コの字型の平屋はカタカナのコの字の形をしていて、建物の一部が凹んでいるのが特徴です。
凹んだ部分には開放的な中庭があり、日当たりや風通しの良さを感じられます。
しかし複雑な形状であるため、デメリットも理解したうえで選ぶことが重要です。
この記事ではコの字型平屋のデメリットと解決策、メリットを解説します。
コの字型以外の平屋の種類も解説するため、それぞれの特徴を比較して最適な平屋を選んでください。
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コの字型平屋のデメリットと解決策
コの字型平屋は複雑な形状をしていることから、以下のデメリットが懸念されます。
- デメリット①建築コストが高い
- デメリット②動線が長くなる
- デメリット③維持管理に手間がかかる
- デメリット④プライバシーを確保しにくい
デメリットを回避するためには、適切な解決策を知っておくと安心です。
それぞれのデメリットと解決策を解説します。
デメリット①建築コストが高い
建物の形状が複雑になるほど、施工に手間がかかり建築コストは高くなります。
コの字型平屋は凹凸や継ぎ目が多いため、建築コストが高額になりやすいです。
建築会社によって差がありますが、コの字型平屋は通常の平屋よりも1坪あたり2〜5万円程度価格が高くなることが多いといわれています。
中庭の外構工事も、コストアップの原因になります。
中庭は平屋の中心部分に位置するため、美しく見せるために植栽や照明、ウッドデッキにこだわる方は多いです。
開放的な雰囲気を演出する目的で中庭側の窓を増やす場合も、サッシの材料費が高くつきます。
さらにコの字型平屋を建てるためには広い土地を確保しなければなりません。
建築コストだけでなく土地代も高ければ、トータルで莫大な出費になります。
建築コストを抑えるための解決策は、できるだけシンプルに仕上げることです。
複雑な形状よりシンプルな形状のほうが、建築コストを安く抑えられます。
途中で予算オーバーにならないよう、事前に予算を決めてから設計を相談することもポイントです。
デメリット②動線が長くなる
コの字型平屋は動線が長くなる点がデメリットです。
直線が折れ曲がったような形状をしているため、端から端に移動するのに時間がかかります。
頻繁に行き来する部屋同士が離れていると、使い勝手が悪いです。
中庭を横切れば、離れている部屋にショートカットできますが、段差の上り下りや靴の脱ぎ履きが面倒な方も多いでしょう。
雨が降っていると家の敷地内で傘をささなければならず、とても不便です。
動線計画を組む際は、室内を通る前提で考えましょう。
解決策としては、中央部分にLDKや水回りなどをまとめる方法が有効です。
LDKは家のなかで過ごす時間が長い空間で、家族が集まる共有スペースでもあるため、中央部分に配置することで動線を短縮できます。
LDKの近くに水回りがあると、家事効率アップにもつながります。
コの字型平屋で使い勝手の良い動線計画を考えるのは、難易度が高い作業です。
設計を依頼する際は、コの字型平屋の実績が豊富な建築会社を選ぶことをおすすめします。
デメリット③維持管理に手間がかかる
維持管理に手間がかかるデメリットもあります。
特に維持管理が大変な場所は中庭です。
コの字型平屋は中庭との一体感が魅力であるため、こまめに維持管理をしないと見栄えが悪くなってしまいます。
雑草が伸びる時期には、草むしりも欠かせません。
中庭側の窓が汚れている場合は、窓掃除も必要です。
三方向が壁で囲まれているコの字型平屋の中庭は、水はけが悪くなる可能性もあります。
ジメジメとした空気にならないよう、水をためないことがポイントです。
排水溝に枯れ葉やゴミなどが詰まってしまうと、中庭に水がたまる原因になります。
維持管理の手間を減らすためには、適切な排水対策が不可欠です。
例えば中庭に大きめの砂利を敷くことで、水はけが良くなります。
コンクリートなど水はけが悪い素材を中庭に使う場合は、しっかりとした雨水経路を確保することが肝心です。
ウッドデッキを設ける場合は定期的にメンテナンスをおこないます。
劣化や変色が見られる場合は、費用をかけて修繕しなければなりません。
樹脂タイプのウッドデッキであれば、劣化しにくく、美しい見た目を長期間維持できます。
デメリット④プライバシーを確保しにくい
建物の向きによっては、道路からの視線が気になる場合があります。
中庭部分が道路側に向いていると、家のなかが丸見えになってしまうことも多いです。
平屋は通行人と視線の高さが同じであるため、プライバシーには特に配慮が必要になります。
隣の建物から家のなかが見えないかどうかも、確認しておきたいところです。
覗いているつもりはなくても、お互いに目があってしまうと気まずい思いをします。
せっかくのプライベート空間なのに、思う存分くつろげません。
都市部の場合は隣の家だけでなく、近隣のマンションなど高層建築物からの視線もチェックしましょう。
プライバシーを確保するための解決策は、道路側にカーテンや柵など目隠しを建てることです。
しっかりと目隠しができれば、道路からの視線をカットしたプライベートな中庭がつくれます。
目隠しの素材をフェンスやルーバー、植栽などにすれば、圧迫感も少ないです。
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コの字型平屋のメリット
中庭があるコの字型平屋では、快適な暮らしが叶います。
コの字型平屋のメリットは以下のとおりです。
- メリット①日当たり・風通しが良い
- メリット②中庭を多目的に活用できる
- メリット③おしゃれな外観になる
- メリット④二世帯住宅にも向いている
メリット①日当たり・風通しが良い
コの字型平屋は建物の表面積が広いため、長方形の平屋よりも多くの窓を設置できます。
大きな窓を並べれば、室内に日光を取り入れやすいです。
一般的な平屋では中心部分や北側部分の日当たりが悪くなることが多いですが、コの字型にすることで平屋の弱点を解消できます。
風通しが良い点も、コの字型平屋のメリットです。
一部屋に二カ所以上の窓を設けると、空気が循環しやすく風通しが良くなります。
常に新鮮な空気を取り入れられるため、室内で過ごすときの快適性が向上します。
日当たりが良い家にするためには、コの字型の方角を考慮しなければなりません。
日当たりが良いのは南向きですが、その他のチェックポイントもあります。
例えば「西日がまぶしくないか」「近隣の高層建築物によって日光が遮られていないか」といった点も忘れずにチェックしましょう。
メリット②中庭を多目的に活用できる
中庭を多目的に活用できる点も、コの字型平屋のメリットです。
中庭の利用目的は多岐にわたりますが、例えば以下のような利用目的が挙げられます。
- 子どもの遊び場
- 車や自転車の駐車スペース
- 物干しスペース
- バーベキュー
- 坪庭
- ガーデニング
小さな子どもがいる世帯にとって、中庭は安全な遊び場になります。
親はリビングやキッチンから子どもが遊んでいる姿を見守りやすく、何かあったときもすぐに対応できて安心です。
道路への飛び出しや不審者との接触も防げます。
最初から特定の利用目的を決める必要はなく、フリースペースとして中庭を確保しておくのも手です。
一人で過ごすくつろぎ時間から、家族で過ごす賑やかな時間まで、あらゆるシーンで活躍するでしょう。
メリット③おしゃれな外観になる
コの字型平屋は個性的でおしゃれな外観を演出できます。
長方形の平屋はよく見かけますが、コの字型平屋は比較的珍しいデザインです。
ほかの家とは違う、周囲から一目置かれる存在になることでしょう。
ほかの家と差別化を図りたい方にぴったりです。
コの字型平屋ならではの日当たりの良さやプライベート感を活かして、中庭をリゾートライクな雰囲気に仕上げることもできます。
木の質感や中庭の一体感を活かした、和モダンなデザインとも相性が良いです。
デザインのテイストに関わらず、コの字型平屋のゆったりとした佇まいは高級感が漂います。
メリット④二世帯住宅にも向いている
コの字型平屋は二世帯住宅にも向いています。
間取りは中央部分をリビング、両サイドを各世帯の居住スペースにするのがおすすめです。
コの字型平屋は動線が長くなるのがデメリットですが、二世帯住宅であれば動線の長さを活かして各世帯の距離感を確保できます。
お互いのプライバシーを守りつつ、ほどよくコミュニケーションをとれるのが魅力です。
上下階で世帯を分けている二階建ての二世帯住宅では、生活リズムの違いによってお互いの生活音がうるさいと感じることがあります。
しかしコの字型平屋であれば、中庭を挟んでいるため生活音はあまり気になりません。
中庭を共有スペースにすることで、世帯間のコミュニケーションもとりやすいです。
週末は中庭で一緒に食事をしたり孫と遊んだり、一緒に過ごすきっかけがつくれます。
コの字型以外の平屋の種類
平屋の形状は、コの字型以外にもI字型、L字型、ロの字型があります。
それぞれのメリット・デメリットをまとめました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
I字型 | ・建築コストが安い ・大空間をつくりやすい ・間取りの自由度が高い |
・音が響きやすい ・日当たりが悪い ・プライベートな空間を確保しにくい |
L字型 | ・プライベートな空間を確保しやすい ・日当たりが良い ・変形地を有効活用できる |
・建築コストが高い ・維持管理に手間がかかる ・防犯対策が必要 |
ロの字型 | ・中庭のプライバシーが高い ・日当たりが良い |
・広い土地が必要 ・中庭の水はけが悪い |
I字型
I字型平屋は、一方向に伸びた長方形の形状です。
シンプルな形状であるため、凹凸や継ぎ目を最小限に抑えられるのが特徴です。
コの字型平屋のように壁に囲まれたプライベートな中庭はつくれませんが、建物の周りにオープンな庭をつくれます。
最大のメリットは壁が少ないシンプルな形状であることです。
凹凸や過ぎ目が少なくて済むため、建築コストを安く抑えられます。
柱や壁の数を減らした大空間もつくりやすく、開放的なLDKを実現できるでしょう。
間取り設計の自由度が高く動線もコンパクトにまとめられるため、住んでからの使い勝手も良い形状です。
動線が短いのは便利ですが、家中に音が響きやすいというデメリットもあります。
水回りの音は特に響きやすく、各部屋との位置関係に注意が必要です。
部屋同士が隣り合っているため、完全にプライベートな空間を確保することも難しいです。
また中心部分や北側部分は日当たりが悪くなることが多いため、暗い雰囲気になってしまう恐れがあります。
L字型
L字型平屋とは、建物がアルファベットのLの形をしています。
中庭に向かって縦と横に二辺で構成されている構造です。
L字型の向きは道路側に開けているタイプと、敷地の奥に開けているタイプがあります。
L字型平屋はゾーン分けしやすいというメリットがあります。
縦と横の二辺を人が集まる空間とプライベートな空間の二つのゾーンに分けられます。
L字の内側にある中庭は、外からの視線をカットしながら、日当たりの良さや開放的な眺望が手に入る点もメリットです。
三角形や細長い形など変形地であっても、L字の長辺を調節することで土地を有効活用できます。
一方で建築コストが高くなる点がデメリットです。
I字型平屋と比べると、壁や屋根の面積が増えるため、建築コストは高額になります。
また外に接する面が多いことから外気の影響を受けやすく、光熱費も高くなる傾向です。
また建物の入隅部分は強度が弱いため、メンテナンスや補強をおこなわなければなりません。
さらにL字型平屋は外部から不審者が侵入しやすい構造のため、十分な防犯対策が必要です。
ロの字型
ロの字型平屋はカタカナのロの形をした住宅です。
コの字型住宅の壁を一辺追加して、中庭が閉じている形状を想像していただくとわかりやすいでしょう。
中庭が外部に面していないため、プライバシーが確保されています。
ロの字型平屋のメリットは、外からの視線を気にせずプライベートな空間を楽しめることです。
ゆっくり読書をしたり洗濯物を干したり気兼ねなく活用できるでしょう。
家のなかからは中庭が見えるため、眺望に閉塞感はありません。
中庭から降り注ぐ日光が、室内に優しい光を届けてくれます。
一方でデメリットは広い土地が必要になることです。
中央部分に中庭をつくり、それを囲む建物をつくるには、ある程度まとまった土地でなければ成立しません。
また中庭の水はけが悪いことも注意点です。
雨水が中庭にたまると、ジメジメとした空気が発生し家が傷む原因にもなります。
しっかりとした排水対策を計画しましょう。
まとめ
コの字型平屋は近年注目されていますが、建築コストや維持管理のデメリットを認識しておかなければなりません。
デメリットを補うための解決策を知っておくことも大切です。
しっかりと対策をすれば、プライベートな中庭を活用しながら豊かな暮らしができます。
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