平屋がうるさいといわれる理由は?防音対策やリフォームを解説

平屋がうるさいといわれる理由は?防音対策やリフォームを解説

シンプルでおしゃれな暮らしが実現できることで人気が高まる平屋ですが、「室内の音と外からの音が気になる」といわれています。

この記事では、平屋がうるさいといわれる理由や対策、リフォームの依頼方法を解説します。

防音にも利用できる補助金もご説明しますので、ぜひ最後までお読みください。

\ 平屋の中古物件を探したい /

住まいの紹介サービスについて

平屋がうるさいといわれる理由4つ

平屋がうるさいといわれる理由4つ

平屋がうるさいといわれる原因は以下の4つで、いずれも平屋の構造や使い方に起因します。

  • 居室とリビングが近い
  • 屋根からの音が直接響く
  • 道路から居室の距離が近い
  • 住宅設備の音が聞こえやすい

居室とリビングが近い

平屋はワンフロアの間取りである関係で、もっとも生活音が出るリビングと、寝室や子ども部屋などの居室が隣接しやすく音が気になりがちです。

これは階段のスペースがないことと、建ぺい率を有効利用することから玄関ホールや廊下などを設けないケースが多いためです。

生活動線が短いという利点の反面、リビングの音を遮る構造物なしに居室へ音が伝わる原因となります。

リビングは、早朝から場合によっては深夜まで家族の出入りがあり、会話や足音を避けることは難しい場所のため、居室に気兼ねしながら過ごすのは苦痛となるでしょう。

屋根からの音が直接響く

平屋には、屋根と居室との間に二階の部屋がありません。

小屋裏や屋根の断熱状況や、屋根の材質にもよりますが、すべての部屋で屋根からの雨音や風の音などが直接聞こえます。

天井の高さが高めに設計されていればいくらか回避はできますが、リフォームで小屋裏を取り払って吹き抜け風にすれば天井の防音が薄くなり、スキップフロアを設けた場合は音源である天井の距離が近くなるため、どちらも感じる音は大きくなってしまいます。

瓦屋根は一番音を吸収するため、スレート屋根でも比較的雨の音はしませんが、ガルバリウム鋼板は金属製のため、雨の音が直接屋内まで響きやすい素材です。

屋根からの音を気にされる場合、ガルバリウム鋼板の屋根は避けるか、何らかの対策が必要です。

道路から居室の距離が近い

平屋は、比較的二階に設けることの多い寝室や子ども部屋などの居室もすべて1階にある関係で、外からの音をうるさく感じることがあります。

これは居室すべてが直接地面に接していることで、道路の車の振動や、外の騒音が届きやすくなるためです。

面した道路の交通状況にもよりますが、現在2階建てにお住まいの方が1階の部屋に寝てみると、よくわかるでしょう。

住宅設備の音が聞こえやすい

住宅のそばにはエアコンの室外機やエコキュート、給湯器、浄化槽のポンプなどの住宅設備が設置されていますが、これらの音が、周囲が静かになる就寝の時間帯に気になる場合があります。

エアコンは近年就寝中も使うことが多く、エコキュートもエアコン同様にヒートポンプの作動音が出ます。

低周波や高周波の音だけでなく、振動も室内に伝わってくるため、対策が必要になることも考えておきましょう。

お金をかけずにすぐできる平屋の防音対策

お金をかけずにすぐできる平屋の防音対策

防音というと、何らかの工事をおこなうことを連想しますが、まず以下のことを試すと、音の問題が改善されることがあります。

あまりお金をかけずに防音の対策をする方法を解説します。

防音グッズによる対策

音源となる住宅設備や家電製品の下に防音ゴムを付け、引きずり音が気になるリビングの椅子には、脚にカバーを付けて、音を小さくしてみましょう。

足音の響きやすい床にはカーペットやウレタンマットを敷いて吸音を試みます。

カーテンを防音のものに替えることや、窓ガラスに振動を防止する素材を貼ったり、ドアに隙間テープなどを貼ったりすることでも、音の問題は改善されることがあります。

音の種類別の対策箇所は、以下を参考にしてください。

対策したいこと 必要な対策箇所
屋外からの騒音 窓・壁の防音
室内の生活音 ドア・床・壁の防音
楽器練習・映画音楽鑑賞 防音室の設置

家具・家電の置き方

リビングにあるテレビやスピーカーなどの音は壁伝いに伝わる要素が大きいので、可能なら壁から50センチほど離すだけで改善される場合があります。

リビングのなかの音源は間仕切りで囲んだり、アコーディオンカーテンで仕切ったりするなども効果的です。

寝室や子ども部屋のなかから音を遮る場合は、リビング側に本棚やタンスを置くようにしましょう。

その他

お部屋の使い方を決める際に、間取りに合わせて例えば寝室はリビングや道路からなるべく離れた部屋を使うようにしましょう。

平屋の住まい選びの段階で、リビングと居室が廊下、中庭、集中収納で隔てられている間取りの物件を選ぶと、リビングの音がほかの部屋に干渉せず、夜間から早朝にかけての音のストレスが少なくなります。

また、音源となる要素はなるべく同じ場所に集中していることが望ましく、水回りが集中している間取りは家事音を一箇所に集められるため、離れた場所を静かにできるでしょう。

さらに、夜の9時以降はテレビの音を下げるようにするなど、家族のなかで相手を思いやったルール決めをすることも、音の問題の解決につながります。

このほか外からの音の問題は、住まいの購入時に防音対策済みか、幹線道路から離れた物件を探すこと、郊外や地方に引っ越すことで軽減されるでしょう。

子どもの騒ぐ声など、こちらの出す音に気遣うことがストレスで移住を考える方は多いのですが、逆に外からの騒音も静かにできます。

ただし、大型トラックが深夜でも往来する国道沿いは、地方でもかなりの騒音レベルになるため、立地選びは慎重におこないましょう。

うるさい平屋に効く防音リフォーム

うるさい平屋に効く防音リフォーム

前項のような工夫の他に、音を小さくする工事をおこなうこともできます。

防音対策としてリフォームをおこなう場合の施工法を解説します。

室内音の対策

床や壁や天井に使う断熱材を防音効果が高いものに交換、あるいは追加施工することで、音や振動の軽減ができます。

断熱材は本来の目的以外に、吸音の副次的な効果があるためですが、お部屋の快適性や空調の光熱費の節約にもつながるので、おすすめの方法です。

築年数を経た中古一戸建ての場合、防音・断熱はされているけれど、資材や施工の方法が古い場合もあります。

近年断熱の主流となっているのは、グラスウールやロックウールで、これらのほうが、ウレタンフォームより防音性能が高い傾向にあります。

グラスウールとロックウールで吸収する音域が異なるため、生活環境や要望を正しく伝えることで、防音の断熱施工方法を検討してもらいましょう。

屋根からの音の対策

屋根裏にも吸音性のある断熱材を敷き詰めることで、雨音などの防音効果が期待できます。

特に天井を取り払って室内高を高くとる場合は、屋根の防音には要注意です。

音は振動によって伝わるため、振動を抑える制振材を屋根に使うと音が伝わりにくくなります。

例えばガルバリウムなどの厚さが薄く軽量な金属は、剛性が高い反面振動しやすいです。

振動を吸収してくれる制振材を裏打ちすると振動も抑えられ、防音の効果が高まります。

また、屋根に防音効果のある塗料を塗ったり、寝室の上に小屋裏収納やスキップフロアを作ったりすると寝室の静粛性がアップするでしょう。

中古物件を検討する際の屋根素材は、瓦がもっとも静かで、音の問題が少ないです。

外部からの音の対策

窓は音や振動が伝わりやすい場所なので、2重ガラスや気密窓に交換すると、外からの音を小さくする効果があります。

ガラスとガラスの間に真空がある2重の真空ガラスは、防音性に優れているだけでなく、断熱や結露防止効果も改善されるでしょう。

住宅設備の防音策

エコキュート、エアコンの室外機、浄化槽のポンプなどは、隣接する居住空間との関係を考えましょう。

特にエコキュートの室外機は、キッチンの外側に配置するようになっていれば、音の面では比較的安心です。

エアコンの室外機も、設置場所に制約があるものですが、なるべく寝室・子ども部屋から室外機を遠ざけて配置するようにしましょう。

ちゅうこだて!の「住まいの紹介サービス」では、中古一戸建て探しのご相談を24時間チャットで受け付けております。
ぜひお気軽にご利用ください。

\ 平屋の中古物件を探したい /

住まいの紹介サービスについて

うるさい平屋の防音リフォームに使える補助金

うるさい平屋の防音リフォームに使える補助金

防音のみを目的とするリフォームの補助金は、用途や対象者が限られています。

しかしその対象とならなくとも、防音のためにリフォームの助成金を受ける方法があります。

防音に関連した補助金がどのようなものかを確認しておきましょう。

騒音のある場所に対する補助金

以下のような場所は音の大きさや平屋かどうかなどには関係なく、騒音の音量が大きいと認定され、防音施工が助成金の対象となります。

  • 指定された幹線道路の沿道の近く
  • 自衛隊や在日米軍基地の近く
  • 空港の近く

詳細は以下ですが、自治体の情報なども含め、該当するか確認してみてください。

対象者 対象工事 助成の度合い
幹線道路沿いの居住者 「沿道整備道路」に指定された道路の沿道で、特別区により「防音構造に関する条例」が適用された区域内で条件を満たす住宅の防音工事
<東京都の例>
環状七号線 ・環状八号線 ・中原街道 ・笹目通り
審査した工事費用の4分の3かつ、騒音調査結果に基づく対象室数により、助成限度額が異なる。
自衛隊/在日米軍基地の飛行場近くの居住者 防衛省が定めた「住宅防音工事標準仕方書」によって住宅の防音工事をおこなう場合 原則として工事費の全額を助成。
空港の近くの居住者 国交省が告示した「騒音区域内」で、条件を満たす住宅が、基準に定められた防音工事をおこなう場合が対象 騒防法に基づき、防音工事費の全額もしくは一部を補助。

住宅性能の向上に対する補助金

上記の助成金に該当しなくとも助成金を申請できる方法は、防音や断熱などの住宅性能向上に対する助成金に申請することです。

これは前述のように、同じ施工で防音の効果も得られるためです。

例えば窓の2重化や、屋根の断熱などは防音でも同様の工事をおこないます。

2023年は以下のような助成金が運用されていました。

補助金名 対象工事 補助額
既存住宅における断熱リフォーム支援事業 15%以上の省エネ効果が見込まれる高性能建材(断熱材・窓・ガラス)を使用した既存住宅のトータル断熱リフォーム、または居間に高性能建材(窓)を用いた断熱リフォーム <一戸建て住宅の場合>
1住戸あたり120万円を上限額とし、費用の3分の1以内を補助。
※120万円に加えて、以下の設備に対する補助金あり。
・家庭用蓄電システム:20万円
・家庭用蓄熱設備:5万円
・熱交換型換気設備など:5万円
次世代省エネ建材の実証支援事業 <外張り断熱>
外張り断熱工法などで住宅の外壁などを改修し、住宅全体の断熱性能を向上させるリフォーム
<内張り断熱>
施工性の向上のために断熱材・下地材が一体となった断熱パネルや、快適性向上に役立つ潜熱蓄熱建材を導入するリフォーム
<窓断熱>
すべての窓をSグレードの外窓(防火・防風・防犯仕様)にてリフォーム
<外張り断熱>
一戸建て住宅1住戸あたり300 ~400万円を上限、経費の2分の1以内を補助。
<内張り断熱>
一戸建て住宅:1住戸あたり20~200万円、経費の2分の1以内を補助。
<窓断熱>
一戸建て住宅1住戸あたり150万円を上限、経費の2分の1以内を補助。「任意製品」も併用して改修する場合は200万円が上限。
こどもエコすまい支援事業
【受付終了】
<必須工事>
※いずれか必須
・開口部の断熱改修
・外壁、屋根・天井または床の断熱改修
・エコ住宅設備の設置
原則1戸あたり30万円(工事の内容や属性に応じて最大60万円)

<子育て世帯または若者夫婦世帯>
・既存住宅を購入した場合:60万円
・上記以外:45万円

<一般世帯・子なし可>
・既存住宅(安心R住宅に限る)を購入した場合:45万円
・上記以外:30万円

助成金は年度によって実施内容や改廃がある他、年度内でも申し込み定員に達した場合、締め切りとなる可能性がありますので、常に最新の情報を確認するようにしましょう。

防音リフォームを依頼する際の注意点

防音リフォームを依頼する際の注意点

効果的な防音リフォームをおこなうために、知っておくと良いことがいくつかあります。

防音リフォームを業者に依頼する際の注意点や、NG事項をご説明します。

依頼のための3ステップを意識する

リフォームの施工は、段取りを踏んで進めることでスムースかつ、効果的な工事依頼ができます。

問題点の整理

防音リフォームを依頼する前に、家族で問題点をまとめてみましょう。

「ここに問題がある」「この問題を優先したい」などの整理をしますが、必要なのは例えば予算内で、屋根からの音よりも道路の騒音を優先的に対策したいという話し合いです。

入居時におこなうリフォームの場合は、実際に問題を体験していないため、ご家族で調べた平屋の防音に関する情報を共有したうえで、何を優先するかを考えましょう。

予算の検討

整理された問題点をもとに、おこないたい施工の費用相場を調べ、何社かに相見積もりの打診をした結果から、予算感を詰めていきます。

基本的には相場よりも、見積もりのほうが金額は高めになることが多いので、その理由を各社に確認していきましょう。

近年は資材の費用が高騰しているため、業者によって仕入れルートの違いから、見積金額に差が出ることもあります。

業者選び

業者を選ぶ際は、価格が安いだけでなく以下の点も注意して選びましょう。

提案内容がわかりやすく、質問に誠実に答えてくれ、具体的なアドバイスをくれる会社に依頼するのが良いです。

ホームページの施工実績、ブログの記事の施工例や、お客様の声なども参考にし、質問に対する回答も判断材料にします。

一括査定サイトなどで口コミが確認できれば、参考にするのも良いですが、さまざまな意図の書き込みがあるので、鵜呑みにするのは避けたほうが良いでしょう。

マンションや賃貸物件での制約

賃貸物件の場合は貸し主と話し合いの結果了承を得られる場合を除き、退去時には原状回復する必要があります。

原状回復しなくとも良いとなった場合は、費用をどのようにするかも話し合いましょう。

さらにマンションは賃貸でなく自己所有の場合でも、管理組合規定で改修箇所に制限が設けられているので、確認が必要になります。

リフォームの費用対効果に注意する

リフォームは依頼主と業者との間に希望する効果や、予算の詳細の共有がされていない場合、トラブルとなる可能性があります。

予算の範囲で効果が期待できるかは、しっかり確認の必要がありますが、これから入居する場合の依頼は、効果のビフォーアフターの判断が困難なので特に注意が必要です。

住み始めて音の状況を確認してから、リフォームを依頼しても良いでしょう。

まとめ

まとめ

平屋がうるさいといわれる理由や対策方法、リフォームの依頼の他、防音に利用できる補助金を解説しました。

音の問題はケースバイケースのため、有効な解決策は千差万別ですが、数百円のグッズで効果が上がる場合もあるため、対策前に音の原因や、家族の要望をよく確認するのが大切です。

平屋の物件をお探しの方へ

ちゅうこだて!では平屋の中古一戸建てを数多くご紹介しています。

築年数や図面ありの物件を絞り込めるため、ぜひ一度ご覧ください。

ちゅうこだて!の「住まいの紹介サービス」では、中古一戸建て探しのご相談を24時間チャットで受け付けております。
ぜひお気軽にご利用ください。

\ 平屋の中古物件を探したい /

住まいの紹介サービスについて