ほかの借入の返済も返済能力の要素となる。ほかで延滞や返済不能があれば、審査の通過は難しい。 |
審査を通しやすくする対策
審査を通しやすくするために、以下の方法を試しておきます。
- 不要なクレジットカードを解約する
- クレジットカードのキャッシング枠を解約する
- 他社での借入状況を確認する
- 返せる借入は先に返す
- リフォーム会社に対策を相談する
- 信販会社のローンを申しこむ
- 携帯電話の連続料金滞納をしない。
- 延滞にやむを得ない事情があった場合は説明する。
以前のちょっとした滞納は忘れがちなので、CICなどの信用情報機関にご自身の情報を照会して延滞などがないか確認し、滞納のやむを得ない理由があった場合は、金融機関の担当者に説明しておきましょう。
リフォーム会社の提携信販会社は審査には通りやすいのですが、貸金業法で借入額の上限が厳しいことと、金利が高めな点は要注意です。
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リフォームローンの例5選
こちらではリフォームローンの例として5つ取り上げ、特色をご紹介します。
りそなリフォームローン(りそな銀行)
りそな銀行は幅広い規模のリフォームに対応し、継続安定した収入があればパート・アルバイトの方もお申込み可能です。80歳までの返済が可能です。
融資金額 | 10万円以上1,000万円以内(1万円単位) |
---|---|
金利 | 所定の変動金利・金利特典あり |
返済期間 | 申込時の年齢:満20歳以上満66歳未満・完済時の年齢:満80歳未満 |
特色 | 規模の大小を問わず、さまざまなリフォームに使える。 |
リフォーム融資 耐震改修工事(住宅金融支援機構)
住宅金融支援機構は政府系の公的なリフォームローンで、300万円までは担保不要です。
ただし耐震改修の実施が条件となります。
融資金額 | 10万円以上1,500万円。もしくは担保評価額。 |
---|---|
金利 | 全期間固定金利(毎月見直し) |
返済期間 | 20年、もしくは年齢ごとの最長返済期間指定。 |
特色 | 年齢や国籍(日本国籍または永住権を持つ外国人)など、申請条件あり。 |
ネットDEリフォームローン(三菱UFJ銀行)
三菱UFJ銀行の事前審査は最短即日、本審査は最短翌営業日のスピード審査が可能で、繰上返済手数料が無料です。
融資金額 | 50~1,000万円 |
---|---|
金利 | 1.99~2.875%(保証料込み) |
返済期間 | 6ヵ月~15年 |
特色 | 住宅ローン併用やバリアフリー施工で金利を-0.885%優遇。 |
LIXIL リフォームローン(LIXIL)
LIXILのリフォームローンは、LIXILのリフォームを利用することが融資の条件となります。
無金利キャンペーン実施時が狙い目です。
融資金額 | 20万円~500万円 |
---|---|
金利 | 実質年率3.4%(信販会社提供) |
返済期間 | 5年 |
特色 | 最大60回分割払いOK。無金利キャンペーン実施の場合あり。 |
一体型住宅ローン(楽天銀行)
楽天銀行の一体型住宅ローンは、すでに借りている住宅ローンを借り換えてリフォームの借入と一体化させ、金利が下がればお得になる商品です。
融資金額 | フラット35:100~8,000万円 住宅ローン(金利選択型):500万~1億円 |
---|---|
金利 | 「フラット35」と「住宅ローン(金利選択型)」のコースなどで異なる。 |
返済期間 | 次のいずれか短い年数。 1.15~35年 2.完済時年齢が満80歳となるまでの年数 3.35年-当初の住宅ローンの経過年数 |
特色 | 「フラット35」と「住宅ローン(金利選択型)」の2コースで、金利ほかの融資条件が異なる。 |
リフォームの費用を住宅ローンに乗せる
中古住宅の購入時点でリフォームをおこなう場合、購入費用と合算してローンを組むことができ、建物の価格の20%程度のリフォーム費用まで融資してもらえるものがあります。
フラット35リノベのリフォーム一体型の場合、もう少し高額なリフォーム工事費まで賄うことや、80歳までの親子リレーローンも可能です。
フラット35リノベは住宅金融支援機構の長期固定金利型リフォームローンですが、対象の住宅やリフォーム工事が、機構が定めた技術水準に適合している必要があります。
リフォームローンを助成金で早期返済する方法
リフォームで受けられる助成金の概要と、早期返済のメリットを解説します。
補助制度 | 助成金 | 対象 |
---|---|---|
こどもエコすまい支援事業(リフォーム) | 最大30万円 | リフォーム・中古住宅購入 |
既存住宅における断熱リフォーム支援事業 | 最大120万円 | リフォーム |
次世代省エネ建材の実証支援事業 | 最大400万円 | リフォーム |
住宅エコリフォーム推進事業 | 最大35万円 | リフォーム |
長期優良住宅化リフォーム補助金 | 100~250万円 | リフォーム・中古住宅購入 |
各市町村・住宅関連補助金制度 | 制度ごと | リフォーム・新築・中古住宅購入 |
こどもエコ住まい支援事業は、現在子どものいない世帯でも利用できます。
また、リフォームローン単独でも要件さえ満たせば、住宅ローン減税の対象となりますので、大規模な改修をおこなう際はおすすめします。
助成金を受けて繰上返済する前提で、リフォームローンの借入額を調整もできるので、まず助成金の申請のめどを立ててから、本格的な融資の相談をすると良いでしょう。
なお、手元の蓄えが増えたことで早期返済をおこなう際は、少額借入の場合支払い不要となる利子と返済の手数料を比較して、メリットがあればおこないます。
返済手数料は無料の金融機関もありますが、5,500円ほどかかる場合が多いです。
また、地震や台風により被災した住宅の屋根や外壁などは、火災保険・地震保険の保険金や、自治体の住宅補助金の給付の可能性がありますので、リフォームの資金に活用しましょう。
まとめ
リフォームローンの審査がゆるい例や審査基準と対策、おもなリフォームローンなどをご紹介しました。
リフォームローンにはさまざまな種類があり、審査のゆるさや貸付の基準、付帯サービスも多様なので、一度審査に通らなくても、ほかの金融機関に相談しましょう。
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